CUBE

何者かによって隔離された四角くて、
真っ白い部屋に僕はいた。
毎日、毎日。来る日も、来る日も。
何度も、何度も。天井を見上げる。
色も象られた模様も同じ。
昨日と何も変わってはいない。
同じ天井を見上げては声にならない声で
君の名を呟く。
もちろん、君からの返事はない。
その繰り返しを
ただただ淡々と丁寧に繰り返した。
朝のルーティンのように。
生まれつき僕には時間の概念がなかった。
始まりは憶えていないし、
終わり方もよくわからない。
ホントに漠然とだけど、自分はこの世界の
ちょうど真ん中にいるような気がする。
と言っても、気がするだけのことだ。
もしかしたら、僕もまた、君と同じく、
そういう時期を経ているのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?