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やるかやられるかの世界を生きる~統合失調症である私のサバイバル術その㉟~ピアスタッフとして

前回まで

ピアスタッフとしての道を模索しながら歩み始めた私です。
自分の経験も活かして働く、ピアサポートでつながるということについて働きながら学んでいきました。
また、そのように働く中でピアサポートでつながれる多くのなかまとも出会うことができました。
やるかやられるかの世界を生きる~統合失調症である私のサバイバル術その㉞~ピアサポート|せっと|note
自分なりのピアスタッフ像が徐々にできてきつつあり、このころからピアスタッフとしてもっともっと活躍したいということを考え始めていました。

しかしながらせっかく苦労して取得した精神保健福祉士の資格やその資格を活用して働いてきた今までの経験をなかったものにもしたくないといった思いもあり、精神保健福祉士でありピアスタッフである、といった仕事の仕方について試行錯誤をしていた時期でもあります。
今回はその後の私の働き方がどのようなものになっていったかについてもう少しお話ししていきたいと思います。

ピアスタッフとしてはたらきたい


このころになるとピアスタッフとして働く方々も全国に増えてきていたように感じていましたし、そのような方々の活躍を耳にする機会も多くなってきました。
それにつれて「自分ももっともっと当事者経験を活用して働きたい」、「彼らのようにもっともっとピアスタッフとして活躍できるようになりたい」、なんて気持ちが日に日に高まってきました。

そんな時に当時すでにピアスタッフとしてバリバリと第一線で活躍していらっしゃったお仲間から、彼の働いている職場で職員の欠員が出ている、といった話を耳にします。
それが自分にとってはとても魅力的な話に思え、次第に気持ちが傾いていきます。
時期を同じくして、当時勤めていた職場の体制が大きく変わるという状況になっていたことも私が転職に舵を切る決断の後押しをする理由にもなりました。

そんなこともあって思い切って求人に応募しました。
最初に施設長さんと話をする機会を設けてくださったのですが、その時じっくり私の話を聴いてもらうことができ、また職場のことも詳しく聞かせてもらうことができました。
私はその時、ピアスタッフとして働きたいという思いもあるにはあるが、それも含めた「せっとというひとりの人」として私のことを判断してほしいといったようなことを話したことをよく覚えています。
今でもそうなのですが、仕事をしていく上で「ピアスタッフとしては〇〇のように思う」、「精神保健福祉士としては△△ではないか」、といった立ち位置から判断することもなくはないですがそれ以前に「ひとりの人」としてどう思うかということを大切にしていいといってもらえているように感じました。

新天地に希望を馳せ


数回の面接を経て晴れて現在の職場へと転職を果たすことができました。
ここでは自分の入職より前に前述のお仲間も含めてピアスタッフの方が働いており、職場全体にもピアサポートが根付いた、リカバリー志向の職場であったのでわたし自身もとてものびのびと今も働くことができています。
そこにはもちろん、先に入職されて活躍していたお仲間のピアスタッフの働きがあったからだと思っています。
そしてこの時期「ピアスタッフとして働くヒント」という書籍が刊行されています。
星和書店/本/ピアスタッフとして働くヒント (seiwa-pb.co.jp)

まさにピアスタッフとして自分が改めて歩みだすにあたって指針になった教科書のような一冊です。
ピアスタッフという働き方に対する追い風、そしてそのように働こうとしている自分に対する追い風が吹き始めたように感じていました。
さらにありがたいことに日々仕事をしていく中で自身の経験を話すような機会にも恵まれ、そのことで自分のことも認められ、日に日にどんどん元気になっていっていることを感じられています。

ピアスタッフって・・・


自分は自分のことを「ピアスタッフである」みたいに言うこともあります。
ピアスタッフとしての働き方、みたいなことについて少しお話ししてみたいと思います。
私はピアスタッフであるからといって、特別に業務をする上で仕事が限定されてしまうことなく、ほかのスタッフと同じような業務や責任を任されています。
面談も行いますし訪問や同行、会議参加、その他もろもろ、いちスタッフとして担当しています。
そのことも自分にとっては「自分も一人前として戦力になっている」、といった思いを感じさせるものになっているようにも思います。

「合理的配慮は特に必要ない」、なんてこともよく自分で言っていましたね。
今でもそうなのですが、ことさら病気があるとか、障害があるとかということで必要以上に気を使われるなどは個人的には望まないです。
どんなひとでも弱点や苦手なこと、大変な時はありますからそのような時はお互いさまでお互いが相互サポートし合う関係が築けていけばいいのかななんて思っていますし、今の職場にはそのような雰囲気があるので自分もサポートに手を伸ばしやすいですし、他のスタッフの方もそれは同じなのではないかな、なんて思っています。

今回はここまで。今までかなり回数を重ね私のリカバリーストーリーをお話ししてきましたがここへきてようやく今現在までたどり着きました。
ピアスタッフ的な働き方ができている今、自分のことがどんどん好きになれている気がしますしその意味でリカバリーも日々進んでいるように感じています。

それに伴い病気の症状も軽減しているようにも感じるのですがそれは決して「病気が治った」、ということではないような気もしています。
そのあたりのこと、「病気の症状がありつつもいい感じでいられる自分」、ということについて、次回以降お話ししていければと思います。


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