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「過去と人は変えられない。変えられるのは自分と未来だけ」と思っていた

何があったのかは覚えていないが、20代の頃に「過去と人は変えられない。変えられるのは自分と未来だけ」と思ったことがきっかけで、ではどうやったら自分を変えられるのか? と試行錯誤し続けてきた。
人は変えられない。自分を変えよう。
でも自分を変えることも簡単ではない。
自分のことなのに自分で変えられないって、自分はどれだけ強情なのか。
それなら誰がどうやって「私」を変えられるのか。

2008年頃、ホ・オポノポノというものを知り、これはすごいと思った。
「ありがとう。愛しています。ごめんなさい。許してください」
この四語を言い続けると目の前の問題が解決していくという、ハワイ発の癒しのメソッドだった。

あらゆる体験の原因は自分の潜在意識の中にある。
目の前に起きていることは、自分の潜在意識の投影で、それを自分のインナーチャイルドが見せている。
だからインナーチャイルドの助けを借りて〝潜在意識をクリーニング〟することで、問題は解決する。
「ありがとう。愛しています。ごめんなさい。許してください」という四つの言葉を使って。

誰に対して、何のためにこれを言うのか、腑に落ちるまで何冊か本を読んだ。そして「ありがとう ごめんなさい 許してください 愛しています」は、目の前の誰かに対して言う言葉ではなく、「自分自身に伝える」のだと理解した。

例えば、誰かに何かを言われて、腹が立ったり傷ついた時、その相手ではなく、「腹の立っている自分自身」や「傷ついている自分自身」に対して、
「このことを体験させてくれて、この問題を見せてくれてありがとう。今までひとりで苦しませてごめんなさい。気付かずに放っておいた私を許してください。あなたのことを愛しています」と言う。
そうやって潜在意識の中を〝クリーニング〟していくということだった。

不快な感情の原因となった出来事に関わっている相手に対して、ありがとう。ごめんなさい。と言うのではない。
不快な感情を感じている、それを伝えてきている自分自身に伝える。

「過去と人は変えられない。変えられるのは自分と未来だけ」と思っていた私は、なるほどともの凄く納得して、直ぐにこの方法を試した。

その頃私は、二人の子供の子育てで毎日が慌ただしく忙しく、小学校の低学年だった長女にイライラすることが多かった。でもできれば長女にイライラをぶつけたくはなかった。
あー! もう! 行き場がないこの気持ち。じゃあどうするのよー!
そのイライラする気持ちをホ・オポノポノで〝クリーニング〟した。
地道な作業だった。
ある時、この四語をただ言っていたら、胸の辺りにあった重い感覚が急に変化したのがわかった。フワッと軽くなった。驚いた。そしてそれはとても気持ちの良い感覚だった。
そして私の中のイライラも溶けて消えた。

ホ・オポノポノを伝えていたDr.ヒューレンが、日本でセミナーを開催し始めた頃で、二日間のそのセミナーに、一度目は一人で、翌年は夫を誘い参加した。

普段私達はどのように世の中を見ているのか。
なぜそのことを体験するのか。
それが、クリーニングするとどうなるのか。
クリーニングとはどういう仕組みなのか。
なぜクリーニングが必要なのか。
ヒューレン自身は、どのようにクリーニングしているのか。

ヒューレンのメッセージは、一貫して「自分自身をクリーニングする」というものだった。

「会社でこんなことがあって」
「家族がこういう問題をかかえていて」
「子供のことで」
「世界平和を達成するには」

参加者からのどんな質問にも、
「あなたが出来ることは、あなたの中で起こることをクリーニングすることだ。全てあなたの中にある」と言うのが、ヒューレンの答えだった。

ヒューレンは、セミナー会場で起こる出来事も、毎瞬クリーニングし続けていると言っていた。
「あなたの話を聞いて、今私は私の中で起こっていることをクリーニングしている。この会場にいる人達も、今自分の中で起こっていることを一緒にクリーニングをする。皆でクリーニングすれば、あなたのその問題は、いつかは消えてなくなるでしょう。そして一緒にクリーニングした人達の中からもなくなるでしょう」

通訳を通して質問者とやりとりをしながら、ヒューレンは
「今クリーニングしていたらムカデのイメージが見えたけれど、何か心当たりはありますか?」
なんて聞き返すこともあった。
ヒューレンは、そのムカデのイメージを見て、自分の中で起こったこと(体験)をクリーニングするのだって。
「いえ、心当たりはありません……」
「ハハハハハ」

こうしなさい、ああしなさいとは決して言わない。「Just do it」

こんなことも言っていた。

「日本は癒されないたくさんの苦しみを背負っている。それをクリーニングする必要がある。だから私は日本に来ることになった」

「日本に来て、日本人の女性が、長い間耐えて生きてきたのが見える。それは今も変わらない。日本という国が癒される為には、日本の女性達がそこから解放される必要がある。たくさんのクリーニングが必要だよ」

私はホ・オポノポノをしばらく続けていた。
でも、日常で起こること、自分が経験することの負担がどんどん大きくなっていき、ホ・オポノポノの四語を言い続ける余裕がなくなってしまった。
正確には「ありがとう。ごめんなさい。許してください。愛しています」では、心で感じるものに対応仕切れなくなった。

あれから随分時間が経ち、今になって思うと、それでもやり続けたらきっと何かが違ったのかもしれない。

「それでもやり続ける」
それが大切だとヒューレンは言っていたのだ。

「今クリーニングしないと、将来もっと大きなこととして体験することになる。だから先延ばしにしてはいけない。〝今〟しかない」

「クリーニングは生涯続けていくもの」

どうやって自分を変えていくのか。
自分の何を変えればいいのか。
そのことを知るきっかけをくれたのはホ・オポノポノだった。
Dr.ヒューレンは、本だけでは知ることができなかったことを教えてくれた。

今は、更にもっと直接的に自分と繋がり癒していく、別の方法にも出会うことができた。
でもその方法も、言っていることはホ・オポノポノと同じだと感じる。
全ては自分の中にある。
自分の中を癒す。クリーニングする。
自分が変われば目に見えるものは変わる。
癒しは一生。クリーニングは生涯続けていくもの。

一つだけ、私の考えが変わったことがある。

過去と人は変わる。

自分が癒されると、自分の中で過去の出来事への捉え方が変化する。
過去の自分が癒されると、結果として今の自分が癒される。

そう。過去は変わる。

そして、自分が変わると目にすることや体験が変わる。周りが変わる。
結果、「人が変わった」ように見える。

「世界」はその人自身の中にある。


昨年、日本に、世界に、ホ・オポノポノを伝えたDr.ヒューレンが亡くなった。
とても残念な気持ちになった。淋しい。

ありがとう 愛しています ごめんなさい 許してください。
そう繰り返した。

心からご冥福をお祈りします。

Peace from I


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今日も幸せな一日でありますように。


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