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はじめちゃん

涙のワケは
結局
わかんなかった

そのワケは
シロとクロ
二つに
分けることができなかった

何でもなかったように
見えた景色に
美しいねと笑う

違う顔した
アカの他人に
似てる気がした

折角だったのに
勿体なくなったのは

単なる感情の
期末テストのような

健康診断に
引っかかっただけの自分を
憐れむように

憐憫色の
センチメンタルよりも
小さくなった
ミクロな世界を

楽しみだと
勘違いしたのは
ヒトの世界を

過去を
正当化していたのは
ちょうど5秒前の
自分だったけれど

わからなくても
解けなくても
よかった謎に

勝ち負けとは
違うやり方
僕は思いついた

翌朝になって
目が醒めた瞬間に

さっきの感覚に
醜さを感じたりはしなかった

たとえば
正解だとは
感じなくても
僕のなかにだって
ルールがあった

たった一つではない
その方法を模索するように
君の背中を追いかけたのは

ホントは
自分の
黒い影の輪郭を
指先で
謎っただけの休憩時間

隣りには
いつも
君がいた

その蘇った記憶は
誰も傷つけたりはしなくて
嘘をついたりはしないから

失望も
絶望も
挫折もなくて

君の瞳は
美しくて
君は僕を
見つめていて
すぐ傍にいて

冷たくなったのは僕の方
何故だかわからなくても
それでよかった

君の右手には
ハンカチーフ
色は
クリーム掛かったような
生温さを
イメージしたような黄色

その感じ
この感じ

僕の
紅くなった
頬っぺを拭くため
それだけに
存在したような
君の優しさに

優しいだけの
この喜びに
嬉しいだけの
馬鹿な思い込みに
自身の歪みも薄れていった

自信がないのは
ついさっき
始まった物語ではなかったし

君に渡した
黄色いハンカチーフに
僕は
胸ポケットから差し出した
赤ペンで星型を描いたら

何処かの国旗みたいねと
耳元で囁いたんだ、君は

それだけで
僕の幸せは
カタチとなって
隣りの君がさわってみても
大丈夫なくらいに

凹まないくらいに
たしかな証になって

たった二つのキモチを
世界に2個しかない
このイノチを
永遠のコドクから救いだすまで

君と僕は
ヒトツになった

温かくて、穏やかで
君の手はやわらかくて
もう何もいらないくらいに
キモチは安心した

センチメンタルは治った
ココロは元の形に戻った

ワケが
わからないくらいに
涙が止まらなかった

分けなきゃよかった
最初から
始まりから

一(はじめ)から

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