元の素
最終的なことをいえば
君だって
僕だって
ケムリになってしまうから
綺麗に
美しく
燃えるように
生きなくたって
その
完全燃焼は
ホントの意味での
カンゼンではないし
僕にとっての
ネンショーでもないってこと
君に今から
教えに行ってあげても良いが
僕には
君なんかよりもタイセツな
もしかしたら
地球が消えてなくなっても
世界が滅亡してしまっても
忘れようのない
全く、マッタク、全然の
その
ケムリの色が
たとえば
シロくなくても
たとえば
クロくなくても
たとえば
チューとハンパに
白黒つかないような
ハイイロだったとしても
僕には
忘れられない
思いがある
そこに
あるから
一番
底に在るから
ケムリが
この煙突を四時昇って
遥か先の
いや、もっと、もっと、もっと
まだまだまだまだまだまだ
未だ観ていないような
マダ行けないような
果てのさらに?の果て
誰も知らない
街が見えたら
誰も居ない
国を見つけたら
螺旋状の
階段を登るように
君はケムリとなって
ぐんぐん
上昇していく
渦を巻きながら
宙に向かって
その想いは
ウエに上がっていく
地面の下から
足元から眺めた
ホントの自分を
置き去りにして
君は
魂ではなく
ただの空気となって
隣には
傍には
誰もいなくなったことに
やがて気付く
気が付いた時には
僕の想いは
すべての
存在の意味を
凌駕するような
巨大な意識体に変わった
暗闇よりも暗い
真っ黒になった顔
煙突が
汚れちゃったかな?
まっ、いっか
そんなことは
関係ない
今はもう
君という存在を
この胸に抱いて
僕は一番
この世界を
構成する最小の粒子に
味の素よりも
ずっと小さな
細かな、微かな
元の素になった
見た目は
ケムリなんだけど
ちゃんと
分解されてるから
あまり気にしないで
小数点以下の
余りは気にしないでね
数学
因数分解
素数
苦手だったのを
今頃になって重い出す
意味はわからない
のではなくて
最初から
始まりから
やっぱり
何も無かったのよ
君たち
ニンゲンは
理由とか
意味とか
考えすぎ
ただ、ただ
悩みすぎ
求めすぎ
頭わるいのに
愛も
孤独も
哀しみも
すべてが
『偶然』だとは
イッショウ
思いたくないからね
特別じゃない
ヒトは
特別なソンザイではない
僕には
意味もなければ
理由もなかったという
まさかの、真逆の、魔裂かの結末
無駄でした
まさかの
それは
ムダな足掻き
ムダな努力だった
潔く
イサギ良く
皿のまんま
一緒にいこう
真実は素
素に還る
最期は素になる
君も
僕も
つまりは
ただの『ス』
そろそろ
終わり
ま『ス』
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