Pinoko

キノコの味が
好きというより
キノコの形が
好きという君は

キノコとも
似ても似つかない
格好の良い髪型をしていて

前髪さえ
真横
一直線には揃ってはなくて

ちゃんと
おでこと眉が
下から透けて覗くように

きちんと整えて
いつも最適なバランスに
美しくカットされていた

『何処のお店？』
『美容院で切ったの？』という

ボクの質問にも
感じの悪くない
丁寧な口調で
柔らかい笑顔

優しい微笑み
浮かべたまま
全くその表情を
変えずに答えてくれた

別に
誰でも良くはないボクだって
その微笑ましくて
可愛らしい姿と
垢抜けたファッション・センス

一目観ただけで
ゾッコンになった

今度、次に
もしも、違う
別の場所で会えたら

さらに
コチラ側の不安定さは
信憑性を増してしまうのだろう
ごく当たり前のようにして

フォーマルに着飾る前に
普段着のTシャツ姿のまま

明後日、ボクは恋に堕ちる

たとえば

君のあたらしい髪型が

色がマダラな感じ

毒キノコだったとしても
やっぱり、君を食べる

全部、ヒトカケラも
余さず、残すことなく

そして、ボクは
スーパー・マリオ（無敵）になってしまう

いつか、5日
スター（星型）になる前に