短詩集47

1.匿名性に埋もれたい 僕であることに疲れた夕べ
2.抱けない女に縛られて男は何を望む
3.愛してるを数えない もう一度を重ねて重ねて重ねて
4.小鳥は小鳥なのに 白鳥の羽根など気紛れに背負い
5.満たされながら餓えて 今何も要らない
6.いつかの約束をした後で 今すぐをくれるあなた
7.トポロジー的に意味があると呟きながら指輪転がす
8.生きてても死んでても関係ない ひとりぼっちなら
9.「どうせ」のすぐそば控えるプライド そっと火をつけ蘇れと
10.ビールが酎ハイに 何を心変わりしたの?
11.「21世紀梨じゃなかった?」八百屋前で首傾げ
12.そろそろ気付く 噛み合わない会話と 躱された心
13.親鳥の羽根の下潜るように守り合い生きたい僕らは
14.葬儀はいつもどこか晴れやかに 苦しみの軌跡が立ち上る
15.誰が「悪い」のか 決めたがらないのは庇っているからよ

あとがき
久々の短詩です。肩慣らし。

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