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失いたくないものを手にし弱くなりました

3ヶ月前、出産しました。

妊娠期間40週ちょうど。
妊娠発覚からやく9ヶ月。

母親になる心構えもなく、妊娠発覚したが
情報収集をそれなりにし、母親になる準備を自分なりにした。

日々大きくなるお腹や激しくなる胎動に愛おしさを覚え、
少しでも体動が弱かったり、自分自身の体調がすぐれないと
杞憂にも程があると言わんばかりの不安に襲われていた。

今思えば、妊娠中はお腹の子にとって命綱は母親である
私しかいないのだ。

出産自体は当たり前だが人生で一番痛い思いをした。
それと同時に人生で一番感動した瞬間だった。

私の一部だった命が、この世界に出て来たのだ。

か細い声で、しわくちゃな顔で一生懸命、声を上げている我が子。
生まれて初めてかける言葉はとても神秘的な言葉かな?と思っていたが
まさかの「可愛い」。自分でも笑ってしまうが
真っ赤な小さな生命体に向かって私が発した言葉はあまりにも陳腐な言葉だった。
そのくらい必死に出産に挑み、心身ともに頑張ったのだ。

それから5日間、
日中は主人や両親が来てくれたが夜は二人きりだった。
寝たと思ったら数時間、数分で小さな声をあげる息子。
正直、意識が朦朧とするほど眠かったしなんで泣いてるの?
と毎回どうしようもなく思った。

まだ笑ったりもしない、手を握ることもしない。
泣いて、乳を飲んで、寝て。
この繰り返し。

甘えることも、好意や信頼を向けられることもないのに、
ただどうしようもなく息子が愛おしく思えた。

すやすや眠っている息子を見て、
もしこの子に何かあったらという思いが日々強くなっていく。
ドキュメンタリー番組や情報番組で子供の事故や事件があると
今までにないくらい悲しく、もしもを考えると怖くなる。

息子を産んで、私は強くなった。
だが同時にとんでもない弱さを身につけた。

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