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【メタバースでアート鑑賞】Metameで初メタバース対話型鑑賞会を開催しました!

ごあいさつ

こんにちは、瀬戸内アートコレクティブと申します!
卒業や入学の季節となってまいりました。桜も花開きはじめ、暖かくなってきたこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
この度はnoteという広大な世界の片隅から見つけていただいたこと、心から嬉しく思います。ありがとうございます!

まずはメタバースの話に入る前に、簡単な自己紹介をさせていただければと思います。
私たちがどのような団体かと言いますと、美術作家ともギャラリーとも美術館ともオンラインアート販売とも少し違った活動を行う、キュレーターのオクウェイ・エンヴェゾー氏の言葉を借りるなら

「柔軟で非恒久的な連携に力点を置き、恒久的な同盟を築くよりむしろ、プロジェクトごとにその都度コラボレーションを行うのを好む、ネットワーク化されたコレクティブ」の団体

という表現が的を射ているかと思います。

もう少し具体的に説明すると、私たちは瀬戸内を拠点に活動するアートプロデューサー、アーティストのネットワークとして、地域社会とアーティストの間にパートナーシップを創り出し持続的な価値創造に繋がるプロジェクトを構築することをミッションとして活動を行ってきました。団体設立以来、おかげさまで様々な企業・公団体様との協業をさせていただき、アーティストによる作品発表の機会を頂戴しております。

もしご興味などありましたら、今年新しくなったWebサイトに遊びに来ていただければ嬉しいです!

URL: https://www.setocole.com/


メタバース×琴平×アートが始まった経緯

お待たせいたしました。ここからメタバースのお話になります。

さて、私たちは2019年から瀬戸内を拠点にはじめたアートプロジェクトですが、空間の枠を越えこの度ついに、ついに、ついに!!!!
「メタバースでのアート対話型鑑賞」を実現させることができました!!!!

MetaMe内、HAKOBUNEビルにてアート鑑賞会の様子(2023.03.12)

この新しい取り組みは、昨年の『おいでまい祝祭2022 秋』( https://shukusai.com/ )で琴平町や琴平宮などの関係者の方々、作品を提供いただきました美術作家の方々、また実装にあたっては株式会社NTTドコモさまのご支援のうえ実現した、「琴平町の一角にブースとPCを設置しメタバースで遊んでNFTをゲットしよう!」が始まりとなります。

2022.秋 琴平町の中野うどん学校さま前にて垂幕
2022.秋 琴平町の中野うどん学校さま前店内にてブース設置
2022.秋 琴平町の中野うどん学校さま前店内に掲載のポスター

『おいでまい祝祭2022』については、改めてnoteにて記事を配信する予定となりますので、今は「そういうお祭りが2022年の瀬戸内国際芸術祭の時期にやっていたんだなあ」ぐらいに思っていただければ幸いです。

そもそもメタバース×琴平町×アートが爆誕した理由をもう少し詳細にお話ししますと、『おいでまい祝祭2022』の企画を考えていたとき、琴平町で活躍するさまざまな方と知り合う機会がありました。
それぞれのお話を伺っていく中で、「一生に一度の金比羅詣りで知られる琴平町だが、何度も訪れてくれる場所にしたい」という強い想いを共通して抱いていることを知りました。

また、琴平町にはこんぴらさんの門前町や琴平歌舞伎などの魅力的な伝統的と文化があり、さらには栞屋さまが手掛けるHAKOBUNEビル琴平バスさまのバーチャル観光への取り組みなど、新しい地域活性化の波も起こっており、そうした取り組みと私たちのアート文脈をコネクトできないかと考えました。

栞屋さんによるHAKOBUNEビルプロジェクト
https://readyfor.jp/projects/hakobune_project

琴平バス
https://www.kotobus-tour.jp/tour/online/

なにかできないものかしら……と思い巡らしていたところ、株式会社NTTドコモさまとの間でメタバース (MetaMe)に関する連携のお話がありました。

「オンラインRPGのように、遠隔からアクセスできて、しかも仮想琴平町の空間ですごろくゲームしてクリアしたらアートNFTがもらえる、なんて琴平の魅力と瀬戸内海で活動している美術作家の魅力を同時発信できるとても良い機会ではありませんか!」

このようにして、当時メタバースをオンラインRPGみたいなものと勘違いしたまま一人興奮した人間の混じる新しい企画がスタートしました。
※勿論今はメタバースとオンラインRPGとVRの区別はついています……たぶん(汗)

システムの構築にあたっては琴平町や金刀比羅宮など関係者の方々への企画説明をおこない、寛大にも了承をいただいた上に素材や場所の提供など、諸々ご支援を賜りました。
また、極めて短期間の実装であったことから、開発メンバーの方々や琴平を感じさせる作品を新たに制作・データを提供をしていただいた美術作家のみなさまにもご尽力をいただきました。
当時、手探りのなかさまざまな意見を重ね、試行錯誤し無事発表の機会を得られたことは素晴らしい関係者のみなさまに巡り合えた僥倖というほかありません。

