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ルックバック、もう一回観たい〜!

今話題のアニメ映画『ルックバック』、友人に誘われて観てきました。
背景がすんばらしく美しくて、完成度の高さに圧倒されました。
音楽を含めて、演出の素晴らしさに打たれまくりです。
目を見開いて固まったまま、没頭してしまった!
以下は簡単に気づいたことを。

藤野のある種イタイ言動と、京本の純粋すぎる言動のコントラストが際立つ
二人の出会いはかなり気まずいものだった。
その後、京本が藤野の部屋で漫画を手伝う場面に移行するが、え? この二人、そんなに急に仲良くなる?
 と段差があった。この段差は省略でもあるけれど、仕掛けだな。

しかし、もしも藤野が本当にイヤな奴なら、京本はなついてくれなかったはず
その証拠
・藤野の部屋で作業をする二人。
京本は一見、背景専用アシスタントとしてこき使われているようにも見える。
しかし、一年もの長きに渡り友人宅で漫画を描き続けることは、双方の両親の理解・支援なしには行えない。
・ピラフやお菓子を食べ、時にはだらだらと寝そべり同じベッドで眠る描写。
相当に仲が良くないと無理である。
偽悪的にふるまいがちな藤野の性格が本当に悪かったら、共同作業は早期に破綻していただろう。
・京本の両親は、二人の交流と活動を肯定し見守っていたと思われる。
絵の世界を共有できる友人を得て、長く閉じこもっていた部屋を出られたことを喜んでいたであろう。
・町にでかける二人。賞金は折半と思われるが、藤野が奢っている
・クレープを食べる二人。藤野が自分のクレープを京本に差し出している。京本が藤野に、ではない。
一口かじる寸前のショットを選ぶところが秀逸すぎる。仲の良さが、この場面一つで完璧に了解できるではないか!


このギャップは、視点が藤野側に固定されているために生まれる。
思春期にありがちのイタイ言動も、藤野の内面から描くために余さず描かれる
京本にも、実は嫉妬などの黒い感情やイタイ部分があるのかもしれない。
しかし京本側から描かれていないので、彼女の内面やダークな部分は伏せられたままである。
視点の固定による、ある種のミステリーなのかな。
視点だけとりあげても、秀逸すぎる!
書きたいことはたくさんあるけど、書ききれない。
景色のあまりのリアルさ、緻密で丁寧な描写に、見惚れるばかり。
雪の匂い、空気の冷たさや湿度まで伝わってくる!
音楽とフルカラー動画ならではの五感六感総動員コンテンツに仕上がっていて、原作の解釈をここまで深く精確に掘り下げる監督の手腕に脱帽した。
もう一回観たいなー。何度でも観たいなー。
サントラ買いたいなー。
めったにない大傑作だなー。
長距離運転してもいいから、もう一回観たいなー。

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