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彼等は歩みを止めることなく、「その先」を目指し続ける―BUCK-TICK 2022 "THE PARADE" ~35th anniversary~ FLY SIDE

はじめに


こんにちは、せつなです。

本日は、2022年9月23日・24日の2日間にわたって横浜アリーナで開催されたBUCK-TICKのデビュー35周年記念のアニバーサリーコンサート『THE PARADE ~35th anniversary~』について書こうと思います。


初日は『FLY SIDE』、2日目は『HIGH SIDE』と銘打ち、異なるセットリストを披露した今回のコンサート。

いやー、もう圧巻のひとことでした。
想像していた何倍も濃密な時間。予想をはるかに上回る構成とステージ演出。そして、いい意味で期待を裏切られた驚きと感動を与えてもらえたコンサートだったと思います。
とにかく最高でした。さすがBUCK-TICK。


では、ここから先は『FLY SIDE』『HIGH SIDE』をふたつの記事に分け、それぞれ印象に残った場面を思い返しながら感想を語っていきたいと思います。今回は初日の『FLY SIDE』から。

この先、コンサートのセトリ、演出などのネタバレがありますのでご注意ください。



『FLY SIDE』-本編-


客電が落ちた後に流れてきたのは、お馴染みの『THEME OF B-T』
コンサートの幕が上がる瞬間に期待が高まります。

今回は、冒頭にも書きましたが特に映像演出にとても力が入っていて。
ステージの手前と奥側にディスプレイが設置されていて、それぞれに流れる映像によってステージの奥行きがさらに広がって見えました。
奥のディスプレイに、デビュー時の写真と、後年同じポージングで撮影された写真が映し出されて。
そして今年同じように撮影されたアーティスト写真が手前のディスプレイに映された瞬間、圧倒されました。
BUCK-TICKはこれまで歩みを止めることなくここまで進んできたんだという凄さを肌で感じられるとても印象的な演出でした。


ステージにメンバーが現れて最初に始まったのは『ICONOCLASM』
会場のボルテージが一気に上がります。
コンサートの定番曲のひとつですが、いつ聴いても問答無用で盛り上がれる曲ですよね。めちゃくちゃテンション上がりました。

次に披露された『BABEL』でステージ手前のディスプレイがゆっくり上がっていって、メンバーの姿がはっきり見えるようになります。
あっちゃんは今日もかっこよかった(などど)
ただ初日は座席の関係もあってあまり細かな部分まで見ることができず、あっちゃんのお衣装をほとんど覚えていないという。双眼鏡も用意してたけど、やっぱり生の空気感を感じたくて…。
でも手首~手の甲を覆うレース地のグローブをつけてらしたのはかろうじて分かった。手フェチ歓喜。

その後『唄』『月下麗人』と続き、今回のセトリはベスト盤(2022年9月21日発売の『CATALOGUE THE BEST 35TH ANNIV.』)から選出されてるのかな?と思い始める。


『舞夢マイム』

後ろに映される映像が今までとはちょっと違ったイメージというか。
なんというか、中華街っぽい感じ。会場が横浜っていうのに合わせたのかな?
楽曲の世界観がより深まる演出でした。
曲の展開に合わせて映像の場面も変わっていって。とにかく没入感が凄かったです。
ちなみに私から最初に出てきた感想は「ユニバのアトラクションみたい」でした←


『狂気のデッドヒート』

『No.0』のスタンディングツアーぶりだったけど、やっぱりいつ聴いても頭真っ白にして盛り上がれるのが楽しい曲。
ヒデの「シー」も健在で良かったです。
アウトロでヒデが下手側にきてカッティングのフレーズを弾いてくれたのが個人的に嬉しかったポイント。ヒデのカッティングは至高。


『禁じられた遊び -ADULT CHILDREN-』

この曲も映像演出がとても印象に残っています。特にラストの辺り、鳥肌が止まらなかった…。

今回はあっちゃんの表現方法というかメッセージの伝え方に変化があったように感じました。
曲終わりにあっちゃんが「全てのアダルトチルドレンに捧げます。」とおっしゃっていたように、今までは櫻井敦司という人間の内面に深く結びついていたものを、今度はこの曲を聴いている”誰か”へのメッセージとして昇華できたような印象をもちました。

