お題140文字小説

花火は風で流れるのかな。くるりと回ったりするのかな。彼女が独り言半分に問いかけてくる。確かめに行ってみようの言葉が、喉でつかえたままだ。屋上の白いシーツが僕たちの後ろではためく。ひと回り小さくなった身体に、長い睫毛が光に透けている。

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