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美容師に必要な能力6選~技術編~


ざっくりと独断と偏見による美容師力。
* ①技術
* ②接客
* ③オーダーメイド
* ④トレンドキャッチ
* ⑤指名してもらう
* ⑥集客

今回は「技術」について
①技術
たくさん練習するのは当たり前。

でもある程度のところまで進むとマネキンでカットの練習をしていても無駄とまではいかなくても限界がくる。

実際の人の頭や髪には骨格、髪質、くせ、生えグセなどがある。
それらを加味してヘアスタイルを決めなければいけない。

僕がアシスタント期間を経て晴れてスタイリストになってすぐに、前の店舗でお世話になっていた男性のお客様が髪を切りに来てくれたことがあった。
その方と懐かしい話や近況報告をしながら無事切り終えてスタイリングをした後に、くしの入り方がちょっと痛かったとアドバイスを頂いたことがある。

これは僕がマネキンでの練習が当たり前になりすぎてマネキンを実際のお客様と思いながら練習できていなかった証拠だった。
マネキンを実際の人の頭と思って練習しているとくしのとき方も自ずと優しくなっていたはず。
何ヵ月、何年とマネキンで髪を切る練習をある程度きちんとしていると、いくら不器用な人でも真っ直ぐは切れるようになると思う。
でも結局は実際に人の頭と髪に触れている場数と経験がものを言うと個人的には思っている。

髪を切る、という行為に関してはちゃんと勉強したり、教えてもらえれば小学生でも数ヶ月で身につくと思う。

お客様に「手に職があって良いね」って言ってもらえて確かに最悪どこでも働いていけるなとは思うけど、勘違いしてはいけないのは今のこの自分と同じ技術を持つ人は他にもごまんといること。

残念ながら僕たちのカットやカラーなどの技術はオンリーワンではない。
細かいことを言うとその人その人でカットラインも違えばこだわりも違うけどある程度練習してる人なら普通に切ることができる。
同じようにオーダーをしてあの店とこの店で全く違う髪型になった!ということはない。

最近ではせっかく美容師さんが経験を重ねて頭を捻って考えた技術もインスタグラムをはじめとしたSNSに公開することもある、しかも無料で。
その無料の情報を他の美容師が見てその美容師もその技術ができるようになってしまう。
その繰り返しで今や全国の美容師はある程度SNSをチェックしている人なら本来他の美容師の独自の技術を身につけ、標準化される。

この連鎖が負の連鎖なのかどうかは業界的にはわからない。どんな美容師でもある程度の技術力が手に入る一方、元々独自の技術を見つけた美容師は講師活動にでも繋がれば恩の字だが無償でどこの誰かもわからないライバルのスキルアップのお手伝いをしていることになる。

僕は独自の技術の公開はせめて同じ社内のみでの公開か、もしくは有料で公開すべきだと思っている。そうすることで美容師も自分で何かを発見しようと努力をするし、しない人は淘汰されていく。

そして何より僕たちがどれだけこだわって他の人と俺は違う!!と思って施術をしてもカットの上手い下手を決めるのは最終的にはヘアスタイルをつくったことのない素人であるお客様。

何年もカットの練習をして極めてきた人でもなく人の髪を切ったこともないお客様がこの人はカットが上手いと判断してもらえたら成功=また来てくれる、下手くそ=もう来てくれない、という形で示してくれる。

なので、持論としては僕は「カットが上手い」というのはお客様の好みをきちんとヒアリングして理解してコミュニケーションを取りながら要望通りに切れること。
懇切丁寧できちんと向き合うカウンセリング。
そしてお客様が家に帰って翌日から快適に過ごせるヘアスタイルをつくれることだと思っている。
そこにプラスしてお客様の想像以上のやりやすさやオシャレさを引き出せたら尚良いと思っている。

お客様に満足して頂ける技術を磨くのは当然のことでとても大事。
でも技術に対する考え方や向き合い方次第で技術はお客様や世間にとってありふれた誰にでもできる技術になる恐れもある。

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