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買収満つ子

『踊るアホウに観るアホウ同じアホなら踊らにゃシャンソ~ン』

新自由主義かなんか知らんが、みんなが萬田はんみたいに『世の中銭だっせ!』と言い出した80年代、所謂『バブル経済』期、日本経済の好景気に引っ張られる形で芸術界隈、特に音楽なんかは素材も技術も才能もキャストもフィールドも豊かになったけど、そこにいる人たちはそんなに好きじゃなかった。

その大成功はもちろんそのまま評価されるべきだとは思うけど、なんかどこか『ドーピングで勝った感じ』もしたのでね?素直じゃないけど正直なところです。

日本に百何十あった地方銀行が統合し始めた頃、大学の経済学部に行っといてこんなこと言うのも何ですけど経営や経済なんかホントに興味無かったんですけど、でも『M&A』という言葉をさらっと使う人たちにムカッと来たのを覚えてます。

アイフォンの最新機種を前の晩から並んで買ってすぐ自慢してるやーつと同じ匂いがしてね?『え?並んで買っただけだろ?』

ファンドが株を買って企業を買収する仕組みなんかは自由経済の基本ってところでしょうかね?知らんけど。『もの言う株主』なんて言われ始めたのもその頃かと…

『買収』なんつってね、まるで魔女が怪しく光る液体の入ったでっかい壺をかき混ぜながらイモリの丸焼きとか美女の髪とか入れながら呪文を唱えるような、そんなイメージでしたけどね?

そうやって出来上がった謎の粉をおもむろに全世界に振り撒きやがった感じですね。みんなが狂ったように狂喜乱舞した。

もちろんそのおこぼれもやってきたし、遠くで観てただけですけど一方でまんざら悪い気はしてなかった。

そのうち、誰もがもう足元に咲いてる小さな花のことなんかどうでもよくなって、中毒患者のように『もっと欲しいもっと欲しい病』を患うようになった。

そんなの魔女の世界だけでやってくれてりゃよかったのに、みんなが巻き込まれちゃって、ホント困ったもんですよ。

企業合併も企業買収ももちろんそんなもの好きにやったらええと思うし、企業買収を阻止するためにファンドを立ち上げるとか、株式の保持をするためだけに金が使われ続けコストがかさむとか、護りたいと思えば金が掛かるのは当然ですけども、攻防の結果に生き残るその新自由主義を受け入れたんだから、今になって拒否も拒絶もできんだろうしね?

『買われないために買う』

自己保身の究極だとは思うよ?でも、そうやって買収した企業の価値を上げることに繋がらないとしたら、そこにいるあなたも込みでカスでクズです。

『原爆使わせないために自分も持つ』みたいな、無駄なことに金ばかり掛かるパーフェクトにバカな世界です。

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