凄そな奴らは 大体 年下

 アラフォーである。

 主婦である。

 中学時代の友人が「14歳までには何らかの使者が来て特別な存在になると思ってた」と言っていた。

 解る。

 私は未だに、いつか特別な存在になると信じているフシがある。

 ごめんなさい。

 フシがあるどころじゃない。信じていますごめんなさい。

 さすがに使者が迎えに来るとは思ってないし、目からビームも出なけりゃミニスカートに変身して闘うとも思ってない。

 けれども、なんかオシャレな、イケてる、ステキと言われるような何かになれるはずだと信じている。

 読者モデルとかそういう『主婦が夢見る万人受けする素敵な私』ではなくて、私が好きだと思う人に「良いよね」と言ってもらえるような存在(漠然と、上記のような人)になりたくて、いつかはなれると思っている。

 恥ずかしいアラフォー2児の母である。

 なんで恥ずかしいかって、一文字も書かない小説家志望と同じで、特に努力をしているわけではないから恥ずかしい。

 身の丈に合わない夢を見るのは恥ずかしくない。
 身の丈が低いことを自覚しながら努力せずに夢を語るのは、生き恥である。

 どうも、生き恥です。

 そんな生き恥、最近凄いと言われる人が軒並み年下である。

 あんなに格好いいと思っていた高校球児が子供に見えるようになった頃、ああ私は大人になったんだなと自覚しました。

 それから10数年。

 私の所に来なかった使者や才能は、若き者たちに降り注ぎ花を咲かせています。

 文章、音楽、映像。

 スポーツや話題の将棋なんかは自分と別世界の話だから、はーん、凄いですな! くらいなものです。

 でも、文章、音楽、映像。このへんは、若き才能を見聞きするたびに、うがあああああ、となります。

 アラフォーで何も無い私と、人生2周目みたいな感性が爆発している若き人財。

 うがあああああ、です。

 悔しいとか嫉妬とか、それを抱く資格すらない中年太りが溢れ出しそうな嫉妬を噛み殺してうがあああああ、なのです。

 若くて才能があるって羨ましい。
 無敵じゃん。

 僻む妬む。

 その一方で、私はいつか凄い人になる、まだまだ負けてない、と、本気で思っている。

 我ながら頭のイタイ人だなと思います。

 幸せ者ではあるけれど。

 信じている間は諦めてない。

 諦めてないうちは終わってない。

 明日使者が来て、セーラー服で戦えと言われるかもしれない。

 体形的に、月に代わってどうこうする方じゃなくて、おまんら許さんぜよの方だと思うけど。
 脚は隠したほうがいい、腹周りも。

 とりあえず、ヨーヨーの練習から始めたら良いだろうか。

 あの頃14歳はとても大人で、その頃までには何者かになれると思っていた。

 実際世の中には10代や20代前半でものすごい成果を発揮している人も多くいる。

 んだけど、私はそうじゃなかったから、シワシワのばーちゃんになるまでにはなんとか何者かになりたい。

 何者か、ってのが具体的にわかってない辺り、死ぬまで口だけなんだろうなとも思います。

 ははは。

 年だけとってもトゥットゥルー☆

 

 

ちょっと投げていっていただけると、本が買えるようになるので嬉しいです。