Edison's Mama

なんでもアリの
無節操なマダラ模様の
世界のなかで
肯定感を募る都会の若者たち
果たして、それが君の自由なら
今すぐにこの国を出て
亜米利加にでも行けばいい

君たちが欲しかったような
ホントの自由が手に入るかも
と一応、言ってはみたが
君たちはカモメ
いや、きっと鴨にされるのがオチ
目指した彼らに
君が求めた母性はない

それを知らないから
自分がホントに不足したもの
君たちはわかっていないから
時にボクは憐れむような瞳で
君たちのサングラスの下にある
二匹の目玉の親父を睨んだ

近くに他の妖怪は居ないように
此処からは見えた
ヒトはボクを鼠小僧と呼ぶ
父親はそう、君の想像どおり
アノ鼠男だよ

『ボクには生きる意味がわかりません』
『なんのために生まれたの?』

そんな子供たちの哲学的な問いを
まるで封印するように
この国では義務教育が始まった

もちろん、今の小学校では
哲学は教えない、基本的に

『りんごがなぜ、赤いのか?』

その問い、疑問が生まれることは
ある時期の子供においては
健康的で、非常に正しい機能である
数量を足すこと、数えることよりも
実質、優先順位は高い

まずは対象をよく観察し、知ること
相手の性質と置かれた状況と立場を学んで
自分自身の理解を深める
すべての基本であったりもする

それを疎かにしたこの国の教育は
破綻して当然の結果
寧ろ、破綻するのがわからないなら
文部科学大臣は
一から、いや、零から勉強しなおす
必要があるとさえ思う

子供から、小学生からやりなおせ
背中に小さなランドセルを背負って
『ホントに大切なことは何も教えない』
『自分で考えてから行動しろ』
そんな職人気質なやり方は
あまりにも発想とアイデア自体が
『旧すぎて』
通用する時代ではもうなくなった

職人
プロフェッショナルな世界は
別に、構わないんだよ
今回は
飽くまでも
問題は学校教育の方で

『ママ、ボク、やっぱり、この学校』
『行きたくない』
『だって、先生たち
ボクの好きなことは
教えてくれないんだもん』

『そうなの?それは大変!』
『重問題だわ、ママにとっても』
『やめときましょ!そんな学校』
『あなたのためにならないわ
一度勉強嫌いになったら
取り返しつかなくなっちゃう』

『明日、ママが
学校案内の
パンフレットもらってくるから
マナト君、一緒に観てみようね』
『あなたは
偉い学者さんになるのが
夢なんでしょう?
研究がしたいって?』

『そうだよ、ヒトの遺伝子について
研究したいと思っているよ』
『目とか、耳とか、鼻とか、唇
自分の身体に合ったスペア・パーツを
コンビニとかスーパーで買えるように
ボクしたいんだ』

『まっさらな身体なら
痛みも苦しみもなくなるからね、きっと』
『みんなの気持ちや心だって
健康になるよ、薬がいらなくなる』
『病院には
パーツの交換のためだけに行く』
『そんな時代になるといいね』

『マナト君はホント賢い子だわ』
『わたしに似たのかしら?』
『やっぱり、ウチの子は天才ね!』

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