MAD MAID WARRIORS/オリジン

1874年11月30日は私が生まれた日です。電撃的な運命の出会いを得て、そこから気が狂ったように戦い続けました。
私は小さな村の出身でした。地図にも載らないような場所です。
その村に偶然いらっしゃった貴族の方に「私のところで働くかい?ありきたりに聞こえるかもしれないが、君のような美しい少女はそういない。申し訳ないが、私は君に一目惚れしてしまった」
ロマンティックな展開でした。こういった事は小説の中でのみあり得るのかと思っていましたから、驚きました。
ですが、私にはこの方が邪な考えを持たず、ただただ真意の眼差しを向けていると感じたのです。
この一件を、父上と母上に申しました。
ご返答は、「不安もあるが、気にかけないでいい。今まで苦労をかけてしまった一人娘を引き留める理由など、無い」
お二人は、一切反対せずに私を送り出してくださりました。
先日の侯爵様がお迎えに上がってくださるようなので、恐れ多いですが早めに家を出ることにしましょう。
身支度を終え、振り返ると母上の姿。
「これも持っていきなさい。あなたを守ってくれるわ。こんなことしかできないけど、頑張って行ってらっしゃい」

母上から餞別に頂いたクローバーのブローチの抱いていると、すぐに「お待たせしてすみません」ケリーウェスト侯爵様がお見えになりました。「屋敷までは歩きで向かいますが、よろしいですかな?貴女と話をしたいのです」
「ええ。喜んで」
「では、行きましょうか、お嬢さん」
「かしこまりました」
私はこれから村の外、遙か遠い場所へ行きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?