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飲み友達は乃木坂46!?(西野七瀬 篇)

どこにでもあるごくありふれた居酒屋。
いい言い方をするなら趣ある、悪い言い方をすれば寂れた、いわゆる赤提灯が似合うサラリーマンが好きそうな酒屋。

そこにひときわ似つかわしくない美女がビールの入ったジョッキを嬉しそうに掲げて目の前に座っている。

七瀬「じゃあ、かんぱーい!」

○○「かんぱーい」

同じくビールジョッキを掲げて七瀬とカンパイをかわした。

今をときめく乃木坂46の西野七瀬が、おしゃれな星つきのレストランでもなければ、格式のある料亭でもない、こんな庶民的な居酒屋でビールを美味しそうに飲んでいる。

何回みても違和感がぬぐえない。

七瀬「ぷはー、美味しっ すいませーん、ビールおかわりで」

ビールの泡で髭をつけながらも美味しそうにビールを半分以上飲み干した七瀬は、早々と追加の注文をしていた。

○○「なーちゃんと飲むのも久しぶりだね」

七瀬「そうやね、2ヶ月ぶり?」

○○「もうそんななるか~」

七瀬「マネージャーをやめた○○が付き合い悪くて誘ってくれへんからな~」

○○「いやいや、そんな簡単にアイドルを飲みになんて誘えないよw」

そう、実は○○は前に乃木坂46のマネージャーをとして働いていた。
大学生の時にアルバイト的に働いていたのだが、大学卒業で就職するのをきっかけに退職した。
ありがたいことに引き留めていただいたけど、もっと見聞を広めたいとおもって普通の会社に就職した。

でも、これもありがたいことに、たまに前の職場の人とか関係者の方に飲みに誘っていただける。
まさか、アイドルに誘ってもらえるとは思わなかったけど。

七瀬「それで、○○は仕事の調子はどうなん?」

枝豆を両手で食べながら尋ねる七瀬。
ただ枝豆を食べているだけなのになんでこんなに可愛いのだろう。

○○「うん、まだ始まったばかりだからいろいろ覚えないといけないから大変だけど頑張ってるよ」

七瀬「そらよかったなー。なぁ、やっぱり戻って来る気はないん?」

一瞬寂しそうな表情で問いかける七瀬。

〇〇「嬉しいけど、見聞を広げたいからさ」

七瀬「…でも、やっぱりなな、さみしいんよ…」

七瀬の思いは知っている。
マネージャーを辞めるときに一番引き止めてくれた。
なんなら泣いてくれたくらい。

それでもやっぱり

〇〇「ごめんね、なーちゃん」

七瀬「もう、しゃーないな…」

〇〇の言葉に、自分に言い聞かせるようにそういいながら一瞬うつむくと、七瀬は次の瞬間、笑顔で顔を上げた。

七瀬「なら、今日はとことん付き合ってもらうで!」

〇〇「えぇ…、俺明日も会社なんだけどw」

七瀬「私は明日オフやもん。ええやんな、〇〇?」

〇〇「しゃーないな、お姫様に付き合うよ」

七瀬「やった! 飲もう飲もう! お腹も空いちゃったから、食べよう!」

それから二人は寂しさを忘れるように笑顔で飲み続けた。

先程まで騒がしかった店内も、気がつけばお客さんは〇〇と七瀬だけになっていた。

七瀬「すいませーん、ハッピーの中おかわりで〜」

そんなこと関係ないと言わんばかりにおかわりを頼む七瀬。

〇〇「七瀬、そろそろやめとこ」

〇〇が七瀬に声をかける。
いくらなんでも飲み過ぎな気がした。
帰ることも考慮すると、そろそろ止めておいたほうがいいと、本能が告げている。

しかし、そんな〇〇の心配を他所に七瀬は嬉しそうに〇〇を見つめる。

七瀬「やっと名前で呼んでくれた…」

そう言うと、七瀬はテーブル越しに少しだけ身を乗り出して、〇〇の手を握る。

七瀬「なぁ、ななのこと好き?」

〇〇「…好きだよ」

七瀬「それは女性として?」

〇〇「…」

答えられなかった。答えてはいけないと思った。
七瀬はアイドル。恋愛は禁止。
それはマネージャーをしていた〇〇が一番良くわかっていた。

七瀬「なぁ、〇〇…答えてよ…」

〇〇「…大切に思ってる。でも、七瀬の質問には今は答えられないよ」

七瀬「じゃあ、いつか答えてくれるん?」

いつか
それがいつを意味するのかもわかっていた。

〇〇「いつか、ね」

七瀬「…待ってるで」

七瀬はそういうとゆっくりと手をはなした。
いつの日にか、二人の想いが繋がることを信じて。



おわり

この物語はフィクションです
実在する人物などとは一切関係ございません。


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