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一度もマフィンを作ったことのない私がマフィンを販売したワケ【~後編~】

イベント出店から早一週間たってしまいました。noteも早く更新しないと忘れる忘れる。

前編に引き続き、後半では当日編です。仕込みの日、そして販売した日、その後の反省や考察などを記します。ラストにはこれまでの協力者、これからの協力者をエンドロール風に書き上げていますので、最後までお読みいただけると嬉しいです。

ハプニング発生とその対処~仕込み日~

仕込みは金沢市此花町にある中田料理学園が運営するシェアキッチンにて、営業許可を取得して行いました。
自宅では2週間前からほぼ毎日マフィンを焼き、マフィンを食べ続ける生活をして、まずまずのできに満足をしたところで、仕込みをすることとなりました。

事前に家庭用オーブンとは異なる、施設のガスオーブンの使用感も見て、「うん、これなら大丈夫!」と仕込み当日を迎えました。

仕込みの日、1日お手伝いに来てくれる予定の小泉さん(ツナグの初期メンバーでピンチのときにいつも甘えさせてもらっていて、仕込み日も泣き言を聞いてもらっていた)と早速生地づくり。

本来ならここで気付かなければならなかったいつもとは違う「生地感」。
普段料理・お菓子作りをしない私はその変化に気付く由もなく、というか、気付いていたもののそれがよくない兆しとは全く知らず。

練習の時は6個の量で生地をつくっていましたが、本番の仕込みはなんと1度に27個分の生地をつくっています。いつもは泡だて器で混ぜられる生地が、当日は両手でヨイショー!!とやらなければ生地が混ざらないのです。

多すぎて仕方がないと思っていましたが、仕方がないのではなく、うまい具合に混ざっていなかった。orz

そしてそのまま焼き、焼き上がりもマフィンのふわっとした感じではなく、ムギュっとしたいわゆる餅化(米粉ユーザー語)が起こっていたのです。

そんなことにも気づかずに4回転目をしようとしたとき、少し焦げてしまったので中身を割ってみることにしました。

「あ、やばいね・・・」小泉さんと顔を見合わせて絶句(笑)

既に今となっては笑えるくらいになってしまいましたが、そのときはうろたえていました。

メシア現れる

ここで登場したのがあやぴ(お菓子を作ってインスタ頑張ってる高校の同期!食のお仕事いつか一緒にしたいと私が勝手に思っている人)です。

当初は印刷物を運んでくれるだけの予定だったのですが、ちょうどうろたえている最中彼女が足を運んできたので、「どうしよ・・・」というと、設備や状況を確認し、マフィンの開発者であるまさきさん(ツナグイベントに来てくれて以来、私の活動を全面的に応援してくださっているお姉さん!すき!)と電話しながら生地感の確認をしていました。

「何でや・・・私が重曹を0.5g減らしたのが悪かったのかな・・・」なんて思いながら、もう心の中で泣いていましたが、揚げ物中の汗で涙に回る水分もありませんでした(笑)

私はその間、無心でコメカシを揚げまくっていました。ちなみにこちらは準備数が多すぎた以外は大成功。(どこかのタイミングで揚げ前の状態で受注販売をスタートすると思いますのでよろしくお願いします~~📢)
ちなみにマフィンも準備数が多すぎました。足りなくならなくてよかったと思うことにしています。(前向き~~!)

気付けば私がコメカシアゲアゲと格闘中に、バナナッツの失敗生地にいろいろ加えてくれて、なんとか出せるものが焼きあがりました!

内心、「あっこのピンチは面白い、面白くなってきたな」と謎のワクワク感がありました。現場にいた方には伝わっていたと思います。(笑)

そして大きなお腹を抱えながらひたすらパンフレット折り、ずっと励ましの声をかけてくれていたまな(家庭菜園時代からめっちゃ畑手伝ってくれてる実はいちばんの古株)。この方がいなかったらPRのぴの字もできませんでした。

そしてキッチンカーを快く貸して下さった大窪さん。金沢市若宮町で12年間かなやキッチンを経営されている男性です。
「共感でビジネスを作れるようになりたい」とご相談いただき、noteやSNSなどで想いを綴る、応援していただけるような発信をするのはどうでしょうか?とお伝えした手前、私も只今実践をしているわけであります。
彼も私の活動を応援してくださっており、前日から保管場所を提供いただいたり、氷の準備をしてくださったり、分からないこと何でも答えてくださって、いろいろご支援くださいました。食に関するお仕事をする際にはぜひ参考にさせていただきたいところがたくさんあります。今後も楽しい事業をつくっていくそうで、これからの活躍にも期待大です。

