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1年間で短答60点上げるまで〜科目別の勉強とR5短答の感想〜


0.はじめに

どうも、司法です。ご覧いただきありがとうございます!本noteが皆さんのお役に立てれば幸いです。
今回は、R5短答に至るまでの科目別の勉強を記していきます。本noteに限りませんが、あくまで私の勉強方法・内容ですので、参考程度に見ていただければと思います。全科目に概ね共通する勉強方法、短答専用の対策期間などについては、以下の記事をご覧ください。

1.公法系(R4:39点→R5:50点台)

主観的な問題難易度
R4憲法:やや易→R5憲法:やや難
R4行政法:難→R5行政法:やや易〜普通

まず公法系です。私の場合、R4の時点で憲法は26点取れていたので、課題は行政法でした。
上記引用記事でも触れた通り、基本的には過去問を解いて、条文をちゃんと読んで、講義を聞いて、主要な判例を読んで、わかりきらないところは基本書を読んで、苦手なところをまとめたノートをまわす、という流れを徹底しただけです。ただ、行政法については、R4で悲惨な点数を取ってしまった事もあって、苦手意識が強かったため、基本書を読む割合が高かったと思います。使用基本書は、上記引用記事をご覧ください。
上述のように、課題意識が強かった行政法は、他の科目に先んじて、2週間ほどかけて丁寧に(?)過去問等をやりました。こうすることで、苦手まとめノートを一番多く回せるからです。結果的に行政法はR4→R5で2倍以上の点数になったため、正解だったと考えています。
逆に憲法は、現状を維持すれば良いと考えていましたが、現状維持って何すれば良いんだろう?となり、結局他の科目と同じく過去問等を回して苦手まとめノートを作ってそれをまわす、という事をしました。苦手なところノートでは、主に統治を中心にまとめていました。内閣とか国会あたりの条文ってなんかわかりづらいな、と思っていましたが、時系列順に条文を並べてみると、案外単純かも?となりましたね。これは割と皆さんにオススメできるやり方かも知れません。憲法は4番目ぐらいにやった科目で、1週間ほどかけましたが、唯一R4から点数が下がった科目です。問題難易度もありますが、ちょっとショックでした。

2.民事系(R4:53点→R5:70点台)

主観的な問題難易度
R4民法:普通→R5民法:易
R4商法:難→R5商法:普通〜やや難
R4民事訴訟法:普通→R5民事訴訟法:普通

次に民事系です。民事系はなんといっても商法、そして民法がありました。特に商法が曲者で、R4で12点しか取れていませんでした。行政法の次に商法をやり、同時並行的に民法をやった、という感じです。
商法は、会社法部分は基本書として田中亘先生の会社法をメインに進め、商法プロパー・手形小切手法部分は基本書なしで対処した、という形になります。
会社法を基本書メインで進めたのには理由があります。概念がわからなすぎたのです。会計参与・会計監査人・監査役・監査委員…。なんだこれって感じでした。無論、1年目は条文などというものは殆ど確認しておりませんでしたので、初見みたいなものでした。こういう基礎概念すらわからない私には、講義よりも基本書の方が良いだろうと考えたわけです。そして、この行動は、私にとっては大正解でした。田中亘先生の会社法が本当にわかりやすい。私と同じような悩みをお持ちの方は是非一度手に取ってみると良いかも知れません。
商法プロパー・手形小切手法については、過去問講義と総合講義だけで乗り切りました。いえ、R5はこの2つの範囲だけで本番4点落としているので、むしろ乗り切れていないのかも知れません。それでも点数最大化のためには致し方なかったというべきでしょうか。他の分野の点数を伸ばす方がよっぽど効率が良かったです。商法は、過去問を回して苦手ノートを作るのに1週間半ほどかけました。
続いて民法です。こちらもR4では18点だったので、うーーーん、という感じでしたが、ちゃんと条文を読むことと、契約ごと・物権ごとに性質を押さえて他と比較しながら覚えること、の2点を意識して勉強したら、R5本番は点数が取れました(問題の難易度や相性もありますが)。そんなのは当たり前だ、と思われるかも知れませんが、私はやっていませんでした。基礎基本の大切さが分かります。全ての科目に共通する事だと思いますが、結局は、どれだけ丁寧に基礎基本を押さえているか、の勝負だと思います。点数が取れてる人が、みな特別難しい所まで細かく正確に押さえているというわけではないと考えています。知識の押さえ方や、どこまでを基礎基本と捉えるか、には議論の余地があるかも知れませんが。民法は過去問をやって苦手ノートを作るのに1週間半ほどかけました。商法と同時並行でやっていましたが、1〜2日ほど、民法の家族法が遅れて終わるような感じでした。
民事系ラストは民事訴訟法です。この科目は謎に自信がありましたので、パパッと終わらせた感じです。ちょうど1週間ほどでしょうか。民事訴訟法は好きだったので、1年目からちゃんと条文を読んでいた覚えがあります。これが自信に繋がっていたのでしょう。実際、R5直前に過去問をやった際も、(不)正解の根拠条文まで正確に言えることが少なくなかったです。
民事訴訟法でいうことがあるとすれば、論文で必要になる論証をちゃんと理解して押さえておくべき、ということでしょうか。短答プロパーも大事なことに変わりはありませんが、論文知識があれば取れる問題は少なくないと思います(というよりも、短答の既判力や自白の問題など、論文知識をちゃんと理解していないと解けない問題も最近増えてきているような気がします。)。上記引用記事で示した、瀬木先生の民事訴訟法は、実務も交えて説明してくれている上、学問的な部分もしっかり解説してくれている点で短答にも論文にもオススメです。やや独自色の強い部分がある点にはご注意下さい。