この場を借りて心より御礼を申し上げます。

メタバースの初期バージョン

第一弾は2022年の秋に始まり、第二弾はリモートで利用(PCやスマホなど)できるようになった2023年の2月後半頃になります。
この頃はメタバース琴平町のなかで「すごろくゲーム」をして、ご当地問題をクリアするとアーティストの作品のNFTがもらえる、というシンプルなものでした。

「琴平メタバース」はじめの画面 
プレーヤーがサイコロをふって、出ために進むと問題が出現
琴平町にちなんだクイズは住人も思わず唸る難かしさ
琴平メタバースの全体
広告チラシ:問題をクリアしてゴールの金刀比羅宮にたどり着くとNFTアートがもらえる


そして第三弾。
ついにメタバース対話型鑑賞開催

そして第三弾。第二弾までの反省を生かし、満を侍してやってきました
「メタバース ×琴平町×アート対話型鑑賞」!!!

毎回訪れるたびにドキドキするビジュアル


HAKOBUNEビル内で2023.03.08に試験的に行われた対話型鑑賞の様子

2023年3月8日にHAKOBUNEビルにて試験的に行われた「アート対話型鑑賞」では、実際にアバターの動かし方の難しさや、開催場所までの誘導の仕方などを確認しました。話す内容や順番、不具合の対処法などについても打ち合わせを行い、本番へ向けての準備は万端!

今回はさらに鑑賞を楽しむためにアートファシリテーターの長南さんにご支援をいただきました。
長南さんとは、コロナ禍真っ最中の家から出られない鬱々とした時期を過ごすなかで「家でもアートを楽しむ方法がないだろうか」と考えていた頃に出会い、Zoomで対話型鑑賞会企画を行う際に司会者として素晴らしいリードをいただきました。ですので、進行の丁寧さに絶大な信頼があります。今回も引き受けていただけて本当に嬉しい……ありがとうございました!

そして迎えた3月12日(土)、18日(土)。

第一回 3/12(日)11:00-12:00 高松 明日香さん
第二回 3/12(日)15:00-16:00 金 孝妍さん
第三回 3/18(土)11:00-12:00 金 孝妍さん
第四回 3/18(土)15:00-16:00 金 孝妍さん

対話型鑑賞に初めて参加する方も多く、アートについて語り合うドキドキに加えて、メタバースの新しいインターフェース体験が合わさって鑑賞会はとても盛り上がっていました。
高松さん、金さんも「メタバースで作品鑑賞する中で、何が起きているのか?」を踏まえながらの新しい試みに面白さを感じていただけたようで、とても楽しく充実した時間となりました。

HAKOBUNEビル内で2023.03.12に行われた第一回対話型鑑賞の様子
高松明日香「光と息」Light and Breath 作品を鑑賞し各々感想を話し合う
HAKOBUNEビル内で2023.03.18に行われた第三回対話型鑑賞の様子
金 孝妍「対岸の影 (Shadow of the opposite shore) シリーズ」
作品を鑑賞し各々感想を話し合う

メタバース対話型鑑賞会を終えて

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます!

おかげさまで大きなトラブルもなく、無事全四回のイベントを終えることができました。メタバースの新しいインターフェースで作品を鑑賞し美術作家と語り合うことは、とても新鮮な体験でした。
「アートの対話型鑑賞は初めてですがとても楽しかったです」「作家と話せる機会は滅多にないのでとても貴重な時間でした」「MetaMeと拡大静止画では作品から受ける印象が変わって面白かった」「じっくり作品を見る中で新しい気づきがあった」などなど鑑賞者の方からとても鋭い観察の視点が示されました。
今回ご参加いただいた美術作家の高松さん、金さんからも「鑑賞者からダイレクトに感想をいただけるのはとても嬉しい」「作品についてとても深い洞察・理解をいただけて驚いた」などの感想があり、次の作品制作への意欲も高まったようでした。
アンケートでもご好評をいただいているとのことで、たいへんうれしく思います。

ご参加いただきましたみなさま、ご協力いただきました関係者のみなさまに心より御礼申し上げます。

アート鑑賞というととても難しい、高尚なものという印象を持たれる方が多いように思います。実際、「芸術はよくわからないので」「美術館に行っても知識がないのでどう鑑賞したらいいかわからない」というお声は活動を通して耳にする機会も多いです。
美術作品の知識や鑑賞経験はなくても大丈夫です。批評するわけではないのでそういう小難しいことは専門家にお任せしつつ、私たちは久しぶりにあった気の合う友人と語り合うように、作品と向き合う時間を楽しんでいただきたいと考えています。

今回の企画は今後も続けていきたいと思いますので、その際にはお気軽にご参加いただければ幸いです。言葉に詰まっても、沈黙しても大丈夫です。
なぜならこちらには優秀なファシリテーターがいるのですから!(えっへん) 

ぜひ作品と美術作家との交流を通してアートという新しい友人とのつながりを持っていただければ幸いです。

まだまだ『琴平メタバース』にて面白いイベント発信中!

