デマ開示訴訟(判決)

なかなかネットでリンクも出なそうなので、必要な部分を公益のために公開となります。大臣の公務員としての業務の適正さと厚労省の情報開示業務の報告を公益のために紹介します。

まずは解説をしてから、関連のある判決文を紹介します。
判決は赤の下線部分が重要です


【1】事実関係と判決の問題点
まず本件事実関係は、「厚労省から河野ワクチン担当大臣へのワクチン副反応の報告のために作成された文書」という情報開示をしたことに端を発しています。(2021年10月)。ワクチン担当大臣への報告は法規上、文書として記録に残さなければならないので文書があれば業務上報告があり、文書がなければ報告がなかったと原則上は考えられる訳です。(しかし、判決では日本の副反応死の報告文書はないのに、報告があったことは不自然ではないとして、違法状態を放置したままの判決が出ています。)

【2】法律的争点
法律的争点(1)
 訴えの利益が認められるか?(法律の争いとして成立するか?)
 まずは、法律的に争いとして成立しなければ、文書の有り無しはそもそも問題とならずに終わります。おそらくあちら側はここで勝負をつけようとしてきたようです。
 「アメリカとヨーロッパの副反応報告は開示した。
 だから正当に文書開示されたものでありこれ以上は法律的に争うところはない。」
 それに対して、「日本の副反応死を開示対象に含めていないことは文書開示の範囲の『特定』を間違っておりもう一度文書開示をしなければならない。」というのがこちらの言い分でそれが認められた形になりこの争点に関しては国側の主張は退けられました。
 この部分は法律的に判例の読解し直しの今までされたことがない議論がされているので、そのうち情報開示法の教科書に出てもおかしくない争いです。

法律的争点(2)
 (1)で開示文書の範囲に日本の副反応報告が含まれているのは当然であるとして、その文書を厚労省が持っているかを争うことになります
 「厚労省から河野大臣への日本の副反応報告」については、訴訟で争われている開示請求とは別の開示請求を出したら、半年かかって存在していないという結果が通知されていて、情報公開法上三十日で通知しなければいけないものを半年もかけた違法な行為をしていることは、本来あるべき文書の隠蔽の可能性を示唆しているという原告の主張に対して、違法だが別の文書の存在を示すものでないとしています。
 そして、「報告したら文書を残さなければならない」という原則に反して、「文書がなくても厚労省からの情報共有があったとしても不自然ではない」と判示しています。
 かなりグレーゾーンな判決です。原則から考えれば違法な行政行為(報告文書を作成しなかった)を認めたことになり、この裁判には勝ったが行政の違法行為は肯定するというちぐはぐな結論になっています。
 情報公開法の国民主権の下での行政の監督と透明化を裁判の趣旨にするために損害賠償を請求していないので文書開示以外の違法があっても裁判上は問題にならないという結論で実は違法は確認されています。
→この辺は控訴で争うことになりそうです。

 結論として、法律上の争点(1)の撃ち合いに勝ったことで、何を主張しても違法行為になってしまうという状態にすることには成功しています。
法律上の争点(1)は、専門的なので今まで一度も触れたことがありませんがここでの勝利は重要でした。

以上解説です


判決(東京地裁・令和4年12月20日判決)

【1】事実関係(抜粋)


【2】法律上の争点

法律上の争点(1)訴えの利益(法律上の争いとして成立するか?)



法律上の争点(2)


(注)第二次処分ないし第十次処分の審議会文書とは堀内大臣と松野大臣へ分科会での発表の前に副反応死を報告した文書のことを指す

別争点、アメリカとヨーロッパの副反応報告に日付がないことについて、その文書の真正が疑わしいという主張に対して


結論


当事者の主張





以上です。
精査すれば厚労省と大臣にどのような連絡があったかわかるはずです。


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