尻トリ

いかれた頭
めずらしい顔
知らない名前
おかしな二人
気楽なアイツ

くだけた会話
おどけた態度
クビれた腰付
さびれた旅館
戻れた過去

くたびれた君
気まぐれな僕
まじないの歌
さすらいの涙
昔の侍

アリバイの鍵
ララバイの指輪
バイバイの手紙

サテライトの憂鬱
ヘマタイトの宝石
アパルトヘイトの孤独

蜘蛛の糸から
引っ張りだした自由
亜米利加製の銃
独逸車のパトロールカー
充分な重圧

プレッシャーは
詰めたい射会の
風邪を撥ね退け
脅威の反発を呼んで
【君の名】を叫ぶ

巨きな聲で
すべてのものとは
区別された純粋を
日々割れた奥歯で
粉々に噛み砕いて

さらに
空宙に
マルク
円を描くように擦ると
ケムリが天井を四時登って
雨雲に成る

部屋には
豪雨が降り出し
余りの唐突さに
その静けさに
傘も刺せずに
僕の掌は水浸し

だから、
折角の
指紋も泥々に
汚れてしまった

是では
性別すら
判別は不可能

綺麗だったのに
うつくしかったのに
あんなに
愛されたかった君を

今はもう
この手で
抱きしめることはできない

さてと、
しりとりは終わりましたか?

そろそろ往きますわよ
ワタシは
暇ではないのです
貴方とは違うのだから
さあ、出掛けますわよ

『どう、ご一緒に?』

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