これは『ロクス・ソルスの獣たち』で『さくら』を聴いた時にも思ったことで。今まで自分自身と切っても離せなかった言葉たちを、自分と同じ痛みをもった”誰か”のための物語として伝えてくれたというか。
それがとても嬉しかったです。


そして一旦あっちゃんがステージ袖にはけ、流れてきたのは『相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり(2022MIX)』。

曲が始まるとスクリーンにあっちゃんのお顔が映し出されます。
この演出自体は『ロクス・ソルス~』で披露されたことも記憶に新しいですが、今回はまた違った雰囲気の映像で。
ざっくり言うとホラー路線でした、ええ。
あっちゃんの目力をこれでもかというほど有効活用されてましたね…。

初日に見た時は衝撃が大きすぎて、終演後ホテルに帰ってからこの映像が脳裏から離れなくてずっとこのことばっかり考えてましたw
映像作品化の際はまたマルチアングルの収録をお願いいたします…!



この後あっちゃんが再びステージに登場。
そして、ここからの流れは今回のコンサートにおけるひとつのテーマを体現したもので。


『楽園』

ステージの奥行きを活かした演出で、まるで円形のモスクの中で演奏されているようでした。
あっちゃんの歌声には情感がこもっていて、その熱量に心を打たれる素晴らしいパフォーマンスだったと思います。


『REOLVER』

会場内の熱が一気に上がります。
”戦争”というものへの怒りであったりやるせなさであったり、そういった感情を爆発させるように歌うあっちゃんが印象的でした。
1番のサビ終わり、「撃て!」って叫ぶあっちゃんがかっこよすぎて震えた。

プレイ面では、曲の最後の辺りのベースラインがとても好きです。
メロディーラインと絡みつつお互いの良さを引き立てていますよね。
とてもかっこよかったです。生演奏で聴くとよりグッときました。


『ゲルニカの夜』

まさかもう一度コンサートで聴けるなんて思ってなかった。
『No.0』のコアにあたる曲ということで、アルバムの枠を外れることが想像できなかったんですよね。
ただ、私がBUCK-TICKに強く惹かれた理由のひとつでとても思い入れのある曲なので『No.0』のフィールドを離れても演奏してくれるというのは嬉しくもあります。
(聴く上では相応の覚悟が必要ですが…。今回は35周年記念のベスト盤に収録されていたので心の準備がある程度できていたというのも大きかったと思います。)

今回の演出は『No.0』ツアーの頃よりシンプルだったように思いますが、その分あっちゃんの表現力が際立っていて素晴らしかったです。


『さよならシェルター』

35周年を記念して発売されたベストアルバム『CATALOGUE THE BEST 35TH ANNIV.』に収められた新曲です。
この曲に込められたメッセージも、”戦争”という現実に対する思い。
この時代にこんなことがリアルに起きてしまうんだという悲しみと憤り。
このような思いはきっと誰しもが感じていることであって。
だからこそ、この曲のメッセージは心に響くんだと思います。


ここまでのセットリストは、”反戦”という明確なメッセージをもって構成されていました。
私としては、アニバーサリーコンサートでここまでやると思っていなかった、というのが正直な感想です。

なんというか、これは私だけじゃないと思うんですが周年記念のコンサートって一種のお祭りみたいな感じだと思ってたんですよね。多分普通のバンドならそうなることが多いだろうし。
ただ、今のBUCK-TICKはそうではなかった。
周年を祝うというよりも、これから先も走り続けていくための決意表明のコンサートであるという意識が強かったのだと思います。
やっぱりBUCK-TICKというバンドは凄いのだと、つくづく実感しました。

あと、個人的に横浜アリーナという会場であったりメッセージ性の強いセットリストなどが2004年に開催された『悪魔とフロイト』の雰囲気に似ているな…と思いました。
実を言うと35周年記念のコンサートを横アリでやるって発表になった時ちょっと期待してた。悪フロみたいな空気を味わってみたいって。
でもさすがにそこまでやってこないだろうと思っちゃったんですよね。完全にBUCK-TICKを甘く見ていた。
こういった明確なメッセージを伝えてくれるコンサート、悪フロ大好きマンとしてはとても嬉しかったです。ありがとうBUCK-TICK。


