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鏡に映る自分を自分だと思ったことは、人生で一度もない

自分を男だと思ったことは人生で一度もないです。今でも朝起きて洗面所で身支度するときは鏡に映る知らない男の人に似合うように髪を整えてやります。

これから書くことはとても抽象的で言語化するのは難しいのだけれど私が私のために残しておきたいなと思ったので書き残すまでです。

何を云ってるのか分からないと思うけれど、本来の私は背が150cmくらいで、ロングヘアーで、気だるそうなファッションが似合う女の子なんです。だから朝起きて洗面所の鏡に映るやけにデカい男の人には、妥協して私好みの身支度をするようにしています。鏡に本来の私が映ることを期待するのはやめました。それでも街を歩いていてふと鏡や窓に反射して自分の姿を見ると今でもギョッとします「知らない男の人が映ってる…」って。でも、そのあとすぐ「嗚呼…知らない男の人じゃなかった。今映っていたのは私の外側だったのか、よかった」と割と早く冷静に戻れるようになりました。

それと私は障害のこともあるので今でも(そして多分これからも…)人と会話していても正直半分以上なにを云ってるのかよく分からないです。相手が何を汲み取って欲しいのか、どういう意図で話しているのか、今までの経験があるのでおそらくこういう反応をしておけば変に思われないだろうなとか、間違ってはいないだろうなとか考えながらコミュニケーションを取れている風にはできている(と信じたい笑)のだけど、誰といても疲れます。楽しくても疲れます。

誰かといて、とても楽しくて「じゃあね!」と云って別れたあとものすごい達成感に満たされるんです「嗚呼よかった…!今日は地球人とうまく交流できたんだな」って。それと同時にものすごい疲労感にも見舞われます「違う星の人と交流するのはむつかしいなぁ」って。なにをして欲しいか言葉で云って欲しい。私は宇宙人だから、地球の人が発している表情や雰囲気、場の空気?を読み取る機能が欠落しているんです。でも頑張って日本語は勉強したから言葉で云ってもらえるととても助かります。今どんなことを思っているのか、感じているのか、好きなのか厭なのか。伝えられる範疇もあると思うけれど云ってほしい。いつも、どんな時も、どんな場所でもそんなことできないって分かっているけれど、私は云われないと理解できない宇宙人だから言葉で伝えてもらえるととても助かります。


でも絵を描いていると世界がひとつになるんです。


絵を描いている時だけ、その瞬間だけ。無理矢理着せられていた重い重い分厚い男のぬいぐるみも、中学に進学して憧れのスカートを着られると思っていたのに学ランを着させられた絶望も。人が好きなのに上手くコミュニケーションが取れない葛藤も、全部がひとつになるんです。

性も、障害も、色色ばらばらな自分が絵を描いているときだけ、描いているときだけ本当の自分に戻れるんです。息が、呼吸ができる。その快感がやめられないんです。描いているときだけ男にも女にもならなくてすんで、生まれた星なんて考えなくて済むんです。この文章書けてよかった、本当のことだから(酔)


おやすみなさい。嗚呼、厭だなぁ、また明日起きたらこの星の人たちに変に思われないように生きなきゃ




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