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ダンモビール/大学編

朝日小学生新聞の連載でもご紹介した『ダンモビール』。自然の中で、クモの糸にかかる、木の葉の動きをヒントにしたモビール。身近な素材であるダンボールと、タコ糸だけで組み立てる構造です。切れ込みを入れたダンボールを、垂らした糸にかけていくだけでできあがります。

今回、東北芸術工科大学 総合美術コースの2年次の演習の中でもこのプログラムを実施しました。え、小学生向けのプログラムを大学生に!? と思う方もいるかもしれません。ですが、クリエイティブな「遊びからの学び」に、年齢は関係ありません。敬愛するブルーノ・ムナーリもその著『ファンタジア』において、「ファンタジア(創造・発想する力を高めるための能力) を豊かにする訓練に、大人も子ども関係ない」と説いています。

総合美術コースインスタグラム『ダンモビール』

現在、東北芸術工科大学 総合美術コースでは、ブルーノ・ムナーリの『ファンタジア』に学び、ムナーリが意図したクリエイティブな能力を育むためのメソッドを、各教員が各々の視座に立ち、ワークショップ形式として演習に取り入れています。これは、【アソビミッケ 】8月 テーマ『段ボール』大学教育において私が一番実践したかったことであり、快諾してくれたコース長 松村泰造先生には頭が上がりません。

ブルーノ・ムナーリ『ファンタジア』(みすず書房)

ブルーノ・ムナーリ『ファンタジア』(みすず書房)

私も、妻と実施してきた数々のワークショップ、子育てからの気づきを生かし、この演習に取り組んでいます。生活の中の「遊びから得た学び」は大変有用です。そして、こどもだけでなく、大人にもその学びがとても重要であることが演習を通してわかります。

必要最低限の素材から、モビールを組み上げていくことは、参加者の創造的な能力を養います。事象を観察し、規則を発見する。そして、自分の重い描いたものにそれを応用する。それは、どの分野のワークにも通づる力となるでしょう。

モビールを考えることは、「関係をデザインすること」と言えるでしょう。段ボールと糸、面と空気、重さとバランス、作用と意図。それらの関係性を整えていくことで、持続的な美しさを持つモビールが誕生します。

朝日小学生新聞でご紹介したモビールの動画がこちらです。私のデザインは、パーツ同士の干渉を避けるために三角形でデザインしていますが、総合美術コースの学生たちのように、より自由な形、構成で作って構いません。ぜひ一度、ダンモビールを楽しんでみてください。

【アソビミッケ 】8月 テーマ『段ボール』_Youtube

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