『Go-Go B-T TRAIN』

先程までとは打って変わってのアップテンポナンバー。
BUCK-TICKというバンドとファンの信頼関係みたいなものが感じられてとても好きな曲です。
もう発売から1年経ったなんて信じられない…(などと)

これはとにかく特効がすごかった。
ステージ上の四方八方から白煙が噴き出して、まるで汽車が煙を上げながら走ってるみたいな演出。
まじでよかったんだけど言葉で説明できないので、ぜひWOWOWの放送で観てほしい。めちゃくちゃかっこよかった。


『Memento mori』

これまた特効が良すぎた。
ファイヤーボールが曲のリズムに合わせて噴き上がるんだけど、その音ハメが気持ちよすぎてw
それでテンションが上がりすぎてもうはしゃぎまくった。マスクして飛び跳ねたら呼吸困難になるとあれほど()


『New World』

やっぱり何回聴いてもいい曲。
キラキラした夢の中にいるみたいな感覚になる。
儚さとか切なさも感じるんだけど、それ以上に前向きな気持ちにさせてくれるのが本当に嬉しい。


そして本編が終了して、次はアンコールへ。



『FLY SIDE』-アンコール-


『Django!!! -眩惑のジャンゴ-』

何気にコンサートで初めて聴きました。ようやく聴けたよ…。
今回絶対やってくると思ってた(などと)
これまたスクリーンの映像がめちゃくちゃゴージャスで良き。

そしてアンコールであっちゃんがおみ足をご披露なされる。
完全にモロ出しですありがとうございます←
実を言うと本編のお衣装からも若干肌色が見えてたのは内緒…w
アンコールのお衣装、ぴったりした薄手のジャケットで裾にフリンジがいっぱいついてた。パッと見た感じフィギュアスケートのお衣装みたいに見えてしまってひとりで悶えてた。


『悪の華』

とんでもなくかっこよかった。
30年以上前の曲だけど全然古さを感じない。というか今やったほうがかっこいいまである。
昔の曲をやっても懐かしさだけで終わらないのが本当に凄いと思う。


『ILLUSION』

メジャーファーストアルバムからの一曲。
あっちゃんの声の伸びがとってもきれいで一気に引き込まれたなあ。
これは最近特に感じるんだけど、コンサートの度にあっちゃんの歌に磨きがかかってるように思う。さすがとしか言いようがない。



この後一旦メンバーがはけてダブルアンコールへ。


『夢見る宇宙』

ここで夢見る宇宙はエモすぎるのよ。
個人的に一度BUCK-TICKと出会っていた10年前のことを思い出して感慨にふけっていました。
25周年のフェスで聴いたときの思い出と、ちょうど10年後の現在の風景が重なって。
改めてBUCK-TICKを好きになれて良かったな…としみじみ感じました。


『Solaris』

『No.0』のホールツアーぶりでしたが、きちんと曲を知った状態で聴くのは初めてでした。リベンジが叶って良かったね…。
あっちゃんの透き通ったハイトーンボイスが美しかった。



おわりに


ということで、今回は初日の『FLY SIDE』の感想について書きました。

いやー、本当に凄いものを見せていただきました。
ファンの期待の更に上を突き抜けるようなコンサート。
これはBUCK-TICKにしか表現できないものだったと思います。

コンサートが終わった瞬間はあまりの衝撃に頭がついていかずぽかんとしてしまってましたが←
ホテルに帰っていろいろと思い返していると、ここが良かったなとかあの演出凄かったなっていう思いがどんどん溢れてきて。
明日も全く同じメニューでいいからもう一度あの素晴らしいクオリティーのコンサートが観たい!と本気で思いましたw

というか、初日はセットリストの構成が完璧すぎて替えようがないんじゃないかと思ったんですよね。それほど完成度が高かったんです。
でもそれだと『FLY SIDE』『HIGH SIDE』と銘打つ理由がないよなあ…とひとり思案しておりました。


その疑問は新鮮な驚きをもって解決するのですが、そのお話はまた次回の記事で。


ここまでお読みいただきありがとうございました。





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