トレイン・スポッティング

どんな風に
良い子振っても
君はボクには好かれないし
アイツにも嫌われている

君の演技は
とても下手で
女優になれるような才能はない
それに
この作品のシンデレラ役は
すでに決まっている

それでも
たとえ、主役ではなくても
君が本気で女優を目指すのなら
誰もモンクは言わない

勿論、ボクという人間にだって
その話は
稚拙な発想は
水の泡となって消えていく

普通は
諦めてしまうの、誰もが、旅の途中で

目的地は
まだまだ遥か先にあるから
駅と駅をつないだ
無人のプラット・フォームには
あまり興味が沸かないから

つまり、
諦めなかった君は
普通ではないということ

今も女優
いや、歴史に残るような名優を
目指しているんでしょ?

夢のままで終わったとしても
君は確実に、今よりも
憧れの場所に近づいていることを
未来進行形で味わうことになる

ホントはね
過去進行形もあるんだよ

時間は
止まってはくれないから
どのタイミングを切り取っても
飴玉、キャンディ、キャラメルのように
ちゃんと期待通りの美味しさを
味わえるように設定されている

だから、世界は永遠なの
この世界は
決して止まらず
一箇所には留まることなく
時を刻み続けている
この瞬間もね

だから、
良い子を演じるような暇があるなら
君は
溜息の練習に励む方がいい

実際に
やってみると
意外に
溜息は
難しいことに気付くだろう?

練習の成果は
自分を裏切らない
友達や恋人とは違うから
君を裏切ったりはしない

信用、信頼できるのは
自分であること
自分を信じる君には
すでに自信と誇りがあること
ようやく、気付いたかい?

それが
ホントの自分の姿
今回は
錯覚じゃない、大丈夫

そろそろ、時間だよ
列車がプラットフォーム
駅に到着する時刻だね
君を迎えに来たんだ

列車の向かう先は
勿論、君の目的地
そう、憧れの場所

もうすぐだよ
遥か先にあった
たしかに在った
夢の
君だけの時間へようこそ

もう
ボクの心配はなさそうね
君は走るのが楽しいみたい
あまり暴れちゃ怪我するよ
列車の中ではなるべく静粛に

悪い子に
戻っちゃダメだからね

『さあ、気をつけて』

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?