と、当日を迎えるまでにこれほどまでのストーリーがあったわけです。いろんな方に「イベント出るなんて、すごいね~!」とか言われますが、私がすごいわけではないことがここまでで十分お分かりいただけたのではないでしょうか。

【たぶん赤字】売上は47,060円~イベント当日~

イベント自体は数えたくもないくらい赤字をかましたと思われます!
それは準備数と発信力のミスマッチが原因です。仕入れが下手!と言われればそれまで。あとは開発にかかったお金、自分が練習するために買った材料費など、それはもちろん回収できていません。しかし、米粉や販売したジュースの一部は、こちらも支援者のご厚意でご提供いただいています。彼はこれからツナグに繋がる飲食店を考えている方なので、時が来たら微力ながらまた告知させていただきます。

前編を読んで「誰でもできるって、赤字って、そんなのダメだろ!」と思っている方、それでいいのです。今回何がダメなのかが検証できれば次に向けて策を練ることができます。何もしなければ検証ができません、策を練れません。何がダメだったのかが分かりません。だから、何かやりたいんだったらやればいいと思うのです。小さく始めればいいのです。大丈夫、死なないから★

当日は、かなやキッチンが出すお店の準備数に相当するくらいの量を準備してしまいました。ディスプレイも最低限、発信も自分の知人やSNSで告知した程度で特別力を入れていたわけではなかったです。

今になって思います。「飲食歴12年のかなやキッチンと同じだけの来客があるはずないじゃないか!」と。(笑)

一通り終わって、そんな気付きを得ました。

以下に、各売上を記載しました。材料費がいくらかかったかは気になる方は直接聞いてください~。

売上の内訳

6/8と言っても、当日はそこまで暑いわけではありませんでした。6月相応の天候で、動くと暑いなぁとそんな気温。そんな日にたくさんのキッチンカーが並ぶ中、マフィンの売れ行きは以下の通り。

何の実績もないお菓子も作ったこともない人間でもこのくらいだったら売ることができました。あるのは、謎の自信と行動力です。いや、1日に4万円も生み出せるってすごくないですか・・・👀?自分でもびっくりしました。

【内訳】
プレーン¥350 18個 ¥6,300
プレーン(失敗作)¥250 2個 ¥500
くるみそ ¥430 6個 ¥2,580
バナナッツ ¥7,310 17個  ¥7,310
くるみそ(失敗作)¥300 3個 ¥900
玉ねぎ(失敗作) ¥300 8個
抹茶(失敗作)¥300 13個 ¥3,900
しそソーダ ¥350 18杯 ¥6,300
ぶどうソーダ ¥380 9杯 ¥3,420
コメ ¥300 12袋 ¥3,600
コメ(セット) ¥550 1セット ¥550
マフィン3点 ¥1,250 5セット ¥6,250
ドリンク割 -¥30 5点 ¥-150
にんにく ¥100 20個 ¥2,000
玉ねぎ大(野菜) ¥60 12個 ¥720
合計 ¥47,060

売れ筋トップ3
・プレーン
西田さん(みんなの畑の会の創設者!ツナグのきっかけのきっかけを作ってくれた方です。)が支援物資センターの方々にと、10個買ってくれました!太客様々!!

・しそソーダ
活動を知らない方々にいちばんウケてました。暑ければ売れるだろうと直感でしそジュース原液を購入。かなやキッチンのドリンクメニューがめっちゃ目立ってたので、そこに書かせてもらえてたらもうちょっといってたかも!と思います。でも予想通り。

・トロピカルバナナッツ
おすすめ聞かれた時に推しました。あとから改めて食べてみて、生地感がムギュっとしてましたが、あれはあれで美味しいという声もいただいたので、ありがたいありがたい。あやぴが救世主で来てくれなかったら立てられなかったであろう売上です。ありがとう!

