白いクモ

ぼくが
君の歩幅に
ヨリソワナクタッテ
君は
やさしいことば
ぼくに
もれなく
とどけてくれる

すてきなことば
魔法のコトバ
愛のことば

だから、
ぼくは
こだわったりしない
ヨリゴノミもしない

ふと
車窓から
ソラをみあげたら
クモが
風に吹かれて
ながれてた

その一歩手前で
ぼくは
君に
きづいたんだ
そのソンザイに

昨夜のアメで
冷たく冷えた窓には
一匹のクモがとまってた

信号前で
交差点で
行儀よく
小学生が
赤信号をみて
たちどまるように

それは
自然なことだった
とても

だけど
ぼくのホッペには
ひと粒の
結露が
ぼんやりと
浮かんでた

白いクモみたいに
きょうの獲物を
うしろむき
追いかけて
つかまえるように

瞬きしたら
ウツくしいが
タマしいが
地の面にむかって
ラッカした

ぼくは
其れをみて
次に
堕ちた君をみて

そして、
ソラに浮かんだ
クモをみて

また
もう一度
泣いた

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