同情-sympathy-

同情はしない
ぼくは
君には
同情しなかった
できなかった

君が
ぼくの隣りから
完全に
いなくなったあとも
頭ん中で
君ははなしつづけた

まったくおなじはなしを
くりかえし
くりかえし
毎日のように

ぼくに
おなじセリフを
くりかえした

共感した
できたような気になった
一瞬だったのかもしれないけど
君を
そばに感じて
ぼくはうれしくなった

翌朝には
すべての感覚は
不思議なくらい
ぼくの記憶から消えていて

君の顔も
なまえも
すぐには
おもいだせないような
もどかしさを

矛盾なんて
生きていくのに
ぼくが
死なないために
ホントに必要?

期末テストのような
実力試しの日々に
どんなリアルさを
人々は求めるのか

そんな君のことをみて
ぼくはいったい
どうおもえばいい?
『かわいそうね』
そんな安っぽいことばで
君がたとえ一瞬でも
救われるなら

ぼくは
ぼくは
ぼくは
ぼくは

何度だって
言ったのに
あの日も

戻る気配のなくなった
君にぼくから届けるものは

『あなたが
そばにいないと
わたしはさみしい』

たぶん、そのくらい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?