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定義と目的設定

はじめに

初投稿が済んだところで早速本のレビューを書いていく。
今回読んだ本は「データサイエンス養成読本 ビジネス活用編」である。
この本はデータサイエンスの技術的な部分にはあまり触れず、データ分析プロジェクトはどう進めればいいのかというテーマについてキャリアが異なる8人の著者がそれぞれの視点で1章ずつ書かれている。ある程度一般論的に書かれている部分もありつつ、その人が経験したことを中心に語るケーススタディ的な要素もあり、非常に面白かった。
データ分析プロジェクトの概観、目的を知る、データ分析の一歩目を踏み出したい人にはぴったりの本だと思う。自分も一歩目を踏み出していないのでめちゃくちゃぴったりだった
データ分析という言葉は非常に多義的ではあるが、定義するのは面倒なので見逃していただきたい

文献

高橋威知郎他「データサイエンス養成読本 ビジネス活用編」(2018,技術評論社)<https://gihyo.jp/book/2018/978-4-297-10108-4>

データ分析は何らかの価値を生まなければならない

当たり前すぎて忘れがちになるのが、データ分析はビジネスで活用するにあたって何らかの形で価値を生まなければならない。単なる道楽ではないのだ。具体的には、売上増またはコスト減のどちらかには貢献しなくてはならない。例えば、機械学習による自動化でコスト削減をしたのか、広告配信の最適化で売上を増加したとかそんな感じ。興味だけじゃなく価値を生むことに焦点を当てなくてはならない。
だから最新の複雑な手法じゃなくても簡単な手法で価値が出せればそれでOK
これはデータ分析に限らずあらゆる施策に言えることだとは思うが、データ分析がそれっぽいカッコよさを持っているためなんかすごそうなことをやってるけど全然貢献してねえなと判断されかねないし、上層部やデータ分析に詳しくない人に説明するためには価値を説明するのが手っ取り早いだろう。

目的無きデータ分析は無駄である

この本に書かれていたかは微妙だけど超核心をついている格言。
データ分析をするにあたって一番重要で大事なプロセスはどんな目的かを定めることである。会社レベルでデータ分析をすることで何を実現したいかを考えることや、プロジェクト単位でも何を目的としているのかをきちんと定義することが重要なのだ。これがあやふやだと何を目的変数にして何を説明変数にするかもあやふやになってしまう。その結果データ基盤の整備がうまくいかなかったり、そもそもよくわからない分析になってしまう。
この本で挙げられているかなり悪い例として、「今あるデータでAIを使って何かできないか」が挙げられる。何かできないかの何かが曖昧だし、手段であるAIを目的にしてるという2つの点で厳しい。
タイトルの定義と目的設定はこれである。最近研修でキャリアプランとか色々言われすぎてうんざりしてきたけどこの本を見てちょっとだけ納得した
トレーニングにも意識性の原則ってあるしね

データ基盤の重要性

データ分析、活用をする上で大事になるのが、データをある程度簡単に引き出せる環境である。分析に使うデータがそれぞれ別の場所に保管されていたり、きちんとした形で整備されていないとデータ分析に相当なコストがかかってしまう。例えば、顧客IDと商品IDでできた購買ログの分析で、5年前の顧客ログが今の購買データと結びついてしまうみたいな不具合が起きる。
全くデータ分析をしていない企業が新しくデータ分析を始めようとするならばデータサイエンティスト、機械学習エンジニアを雇うのではなく、まずはデータ基盤を整備した方がいいらしい。

ビジネス側との協業

データ分析をするにあたってビジネス側の協業は不可欠である。分析をするにあたってビジネス側、現場の知見は不可欠なこと、分析の結果から生まれた施策は現場の協力がなければ実行できないという2つの要因がある。
データ分析をするにあたってビジネス側の知見は欠かせない。分析結果を解釈するためにはビジネス側の知見は不可欠である。さらにどのような分析をするかを考えるにあたってはビジネス側への理解がなければよい分析はできないだろう。まさしくデータをこねくり回しただけの机上の空論である。
単に現場の人をインタビューするだけでなく、業務プロセスを理解することや、業務を体験することや現場に足を運ぶフットワークの軽さが求められる。
現場との信頼関係を築いていなければデータ分析から知見を基にした施策を実行できない可能性がある。例えば、営業の巡回先を効率化するために、巡回する順番を設定したとしても現場は独自の順番で巡回するかもしれない。

その他に

ちょっと長くなってきたし他にも色々
データ分析の民主化という高度なスキルを必要とせずより簡単に分析できるような試みがある。最近(2018年)はダッシュボードツールが充実しているため、KPIの可視化がリアルタイムでできるようになっている。
さらに特にプレゼン資料などを作らずにslackなどで簡単に分析結果を議論できる環境とか
最初は小さく始めて成功体験を積み重ねるとか
ヒューマンアナリティクスの話とか
気になる方は読んでみてください

文体が統一できていないけどおいおいできてくるでしょう
長くなるから分割して投稿するのもありかも
次もなるべく早く投稿できるように頑張ります




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