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年末感染記~回復したのに動けない~

「同じ中学だったミマちゃん、鬱なんだって。
 コ〇ナになってから鬱らしい。
 全然外に出なくて、好きなキャラの店に誘っても
 全然のってこないんだって。
 それってミマちゃんにはあり得ないんだよね。
 私もコ〇ナのあと直ぐにバイトがなかったらやばかったと思う」

年が明けてしばらくたった頃、長女からそんな話を聞いた。

「え、そうなの?」
驚いた。
 
でもわかる。私もそんな状態だ。
何もしたくない。
お正月休みは終わったのに、何もしたくなくて困っていた。
そうか……コ〇ナウツと言う言葉は耳にしたことがある。

年末に体調を崩し、体が回復してからも本当に動く気にならなかった。
体はもう大丈夫のはずなのに動けない。
日常に戻りたいのに動けない。動きたくない。

この感覚、鬱の時と似ている……
なんで? また? 勘弁してくれ。もう戻りたくない。

内側にそんなことを抱えながら、
年が明けても私は、家の中で静かに過ごしていた。
室内の家事はやるけれど、外に出たくない。
冷蔵庫の中が空っぽなのに、買い物に行く気が起きない。
外に出ようと思うと、体が岩になったみたいに重くて動く気にならない。

体調を崩してずっと動かなくて、そのまま年末年始の休みだったから
サボリ癖がついちゃったのかな。とも思っていた。
日常に戻りたいのに戻りたくない。
そして動かない自分を責める自分の声が聞こえる。
「なんにもしないね」
家事はしていたから、何にもしていなくはなかったけれど、
自分は自分に厳しい。

そんなところに冒頭の長女の言葉で、
「そうか、やっぱりそれが原因の可能性もあるんだ」
と思った。

やっぱりというのは、以前、この新型ウィルスに感染し発症した知人が、
「治ってからも気力がなくなってしまい、ずっと家にこもっている」
と話してくれたからだ。ずっととは数ヶ月だ。
とても快活で朗らかで行動力のあるあの人が? と驚いた。

私の知人、長女の同級生、私、長女と
周囲に4人もいれば、たまたま偶然ではないかもしれない。

でも何故だろう?
病気から回復して心身がスッキリするのではなく、
逆ってどういうこと?
どんな仕組み?

私のように、過去に鬱の経験がある人だけでなく、
全くその気配のなかった人もって、鬱の既往歴は関係なさそうだし。

だから、今回の私自身の症状を思い返してみた。

体力がなくなっていき、体が疲れていって、体が重かった。
でも精神は元気だった。

病気が抜けたと感じ、治ったあとも、
体がスッキリした感覚は一切なかった。ただ消耗していた。
でも気持ちには特に問題はなかった。

回復後も体は変わらずに重い感覚だった。
でも気持ちは落ち込んでいなかった。
はぁ~まだ動けないか、くらいだった。

寝込んではいない。家の中では動ける。

どうも最終的に気持ちが、重い体に引っ張られた印象だ。

だって、鬱になる精神的な原因がない。
気持ちが落ち込んで動けなくなって……ではない。

今回の私のケースは、体が重くて、動くのが億劫で、動くのが気が重くて、
気づいたら気持ちまで重くなってきていた。そんな感じだと思う。

なんとなく腑に落ちた気がする。
書く、アウトプットするって、思考や状況が整理される。

ところで、最近の長女の話で、同級生のミマちゃんが
ようやく外出する気持ちになったそうだ。
今月、友達と一緒にお気に入りのキャラをモチーフにした
カフェに行く約束をしたのだって。
良かった。長女もホっとしたらしい。

私も復活している。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今日も幸せな一日でありますように!

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