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結婚式がMUSTじゃない時代に、結婚式をあげる理由
私は今年の5月に結婚式を挙げる予定だ。最終の打ち合わせも済ませた。
夫と結婚したばかりの頃は
「自分はきっと結婚式はしないだろう」
と思っていた。
しかし、友人の結婚式に何度か呼ばれる中で目にした光景が私の結婚式への価値観を変えたのだ。
価値観を変えたのがそれぞれの結婚式で見た「家族の表情」だった。
それぞれのお父さん・お母さんの表情がなんとも言えないグッとくる表情。
きっと小さかった頃のことや、あんなこともあった、こんなこともあったと思い出して何かがこみ上げてくるような表情。
そんな表情を何度も見て、徐々に結婚式への価値観が変わっていった。
私の家族に
「私はみんな(家族)の知らないところで、こんなに素敵な人達に囲まれて成長させてもらったんだよ」
ということを伝えたいと思った。
そして家族の中でも特に父に見てもらいたいと感じたのだった。
なぜなら、高校生のある日父は家を出て行って以来一緒に住むことはなかったから。
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わたしの父
元々自営業だった父は、経営が悪化し会社を畳むことになった。
自分が生涯をかけてやっていた事業が駄目になってしまい、もはや放心状態だったのか、父は1年どこの仕事にもつけないまま家にいた。
徐々に私達家族もストレスがたまっていき、特に兄と父は衝突するようになった。取っ組み合いの喧嘩をすることもあった。
そんなある朝起きてリビングへ向かうと母が一言
「お父さんが離婚届を置いて出て行ったわ」
そこから不思議な"家族のあり方"がスタートした。
父は年に数回だけふらっと家に現れる。そしてたまにお小遣いをくれた。
だからといって、生活費を母に渡すわけでもなく、高2以降は完全に母が家計を支えてくれた。
大学も母が一生懸命働いて卒業をさせてくれくれた。感謝しても感謝しきれない。
それだけ苦労をしてきた母だが、結局父が置いていった離婚届を使うことはなかった。父と母は一度も離婚はしていない、ずっと夫婦なのだ。
気持ちの変化
正直にいうと、高校〜大学の頃は父に不信感しかなかったし「母を苦しめている存在」のようにすら感じていた。
もちろん信頼関係は破綻していた。
年に数回帰ってきた時も、父の目をまっすぐ見ることはできなかった。特に4つ上の兄とはもっと酷かったと思う。
晴れて社会人になって上京をし、初めて1人で生活をした。
家賃に光熱費、日用品まで全て自分で買わないと生活していけない。
生活をしていくことの大変さを知って改めて親のありがたみを強く感じるようになった。
母には日々感謝しかしていなかったが、実家という住まいを残してくれた父にも感謝をするようになった。
そして当時の父の心労も相当なものだっただろうと感じるようにもなった。
学生の自分では考えられない境地だった。
私はあれから父と一緒に暮らせず終いだが、母が1人で暮らしていた実家に数年前父が帰ってきた。
現在は父母が一緒に住んでいる。
父が帰ってきたと聞いて正直ホッとした。
結婚式をするということ
家を出て行ってからは年に数回しか帰らなかった父が会う度に言っていた言葉がある。
「思いやりのある人と結婚をしなさい。思いやりさえあれば、どんな人でもいい」
決して仲が良いとは言えなかったので、いつも片耳で聞いていた。それでも、もう何度も言われていたから耳にこびりついて離れないフレーズ。
蓋を開けてみれば、本当に思いやりの塊のような夫と結婚をした。
父はとても夫を気に入っていて、夫と2人で実家に帰るといつも嬉しそう。
私の夫はとても家族を大事にする人で、私の家族のこともとても大切に思ってくれている。とても嬉しい。
そしてそんな夫は私の父ともよく会話をしてくれて、なんだか夫がいると私も父と話しやすかったりする。
夫が増えた今の"家族のあり方"がとても好きだ。
父と私との間には空白の10年があるからこそ、結婚式をしたいと思った。父に見て欲しい。
「私はこんなに素敵な人達に囲まれて成長させてもらったんだよ」
と、伝える日にしたい。
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結婚式をすることは決してMUSTではないと思っている。
実際私も最初は「しない」と思っていたし、どちらの気持ちもわかる。
幸せの形やステップは結婚式だけではなく、十人十色いろんなパターンがあると思うし、それを選ぶことすらも楽しいじゃないかと。
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新型コロナウイルスがある中で開催することに賛否はあると思いますが、だからこそ結婚式をあげる理由をしっかり自分で書き留めておきたいと思いました。
無事に何事もなく終えられるよう祈りながら、このnoteの結びとさせていただきます。
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