3.刑事系(R4:49点→R5:50点台)

主観的な問題難易度
R4刑法:普通→R5刑法:普通
R4刑事訴訟法:やや易→R5刑事訴訟法:普通

法律科目群最後は刑事系です。といっても、この2科目は短答用に特段何かをしたということはありません。論文対策で結構力を入れており、短答も大部分はそれで足りたからです。強いて言えば、刑事訴訟法で基本書の刑事訴訟法Ⅰを追加したぐらいです。R4で8割ほどの点数(しかも、選んだ肢は割と確信を持っていた)が取れていたので、この調子でいけばR5も点数が取れることはなんとなく見えていました。2科目あわせて1週間ほど(同時並行)勉強をしました。
刑法については、マイナー犯罪を押さえました。電子計算機関係、公務員系の犯罪などがそれです。結論から申し上げますと、これはやる必要はないと思います。「他の方が出来たらどうしよう」と心配になってやりましたが、この範囲を重点的に勉強なさる方が稀なことは言うまでもないでしょう。よく出る犯罪や総論部分について、各々の持っている論証集等で確認すれば足りると思います。短答後に見ましたが、基本刑法Ⅱがよくまとまっていて、短答対策、ひいては論文・口述対策に使いやすいかなと思いました。是非一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
刑事訴訟法については、論文の刑事実務基礎対策だと思って勉強していました。これは皆さんにオススメできます。刑事訴訟法の短答は、口述まで活きます(別途noteを書きますが、私は口述前に刑事訴訟法の短答過去問をやり、基本刑事訴訟法Ⅰで確認する、ということをしていました。)。刑事訴訟法の短答過去問を、逐一条文を確認し、基本刑事訴訟法などで復習しながらやると、もう怖いものなしです。是非やってみてください!個人的には、逮捕後起訴までの流れや公判の流れを、時系列順に、条文番号のみで言えるようにする、というのが短答論文口述全てに、とても役立ちました。
ここで余談を1つ。皆さんはR4刑事訴訟法短答をフルで解いたことがありますでしょうか?是非、本番に近い環境で時間を測ってフルで解いてみて下さい。フルで解いた方はご存知かと思いますが、最後らへんの正答がとんでもないことになっていますよね。各予備校の解答速報で最後らへんの問題を全て正解していたところは無かったと記憶しています(あったらごめんなさい!)。私は、幸か不幸か、いずれも正しい⭕️❌を選択していましたので、解答速報段階では点数が低く出てしまい、その結果地獄の2週間(以前の記事を参照なさってください。)が訪れる訳です。1年に1回だけの、落ちたら終わりの試験なのに、司法試験委員は何てことしてくれるんだ!と心底思いましたね笑。余談は以上です!

4.一般教養科目(R4:18点→R5:40点台)

最後は一般教養科目です。
いきなりで申し訳ございませんが、この科目は本当に何もやっていません。R4論文後(不)合格発表前に、あまり関係のない、食事マナーや敬語などを勉強しましたが、周知の通り、そんな問題は出ておりませんので、これが点数増加に寄与したとも思えません。R4の問題を解いたことのある方はお分かりいただけると思いますが、一般教養について何かを対策することは費用対効果が悪すぎるように思います。
ただ、巷で話題になっておりました通り、今年の問題は易化はしましたよね。R4と比べて、明らかに「考えれば解ける」問題が増えたように思います。そうすると、去年からの点数の増加の最大の要因は、やはり問題自体の易化と、問題との相性だったように思います。対策が奏功したという話ではない、という結論になります。
最後に一般教養科目についてもう1つ。辰巳法律研究所さんが毎年短答直前に出しておられる、一般教養の出題者の専門分野まとめがあります。あれは見ておいて損はないと思います。

5.総まとめ

これでR5短答についてのnoteは終わりになりますが、最後に総まとめを記しておきます。

運です。

受かったことは実力だと考えていますが、ここまで点数が高くなったのは運以外の何ものでもないと考えています。問題難易度、問題との相性など。それらが全て噛み合ったとしか思っていません。口述が合格していれば、司法試験に向けて短答対策をまたしていくことになるわけですが、今度は運が悪くてもそれなりに高い点数、具体的には140点ほどが取れるように頑張りたいと思います!

以上です。長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました!計3回に渡り短答について記してきましたが、少しでも皆さんのお役に立てていれば幸いです!皆さんのご武運をお祈り申し上げます。次は論文対策についてnoteを書こうと考えているので、よろしければそちらもご覧ください!それでは。

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