ノスタルジィ

ホントに
なめらかな
食感の世界

まるで
バターナイフが
夜の公園
滑り台を
すべり降りるような

緩やかな
坂道のある街

時間の速度が
あがっちゃう前に
夢が憧れに
加速する前に

一歩手前には
横断歩道を渡る
小さな背中

一所懸命に
心を
落ち着かせて
ぼくが
その場所に
ピタリと
立ちどまると

愛猫が
カメラの
ファインダー
覗きこむように
青空を

老夫婦が
美術館で
1枚の静物画
そっと
眺めるように

水玉模様の
ノスタルジィ

すぐ隣りで
君は
じっと
ぼくの顔を
見上げてた

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