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それぞれの夕暮れ

空気が澄んできて、いま着る服がないと焦る季節になってきた。
先日食材を買いに出かけようと車を走らせたら優しい暖色の空が見えたので、大きな寄り道をすることにした。

目的地ではすでにシルバー写真倶楽部のような集まりの方々が三脚に一眼レフを載せ、時折リュックサックの置き忘れや視点の違いを補い合いながら楽しそうに撮影をしていた。一番眺めの良さそうな場所から釣り人が水面の夕陽も釣り上げていた。
景色には目もくれずサーブの練習をする人、犬の散歩のように時間を狙って撮りに来た人、迷いながらころころと設定を変え立ち位置を変え撮っている自分自身。

仕事が忙しすぎた頃、イルミネーションが点灯している間に帰るのが目標だった。そのあとは夕やけを見たいと思った。

「秋は夕暮れ」

相も変わらず美しいと思えてほっとした。
次はどう撮ろう、いつ撮ろう、それから今夜の食事を考え街へと戻っていった。


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