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やるかやられるかの世界を生きる~統合失調症である私のサバイバル術その⑲~再始動

前回まで

私の中で目標が定まりました。
やるかやられるかの世界を生きる~統合失調症である私のサバイバル術その⑱~お告げ|せっと|note
具体な行動を開始します。華々しく反撃開始となるのか、それとも・・・。

ACTION!


精神保健福祉士を目指すにあたっても、この時点ではわたしは福祉に関しては全くの未経験でしたし未知の世界でした。
また、仕事をする生活から離れて2年近くたっていたこともあり、まずはアルバイト的に福祉関係の仕事に就いてみることを考えました。
福祉についてまず現場を知ろう、現場で働きながら実際の福祉の仕事の経験を積みつつ、精神保健福祉士養成課程に進学するための学費を稼げたら、なんてことを考えていたのですね。
このころのわたしはデイケアにも何となく物足りなさを感じ始めており、主治医にもそのことを相談したところ就労可能の診断も出たためハローワーク通いを開始しました。

ふみだした小さな一歩


ほどなくして、知的障がい者の支援施設の求人を見つけました。その施設の中の製パンを行う通所事業所に運良く採用されました。

今現在まで続いている福祉の仕事のキャリアのスタート地点でした。
しかしながら順調に勤務がスタートできたわけではなく、何しろ約2年ぶりの仕事であったこともあり、最初のうちは週3日の勤務でさえもついていくのが大変だったことを覚えています。

また、当然のことながらデイケアのような優しい世界というわけでもなく、ある程度の厳しさもありましたし、あまり怒られるということはありませんでしたが依然として人に対しての恐怖感がまだ残っていたので円滑なコミュニケーションの取り方がわからなかったように思います。
先輩職員とのやりとりには難しさを常に感じており、さまざまな場面で「何を話したらいいんだろう」、「どう声をかけたらいいんだろう」、なんてことばかり気にしていたように思います。

また、業務の面においても、パン作りというのは時間との勝負みたいなところがあります。もたもたしているとパンはどんどん発酵が進んでしまいますし、焼き上がりが遅くなると納品や販売に行く時間に間に合わなくなってしまう。時間に追われるプレッシャーを常に感じながら作業をこなさなければなりません。
そしてパンの仕込みというような自分の作業だけをこなしていればいいというわけでもなく、一緒に働くメンバーさんにどのように仕事を振ったりお願いしたりしていったらいいか、といったことも考えながら作業しなければならなかったので身体ももちろん動かしますが頭もフル回転させながらの仕事でした。
そのためプレッシャーや緊張感に押しつぶされそうになることもしばしばでトイレに行っては頓服を使うなんてこともしょっちゅうでした。

福祉に見えた希望


そんな中でもメンバーさんがみんなフレンドリーに接してくれたことには本当に救われる思いでした。メンバーさんに対しては自分に敵意を向けてくる存在、と思ったことはここで働いている間1度もなく、だからこそ私も彼ら彼女らのことを「仲間」のように思って仕事をしていました。
今にして思うとちょっと違うなと思いますし自分の中にある偏見のようにも思えるのですが、知的障害のある彼らのことを「ハンデを背負っている人たち」という感じでとらえ、その意味で自分と同じだ、といったように思っていました。
なので立場上はスタッフであるものの自分の中にはさほど「彼らを支援する」、といった視点は薄かったように思います。

非常勤で1年間勤務を続けることができ、働きがそれなりに認められたのだと思います。翌年には常勤に登用していただけました。
このころはすべてが順調であるかのように感じており、自分としても「よくやれている」、なんて思っていました。
パン作りだけでなくパン作りを通してメンバーさんと一緒に自分自身もどんどんレベルアップしていけてるように感じていましたし、上司からも頼りにされていることを感じていました。
ちょっとこのころの自分には思い上がっているようなところもあったかもしれないですね。自分の指示でメンバーさんが、現場が回っているという風に感じていた、言ってみれば「自分が現場を回している」、みたいに思っていたところもあります。
なので診察の時も「順調です」、みたいに主治医には話していたように思います。このままこの仕事を続けていき、じょじょにステップアップしていけるのではないか、なんてことも考えていました。

今回はここまで。ここまでは順調にスタートを切れているように見えますね。
このままステップアップしていったのかどうか、そのあたりについてはまた次回以降に。


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