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お気に入りの筆記用具と、書くこと大好きの話 その1

一発目からシリーズものにしようとする強気

先日の初投稿で、noteはじめました!とセロリです!と、デジタル2バイト文字をつらつら並べてみたところなんですが、思いっきり相反する話をいきなりします

それは、手で書く、ということへの克己と憧れ、そして信頼と愛情について、半生を振り返って整理していこうとおもいます。

まずこの話の前提として、僕は書くことが大好きです。
されど字はヘタです。
この話のゴールは、アイコン画像の万年筆に至るまで、字がヘタなくせに何故か筆記用具に心惹かれ、書くことの楽しみと喜びと意味を振り返ってみようという、いわばもう叙事詩

はじまりはじまり。


昔むかし、あるところに

さかのぼること小学生、四角いハコに十字の仕切りがついて田んぼの田が並んでいるノート、そう、表紙が昆虫のあのノートに、少年はひらがなを練習していました

たいへん一生懸命練習しました。
どれくらい一生懸命かというと、ぬ、とかま、あたりのひらがながゲシュタルト崩壊おこして、一体自分がなにやってるのか判らなくなるくらい練習しました。そして先生に提出しました。

すると先生は

セロリくん、字は汚くてもいいから丁寧に書こうね!

といいながらノート一面に大きなマルをつけてながらも、左下に、ていねいに!と書きました。
あの赤ともピンクとも言えないペンで!マルだけでええやん!

うるせえよ!丁寧に書いてこれだよ!どうしろっていうんだよ!と内心で叫ぶと同時に、字の上手いヘタより、セロリ少年はこう思いました。

先生がマルつけに使ってる、あの赤ともピンクとも言えないペン欲しい、と。


そう、あの赤ともピンクともいえないペンは、先生だけが使う、マルつけ専用のペン。いわば、王室の笏のように、権力の象徴なのである。以後、少年は字を覚えて早々に自分の字を上達させることに見切りをつけ、あの赤ともピンクともいえないペンをどうやったら手に入れられるんだろう、と考えました。  
少年は、赤ペンでなにか書くという、特別な記述手段に憧れを抱き、頭がいっぱいになりました。

当然いろんな所で探します。当時匂い付きの消しゴムが流行っていたので、文房具屋に行くと、友達と一緒に匂い付きの消しゴムを探すのですが、僕だけは7:3であの赤ともピンクともいえないペンを探していました当然7がペン。まさにOne more time one more chanceのくだり。

探せども探せども店に売って無いあのペンでしたが、しかしある日、少年は気づきます。

いや待て、自分では使う所が無いぞ。 


そう、赤ともピンクともいえないペンでマルをつける場面なんて小学生には無いのです。この心境にたどり着き、気付くまで、1年くらいかかりました。


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図1:先生が使ってる赤ともピンクともいえないペン。なんと創業100年を超えるあの老舗、プラチナ万年筆製。これ絶対昔からパッケージデザイン変わってないよな。引用:https://www.platinum-pen.co.jp/products/soft-pen/2925/

気を取り直して次は


次に心を奪われたのは、小学館の学年誌に載っていたドクターグリップでした。

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図2:なく子も黙るドクターグリップ。ペン回し愛好家もお世話になったのではないだろうか。天下のパイロット製。引用:https://www.pilot.co.jp/products/pen/sharp_pen/sharp_pen/drgrip/


これなら自分で使えるマルではなく字が書ける
殺し文句は、振ると芯が出る、です。凄いですよね、だって、振ると芯が出るんだよ。
そこで親にねだる。ドクターグリップ買ってと。なんと500円もするので、かなりハードルが高い。コロコロコミック一冊と値段が変わらないわけです。買ってもらうために少年は一生懸命考えます。今風にいうとプレゼンです。今でも覚えています。

ドクターグリップ買って!字、書くから!

当たり前だろうが、だってシャープペンなんだから。
けれど、しっかり買って貰いました。小手先に頼らずストレートに言う、これ大人になっても交渉の場面で使える時、結構ありました。結局青のドクターグリップを買ってもらい、以後グリップの色が黄色く変色するまで使い込むことになるのですが、それはまた先の話。

その使い込むまでに、またしても少年に試練が課せられます。  

小学校、シャープペン使用禁止。  


続く (のか?)

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