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TO THE TOP -10 years later 8 苦い思い出-
2018年世界選手権はイタリアとブルガリアでの開催でした。
日本の初戦はイタリアのローマの野外会場でした。テニスでもよく使われる場所です。イタリアは自国開催の世界選手権の初戦に日本を選んだと聞きました。
VNLでようやく勝ち星を上げたとはいえ、まだ日本はイタリアにとって、初戦にあたって勝てると思えるチームだったのでしょう。しかも普段、やり慣れない野外でのバレーボール。
私は現地には行けませんでしたが、サーブトスが風で揺れるとか、スパイクが打ちにくいとか、そんな話も聞きました。
予選リーグを勝ち上がるのに、このイタリア戦は落としてもいいと思う試合だったのかもしれません。
VNLで華麗にデビューした西田くんがいて、お休みしていた祐希さんがここに合流して、今までとは違う強さを見せてくれるのではないかと期待もしていました。
アクシデントは起こるもので。
この試合の直前に西田くんが怪我をしたと聞き、健太郎さんもイタリアに渡る直前に怪我でアジア大会に出ていた太志くんが急遽、呼ばれたことも行き先に不安を感じさせる出来事でした。
私はこの大会を現地観戦するためにフィレンツェに行き、予選の4試合を見る予定にしていました。初戦を見るために会場に入って、李くんが片手を包帯にぐるぐる巻きにして、練習のボール出しをしていた様子を見て、さすがになんてこのチームはついてないの?と思ったこと今も鮮明に思い出せます。
怪我から復帰した西田くんのパフォーマンスは凄まじくて、周りのイタリア人に西田くんついて質問攻めにされるほどでしたが、まだパフォーマンスの波が大きかったり、藤井・李のコンビを使うこともできなかったり、遅れてチームに合流した祐希さんのパフォーマンスがしっくりこなかったり。
歯車が小さく狂ったところを修正できず、リベロの古賀さんがボールをベンチ裏までボールを取りに行って、飛び込んでそのままコートに戻ってこなかったり。
本当に現地観戦をしてても最後は見てるのが辛い試合展開が続きました。
勝ち切るためのピースがこの時の、このチームには足らなかったのだと後で思いました。予選リーグを勝ち抜けず、彼らの世界選手権はフィレンツェの地で終わりました。
最後のアルゼンチン戦で、相手に2セット取られたところで希望が途切れたのですが、その試合はフルセットで、祐希さんがOPに入るなどの変則的な形で勝ち切りました。とはいえ、目標には辿り着かなかったわけで。(その試合はこちらでFull Matchで見れます)
祐希さんの本の中でもこの時の出来事、心情などが語られているのでもし気になる方がいらっしゃったらぜひ、書籍を手にとっていただければと思います。
チームにフィットしきれず、そのせいでこの世界選手権を勝ち抜くことができなかったという責任を感じていたのではと、現地にいても感じていました。外に対して気持ちをクローズしてしまっている感じもありましたし。
前に進んだと思ったり、後退したとなと感じたりを繰り返しながらこのチームが一歩つづ進んできたことをこうして振り返ると感じます。
決して最初から順風満帆でなかったと。
その中でたくさんの試合をこなし、たくさんの経験を積み重ねて、強くなった日本を見せてもらってるんだなと。
とはいえ、オリンピックは2020年。
あと、1年でこのチームが東京オリンピックで予選突破できるチームに仕上がるのか?と考えた時にまだまだ足らないものがたくさんあるチームだったのだと思います。
初めて、このチームでの勝利の手応えを得たのは翌年のワールドカップでした。
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