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書評ブログ「インクの匂ひ」 vol.3

部類の本好きのわたし。どうせなら読んだままにせず思いっきり主観の入った書評を書いてみたいと思い立ちました。この記事がきっかけとなり、実際に読んでくださる方がいたらとても嬉しいです。

≪読み終わった本≫
「秋風羽織の教え 人生は半分、青い。」 秋風羽織 北川悦吏子

NHK連続テレビ小説「半分、青い。」、ご覧になられましたか? この本は、そのドラマに登場し脇役ながらも強烈なキャラクターでなくてはならない人物であった「秋風羽織」の名言集です。演じたのは俳優の豊川悦司さん。私は秋風羽織の放つ数々の言葉をメモしていたくらい心に響いていました。それが1冊の本になって書店に並べられたのを見た時には、「世の中の人も秋風羽織の言葉に打たれたんだ!」と、少し嬉しかったりしました。どんな名言が登場したのか、少しだけご紹介します。

≪読み終わって…感想≫
これらの名言を放った秋風羽織とは、主人公、楡野鈴愛(ニレノスズメ)が漫画家になるため上京し弟子入りした先の敬愛する漫画家先生です。口も悪いが愛想も悪い。しかし、鈴愛(スズメ)たち3人の弟子たちに放った言葉は秋風羽織の”生きる”ということへのまっすぐさ、そして彼らへの愛情が感じられて見ている私はメモを取るのに必死でした。朝の連ドラで私の名言ノートを開くことになろうとは…。

辛いことから逃げず、自分の夢を追いかけてきた人だからこそ口にできる言葉。そして困難を乗り越えたから人に愛情をもって接することができるからこそ口にできる言葉がたくさん詰まった一冊です。

≪付せんを貼ったことば≫
「人、それぞれ、気持ちがありますのでね。それが、この世の面白いところ。」

”世の中には色々な人がいて、それぞれに違う考え方があります。それはその人たちが生きてきた中で芽生えた考え方。だからそれを否定しないでそれを面白いと感じた方が良い。” と秋風先生は言っています。確かに、歳を重ねるごとに自分の考えが凝り固まってしまって自分と違う意見を言う人のことをいつの間に避けてしまうことがあります。それではいつまでたっても成長できません。そうならないためになるべく色々な人と接して頭を柔軟にしておかないとな、と思いました。

「余計なことする時間も、回り道も、あっていいと思います。いろんなことがあって、すべてが、今につながっていく。…」

”楽しい時間ばかりだとそれはそれで幸せだろうけど豊かな人生だとは思わない。むしろ、苦しいこと、つらいこと、色々な思いのバリエーションがあったほうが楽しい時間をよりリアルに感じられる” と秋風先生は言っています。山谷ばっかりの人生も辛いけれど、辛いことも苦しいことも全くない人生だとそれを乗り越えた時の達成感は味わえないのでしょう。「若い時の苦労は買ってでもせよ」と昔の人が言った言葉は正解ですね。

「心を動かされることから、逃げるな。そこに真実がある。いいか、半端に生きるな。」

仕事なんかで「自分には無理!」「もう辞めたい!」とすぐに思っていた私ですが、そうやって逃げたことって、不思議と後から同じ目にあったりしました。秋風先生の言うように半端に生きてしまうと必ず後から何処かでしっぺ返しが来る。この言葉を聞いてそのことを思い出しました。何度も同じ目にあうということは自分にとってそれはどうしても乗り越えておかないといけないことなんですね。

≪あとがき≫
他にも沢山の心に響く名言が詰まった一冊なのですが、決して「いい人」でない破天荒な秋風先生が口にする言葉なので、より心に残るのです。

そして、秋風羽織を演じた俳優の豊川悦司さんは、まさに秋風羽織そのもの!この役にぴったりでした。秋風羽織が豊川悦司?、豊川悦司が秋風羽織?と分からなくなるくらいハマっていました。

わたしは、読み終わった後も度々読み返したいので、本棚にしまわず手元に置いてあります。みなさんも、ぜひ手にして読んでみてください!多分、人によって心に響いた言葉は違ってくると思います。そしてもし宜しければ、どの言葉が心に響いたのか教えていただけると嬉しいです。

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