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ドーナツと冠


しばらく振りに出勤してきたその人は
胸にぽっかり穴が開いていた。

私はエネルギー的にその人と重なると
とっても辛くなった。

そこが私の弱さなんだけど、
その人の色んな感情が流れてきて
とても目を見ていられなくなる。

オーラが重なる近さになると
ついつい避けてしまう。
(本当にごめんなさい)

辛いのはその人なのに
その人より大泣きしてしまいそうで
避けてしまう。

私も身内を亡くしているので
その痛さを自分のことのように
感じる。

でもその人は単に悲しさ喪失感だけでなく
心細さや
それでも生きていかなければならない
責任や
これから自分にかかってくる重圧。

たくさんのいろんな複雑な感情を
持っていた。

世界中で同じ経験をしている人は多い。
でもこうして目の前でその感情が
リアルに流れてくると、
あまりにリアルすぎて
弱い私はブルってしまう。


ちょうど胸の位置に
灰色の大きなドーナツが
ぽっかり浮かんでいたのだ。

イルカが水中で空気の輪っかを作る映像を
観たことがある。
それはそんな感じで
胸の前にぽっかり浮かんでいた。

私は仕事中毎日、
エネルギーのお花の冠を作って
彼女の頭に乗せ続けた。

お花はきれいな色のたくさんの緑系の小花と
白色の小花だった。
私が色を選ぶことは出来ない。
色は彼女自身が選んでいる。

私はそれをチャネルして
毎日毎日作り続けた。

緑系の小花は濃淡のたくさんの色で
とても調和的で、作っているだけで
私の方が癒された。

白い小花は少し茎が長くて冠の所々に
飛び出してさすよう指示された。

しばらく毎日同じ冠のデザインだった。
ある日、それに薄紫の小花が加わった。

この色は彼女にとてもよく似合っていた。
飛び出していた白い小花は更に長い茎になって
しだれるように、
彼女のまっすぐな黒い髪に触れてさすよう
指示された。

見ていて涙が溢れそうなくらい
光の冠を付けた彼女は
とてもきれいだった。



その頃には胸のドーナツは
オーラの表面からはなくなっていた。

薄い灰色の雲はまだあるが
オーラの中にもドーナツはなくなっていた。

毎日彼女に冠を作り続ける途中で
この光の冠をみんなにも作ることを
思い付いた。

これはとても貴重な素晴らしい体験だった。
私に冠を作らせてくれて
みなさんどうもありがとう。

みなさんの個性が美しくて
私は冠を作りながら、
仕事中何度も涙が溢れてきた。

もし仕事中に私が鼻をすすっていたら
あぁ、またなんかやっているなと思って
暖かい目で見てやってください。


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