造形と模型への執着心【卒業設計編】

学部時代からずっと貫いてきたこと、それは造形へのこだわりである。それに伴って模型作りもどのように理想に近づけていくかというところを考えてきた。今まで、私がやっていることに対して強く肯定的にとらえてくれる人は極限られた人だけであった。もちろん卒業設計最終講評では様々な評価をしていただけたものの、最近はそんなこともすっかり忘れてしまうくらい設計に対して考えることがなかった。そんな中で、私のこれまでの熱意や造形表現が好きですと言ってもらえる機会があり、凄く凄くうれしい思いでいっぱいになった。

ということで、前置きが長くなってしまったが、これまでの設計の中でも特に造形的にこだわりを持っていたり、模型作成方法を聞かれたりするものについて少し述べたいと思う。

卒業設計「犬猫屋敷再興」について

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最終提出の模型。毛細血管みたいだねという言葉と、ジェットコースターでも作ってるの?がみんなからのお言葉。
しかし最初の模型と最終模型は全くリンクすることのない形状である。はじめのスタディの段階としては恐らく他のひととあまり変わらないのではないかと思う。

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いわゆるSANAA的なイメージのある模型。この時はなぜかストラクチャーが見えるとかっこいいと思っていた。その後、もっと細かいところや犬猫に焦点を当てて考えていった。

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人間としての空間(もちろん犬猫の領域ともなり得る)BOXの作成。そのBOXに対して、犬猫が溜まれるような小さなくぼみを作っていく。これらがスロープのようなもので接続していくイメージ。模型としてどうやってBOXが浮いているのか?と疑問に思われることが多くあったが、無理やり浮かしていく。ここは力業です。

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ジェットコースター部分となる、犬猫専用の通路を考えていく。1本の通路だけだとあまりにも簡易的なのでこの段階では3通りの道を組み合わせていく。イメージとしては犬用・猫用・共用といった3つ。今は分裂しているが、私の頭の中のイメージとしてはこの上の写真のBOXと通路がごちゃごちゃ組み合わさっている。ということで無理やり混ぜていく。

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1層目の作成写真。BOXはスタイロ、通路はスチペで作成していった。実は通路の部分は網に紙粘土で制作しようと思っていたが、うまくいかなかったので作成方法の変更をした。下から上まで全てが接続部分が見えないくらい滑らかに繋がっていることが目標だったのでジェッソとモデぺで素材感を出しながら接続部分を埋めていった。

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BOXに通路を通していく。犬猫の色彩感覚から赤を選択。この通路の貫通は現場施工。プラバンにあとから穴をあけるのはなかなかの苦労。ケガをしそうな荒業。(今までカッターを使ってきて指などを切ったことがないのは唯一の自慢かもしれない。)

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この作業を繰り返していってすべて現場施工で層を積み上げていく。BOX同士の接続も現場施工。よろしくないですね。

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通路の赤い色について、実は裏面は白(上と側面のみが赤)というこだわりもあった。あまりここまで気にしてみてくれている人はいないが。人間に対する配慮として下から見たときは目に負担がかからない白。

そんなこんなでこの模型が完成したのであーーーーる。

●まとめ
模型作成と造形作成に必要なことはやる気と根気!以上です。


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