Bird's eye view

小鳥の囀りを
遠くにいる
君のイメージに
重ねながら

僕は
いまを観ている

理想よりも
少しぼんやりとした
その印象は

全く
別の世界観
にあったはずの
物語の始まり
となるような
ありふれた
幸福の
エピソードにも感じられた

この前の
読書会では
君が僕に
朗読してくれた小説の
136頁
第七行目と
第八行目の間に
描かれた挿し絵

ちょうど
鳥のイラストが
僕の目に止まった
その一瞬の
出来事を
色鮮やかに思い出す

鳥たちが
一個目の動作基準を
翼ではなく
一枚の羽根で
確かめるように

僕は
君の隣りに
静かに佇んでいた

鳥が
何故
空を飛ぶことを
選択したのか

僕には
よくわからない

多分、おそらくは
三時間程度の
彼女たち(鳥)の会話を
的確な口語に
日本語訳できたとしても

いまの僕には
上手に
理解することは
困難だろう
そんな風に思っている

僕のなかに描かれた
絶対的な
君のイメージを
100歩以上も
離れた場所から
俯瞰するように見つめる

実際には
すぐ
隣りにいる君を
パノラマの視点で
捉えようと
僕自身の
いまを試みる

最初に
現れたのは
やはり、単なる
僕の
主観の方だった

タイム・ラグにして
ちょうど6.0秒
その後に
俯瞰された
絶対客観に
支配された
全く別の異なった視点

この世界の
ホントの輪郭線が
フラッシュ・バック
或る一つの
現象となって
僕の脳裏に焼き付く

絶対主観と
絶対客観の
狭間の
二つの世界観は

まるで
仲間割れをしない
盗賊団の一味のように
協力し合うかのように
素敵なバランスと
均衡が取れている

『コレ』
『案外』
『悪くないな』

と僕は思った

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