見出し画像

児童書ショー歌

こんにちは、山田です。

私は仕事がら、児童書を目にする機会が多いです。
絵本や図鑑みたいに、自分が子どものころ読んだ系統のものもあれば、
「サバイバルシリーズ」のような、現代の関心に即したものもあります。

「サバイバルシリーズ」とは、
厳しい環境で生き残る知識やすべを紹介する、児童マンガ風の本です。
無人島や砂漠が舞台の冒険要素の強いものもありますが、
新型ウイルス、異常気象など、身近な “ サバイバル ” も扱われており、
なかなか考えさせられます。

また「まんが 〇〇のひみつ」のような、昔からのシリーズも健在です。
以前は、「宇宙」「動物」といったレベルでのくくりでしたが、
現在は、テーマがかなり細分化されています。

たとえば「巻寿司のひみつ」と「いなり寿司のひみつ」は、別々の本です。
「高野豆腐のひみつ」「漢方のひみつ」など、読者層である児童が、
どんな経緯でこのテーマに興味を持つのか、ナゾなものもあります。
シリーズ読破をめざす子が、その流れで手にするのかもしれません。

もっと細かい、「八つ橋のひみつ」さえあります。
修学旅行で京都に行く子むけの本なのでしょうか。

それとは別に、「弁護士」「クレジットカード」など、
「ひみつ」よりも、きみつ(機密)にした方がよさそうな
テーマも扱われています。

そして、「年金のひみつ」。
負担と受益のアンバランスがすごいであろう児童世代が読むのは、
あまりにセツナイ。

多彩な児童書の世界で、定番ポジションであり続けるのが、
「KOWAI」話です。
低学年なら「こわい話」。高学年以降なら「怖い話」。
(ここからは「怖い」で統一)。

現在は、「絶叫学級」のような、明日は我が身にふりかかりそうな、
リアルを漂わせる「物語」が多い印象です。

いっぽうで、昔たくさん読んだ「実話・体験談系」は、
非常にレアになった気がします(児童書としては)。
世迷言で子どもを惑わすのは、ケシカラン!
・・・ということでしょうか。

私が子どものころ、この手の本のタイトルは、
「本当にあった!!」と言い切ってましたが、
少し前に見た本では、「本当にあった!?」とアヤフヤにしてました。
コンプライアンスとインパクトの攻防、大人の工夫が垣間見えます。

最近は、児童向けの「職業紹介」本も増えています。

「社会参加」に興味や憧れを持ってもらうためか、
どの仕事もめちゃめちゃ良いことが書いてあったりします。
自分の職業の項目を読むと、気恥ずかしいけど、使命感も上がります。
(「そんなアマくないし」とツッコんだりもしますが)

児童書は内容や表現がシンプルですので、
読み物として大人が楽しめるとは限りません。
「これくらいで楽しめるなんて、子どもが羨ましい」と、
私も思う時があります。

ですがそれは、情報や刺激、期待や可能性に対して、
大人の方が鈍くなっている証であるようにも思います。

初心、原点ってなんだったかなぁ・・・。
児童書がそれを引き出すきっかけになるかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?