なめんなよ

『ぺろぺろ、ペロペロ』

変なの、君の顔
また、こっちみてる

『ぺろぺろ、ペロペロ』

どうしたもんかね、その案件
まだ、おわらないの?

『ぺろぺろ、ペロペロ』

コレ、なにか、気になる?
飴ちゃん、キャンディ
君は、舐めないの?
ボクは舐めるけど、いつも

『ぺろぺろ、ペロペロ』

わすれてた、ウッカリ
いや、昨日のアレよ
アレはアレで
アレをアレして、どうするっていう
それを、ボク、わすれてた

『ぺろぺろ、ペロペロ』

まあ、アシタになれば
君にもわかるよ、きっと
甘いものがホントは
スキなんだってこと

なんでもいいの
一度舐めたら
絶対、嵌るから
だって、こんなに
甘くて美味しいのに

考えるのも
悩むのも
迷うのも
全部、嫌になっちゃうよ

ペロリとだした
舌を
ボクはようやく引っ込めた
キャンディはなくなったから
木の棒だけになった
割り箸みたいな棒だった

薄ら、砂糖の固まりが
まだついてる棒を
そして、君に手渡した
ちょっと残ってるよ、それ

渋々
棒を受け取った君の顔は
あまり嬉しそうじゃなかった
そりゃ、当たり前だ

一度も舐らずに
君は屑籠に木の棒を捨てた

でも、ペロペロしたくなって
あたらしいの
キャンディを買いに
部屋から出て行った

やっぱり
羨ましかったのね、意外に  
ボクのこと

君は
嫌な奴じゃなかったんだね
ボク、舐めてたよ、完全に

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