見出し画像

#15 瓶子ってとても好きな形です。

 名古屋の爲三郎記念館(古川美術館分室)の「瀬戸陶芸協会百年への挑戦 古今無双 瀬戸陶芸物語」を見てきました。

 ずっと気になっていたんです。「せともの祭が終わったら、やりたい(行きたい)リスト」の上位にリストアップしてあったんですが、結局先週やっと行くことが出来ました。10月1日が会期末でしたので、ギリギリでの鑑賞でした。 
 瀬戸陶芸協会は瀬戸の陶芸家の集まりで、日本でも最も歴史のある陶芸家の団体となります。 

 今回は「瓶子」という共通なテーマで作品を作られて、展示されています。 
 瓶子(へいし)と言ってもピンとこないでしょうか。上が丸く、下がぐっとくびれていて、てっぺんにちょんと口がついた壺……ああ、そう画像のこれですね。

右が鎌倉時代の瓶子。

 昔むかし、瀬戸で作られていた代表的なスタイルの壺なんですが、今も神社などで酒を入れたりしているのを見かけますね。
 個人的にはとても魅力的で好きな形。なんだろう、これってとてもセクシーな形じゃないですか?
 瀬戸の陶芸家たちがこの瓶子をテーマにそれぞれの個性をそれぞれの瓶子に注ぎ込んでいるわけです。実に興味深くないですか。陶芸家たちが共通の「もの」で個性を表現している。磁器であったり、練り込みであったり、伝統的な作風であったり、斬新であったり……技法も作風も様々な瓶子に囲まれる空間と時間。

畳の展示室!ぐっと近づいての鑑賞!

 よく知っている作家さん、名前は知っている方、あるいはここで知った名前も。
 畳の展示室ということで一点一点の前で正座して贅沢に鑑賞。それぞれの作品の前で「どうもご無沙汰しております」「お元気そうでなにより…」「がんばってるねー」「いえいえ、どうもはじめまして」と作品を通してのあいさつ……。知らない人が傍から見たら作品の前であの人何やってるんだろうと思われていたんじゃないかと(今思えばちょっと恥ずかしいかも)。

こういう展示の仕方もいい。
庭もしっかり見て回りました。
庭にも作品がありました。

 素敵な建物に素晴らしい庭。名古屋の街の中にこういう空間が残されていること自体がとても贅沢。来れてよかった!

見上げれば駅ちかのタワーマンション。
本当に街の真中。贅沢な空間。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?