アートイベントはひとまず終わりましたが、「琴平メタバース」ではまだまだ面白いイベント発信中です!
ぜひぜひ、琴平メタバースに遊びにきてくださいね。

今後とも「MetaMe」「琴平メタバース」そして瀬戸内アートコレクティブ をどうぞよろしくお願いいたします!


アートイベント

開催概要:
「メタバースのHAKOBUNEビルで、瀬戸内作家の現代アート作品を、みんなでおしゃべり鑑賞でたのしみ、そしてつながる」“つくる”を伝え届ける文化拠点「HAKOBUNEビル」で、地域と瀬戸内作家の現代アートを“つなぐ”「瀬戸内アートコレクティブ」参加作家による作品展示。この場に集ったみんなで、様々な作品との出会いを味わい、ひとつの作品をおしゃべりを通して鑑賞して、場や作品そしてみんなと“つながる“。当日はゲストで、HAKOBUNEビルや瀬戸内アートコレクティブの人に加えて、瀬戸内作家が参加するかも。おしゃべり鑑賞のファシリテーターは、メタバースが身近で、対話型鑑賞を京都芸術大学の講座で学んでいます。美術作品の知識や鑑賞経験はなくても大丈夫です。お気軽にご参加ください。

開催日時・アーティスト:
第一回 3/12(日)11:00-12:00・高松 明日香さん
第二回 3/12(日)15:00-16:00・金 孝妍さん
第三回 3/18(土)11:00-12:00・金 孝妍さん
第四回 3/18(土)15:00-16:00・金 孝妍さん
ファシリテーター:長南 雅也さん

最大人数:各回15名程度
申し込み:不要
集合場所:琴平CommunityWorld内 HAKOBUNEビル内
URL:https://lp.metame.ne.jp/kotohira_cw

注意事項:
・イベントにご参加予定の方はPCからMetaMeにご参加をお願いいたします。
・当初予定しておりました3月11日(土)のイベントにつきまして、誠に勝手ながら諸事情により中止とさせていただきます。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
・イベント参加につきましては、各会、開催時間までに集合場所へお集まりいただいた方の中から先着順でのご案内となります。
・β版でのご提供となりますので、音声が繋がらないなどの不具合等が発生した場合にイベントにご参加いただけない場合があります。予めご了承ください。

2023.03.18イベント終了

アーティスト略歴

●高松 明日香 (たかまつ あすか)現代美術作家

1984年 香川県生まれ
2007年 尾道市立大学 芸術文化学部美術学科デザインコース 卒業
2009年 尾道市立大学 大学院美術研究科美術専攻 修了
2011年~2017年倉敷芸術科学大学芸術学部 非常勤講師

【パブリックコレクション】
岡山県立美術館 三鷹市美術ギャラリー

【受賞・入選】
2017 香川県文化芸術新人賞
2014 シェル美術賞2014 入選
   第7回岡山県新進美術家育成「I氏賞」 大賞
2012 第7回大黒屋現代アート公募展 入選
2011 ワンダーシード2011 入選
2009 トーキョーワンダーウォール2009 入選
2008 TURNER ACRYL AWARD 2008 秋山孝賞
2007 TURNER ACRYL AWARD 2007 美術手帖賞

『映画やインターネットの画像から図を引用して絵画を制作している。その絵画を組み合わせて生まれる物語を重要としている。作品を通して描かれたものの奥にある時間や記憶を感じ、その経験を現実の世界でも感じてほしいと願っている』


●金孝妍(キムヒョヨン) 現代美術作家

1980年韓国生まれ。ソウル、フランス、日本で教育を受ける。2001年にパリのエコール・デ・ボザールに交換学生として行ったことを起点に作品コンセプトが確立していく。2017年に第10回 岡山新進作家美術家育成「I氏賞」 奨励賞を受賞。2020年に岡山県立美術館での展示「I氏賞受賞作家展 Spur その先にある風景」、2022年に高梁市成羽美術館で個展「息する瞳-Breasphere-」を開催して大きい空間での作品披露を躊躇なくする。コンセプチュアルアートを根底に、身体を直に介入しながら様々なエネルギーが交わした痕跡を仕立て上げる作品で活躍中。その傍ら、YouTube「金孝妍チャンネル」でアートと関わる人々や場所を紹介、配信もしている。倉敷芸術科学大学の芸術学部非常勤講師(‘19~)。
金孝妍チャンネル - https://www.youtube.com/@user-bv7gx9zi3t


ファシリテーター紹介

●長南 雅也(ちょなん まさや)

茨城県潮来市育ち、東京を中心に活動中。
マイミッションは「らしさを引き出す場づくり」「つなぐことによる種まき」マイプロジェクトとして、映画とアートと対話で、〇〇らしさを引き出し、違いを楽しめる場を作っている。
六本木アートナイトをもっと楽しむガイドツアーのボランティアガイドを通じてアートの対話型鑑賞と街歩きに出会い、京都造形芸術大学アートコミュニケーション研究センターの対話型鑑賞講座で学びを深める。
ライスワークは、人と組織を元気にする会社で、企業の社員教育と組織開発のコンサルを進める。オンラインで研修をする機会が増えている。
青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム29期
Twitter:https://twitter.com/masaya_chonan


(文責:杉)



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