禁じられたアソビ

時間はとまらない。
ボクの時間は
止まってはくれない。
神様は
とても、いじわるだ。
特に、ボクには。

一時間。
ちょうど一時間くらい。
時計の針と
ニラメッコしていた。

ボクは暇なの。
君とは違って、とても。

時間が
時計の針が
もし、止まったら
君ならどうする?何をしたい?

ボクならと考えてみる。
考えていたら
時計の針をふと、みたら。
また20分間が
すでに経過していた。

結構
ムダ遣いしてるな、最近。
お金も、時間も。
時間割とかつける習慣ないし。
家計簿も
ほとんどつけた憶えはない。
記録することが
あまり好きじゃないの。

そうしてるうちに
また10分が経った。
君の10分とボクの10分は同じ長さ?
そんな素朴な疑問も
自然に沸いてきた。

時間が
もしも、止まったら、止められたら。
ボクは、ボクの鼓動を止めたい。

心臓を動かなくして
血液の循環をなくす。
呼吸もしない。
完全にボクの電源を落とす。
スイッチは切る。OFFにする。

今すぐ死にたいわけじゃないから
そのくらいはいいでしょ?別に。
誰にも迷惑をかけない遊び。

君は
ボクを認めたりはしないけど。
禁じることもしないから
このくらいがちょうどいい。

時計の針を
どうしても止めたいなら。
いい方法があるよ。

裏蓋を
マイナス・ドライバーで軽く開けて
バッテリー(単三乾電池2本)を
君の利き手で抜いてしまえばいい。

はい!
あなたの時間は止まりました。
こんな風に。とてもカンタンに。

だから、君とボクは
同じ時間軸で存在していないから。
気にしなくてもいいの。
心配する必要ももうないわ。

元々、最初から、初期設定値。
それがデフォルト。

君じゃなくて
もちろん、時計のね!

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