・にんにく
スーパーより安く売ってたから買ってくれた人が多かった模様。余った玉ねぎとにんにくは大窪さんに納めました!翌々日にはたくさんあったのにほとんど使ったよ!美味しかったよ!と声をいただきました。ナクー

反省と課題

・うまく作れる個数に限定して販売すればよかった。お菓子作りをする人の普通の感覚がなかったので、生地感を見てなんか違うなーと、ならなかったのが最大のNGポイントでした。次回以降は少しずつ限定販売をするのが◎だろうな

・告知が甘かった。声かけた知り合いがだいたい来てくれてました。もっと告知できる先が他にもあったので、そこは最大限しておくべきでした!というか、ここがすべてだったように思います。

・ディスプレイに時間をかけなかった。配置したのは最低限のメニューだけだったので、もっとアピールするための看板やのぼりがあればもう少し集客できていたかと思います。

・需給バランスがよくなかった。ランチ需要を見込んだ商材を1つでも準備できていれば、もう少し売上が上がってたと思われます。ただ、今回は売上が目的ではなかったので、改善点としてはおまけって感じです。

これから私、こんなことしますよ。

私はここ数年間、いろいろなことを経験させていただきました。
そして、たくさんの人にもみくちゃされながら気付いたのは、私に求められているのは「見えない未来を追う姿」だと感じました。

周りの方と共感できる部分で「こんなふうになったらいいのに!」をどう体現していくか、考えてやってみるだけの1年はあっという間に過ぎ去って、

今は農業支援を軸に、自分も畑を触りながらいろいろな活動をさせていただいています。

ツナグで進行中の企画

・米の有機転換支援
お米をされている農家で、慣行栽培から有機に切り替えたい方向けの支援。土づくりや資材の相談・販売から、販路相談、実際の除草作業請負までが可能です。収量減少や地域の目が気になる方、小さい面積からちょっとだけやってみるのがポイントです。
・商品企画・開発・販売
現在は松任の梨農家小針さんの元へ作業員の派遣および物納いただいた作物で6次産業化支援までを行っています。その他、黒にんにくの企画中。米粉マフィンの受注販売(準備中)
・地域イベント
丸いも娯楽会と共催で、加賀丸いも変わり種レシピ試食会を企画中。※今期は娯楽会会員のみ
・耕作放棄地の利活用支援
市民農園(みんなの畑の会スタイル)としての利活用の方法をご提案したり、新規就農希望者とマッチングをしたり、ニーズに合わせた活用を一緒に考えます。
・ECサイト
整備ができていないですが、これから商品を入れ込んでいきます。ラインナップは・・・また告知するのでお楽しみにっ。

他にもまだありそうですが、パッと出てこない。こんな方向に向かって進んでいけたらいいなというのが明確になってきて、一つ一つ確かめることができました。

新しいことするの、私も怖いので、小さくやって確認しては、次のステップに行くタイプ。
やっとツナグの活動そのものの小さくやって確認が終了しました。

時間もお金も有限で、すべてをオリャーってやるのは無理なので、どこかに注力しないといけません。イベント出店でもよく分かりましたし、常時人を集める際にも感じているのが「発信力」の重要性。

協力者がいればいるほど強くなると改めて確信しました。これからは上記の活動の参画者、応援者、お客様を増やすために、自分自身が発信力を改めて強化していかないといけないなと感じています。

これからはいろんな活動をしながら、どうやってたくさんの方に活動の内容等をお届けできるのか、考えて実行していくことになりそうです。

協力者にSpecial Thanks💖(あいうえお順)

・あやぴ
看護師からフリーに転身して毎日子育てしながら頑張ってる同期。極める力を見習いたい。

・大窪さん
キッチンカーやってみたい!と言ったら、二つ返事で間借りさせてもらえることに。これからも何か一緒にやりましょうとお声かけいただいててワクワク止まらんです・・・。

・小泉さん
ツナグの初期メンバーで、私がビリオン珈琲で話を聞いてもらったところから活動の協力をしてくれてる方。今回は仕込みや準備、仕込み失敗したときのメンタルケアをしてくれました。

・Nさん
普段機械関連でお世話になっていて、同じような未来を作りたいです!と会社勤めをしながら陰で支えてくださっている方。今回の米粉やぶどうジュース、材料など一部をご提供くださいました。

・まさきさん
旅行会社にお勤めで現在育休中。小さい子を抱えながら、米粉マフィンの研究をしてくれました。丸いも企画も一緒に進行中。食に対する姿勢がとてもアツい。

・まな
家庭菜園時代から応援してくれててできることならなんでもやるよスタイルで今回はメニューの作成や印刷などをやってくれました。段取りバタバタやったのにありがとう・・・。もうちょっとでママ💖出産頑張れ~~

他にも、イベント前の練習品を試食してくれたお友だち、来てくれたお客さん、家族の協力等、身近な方々なくしてはできませんでした。こうやって、周りの方々がいてくれたおかげで、マフィンを一度も作ったことがなくたって、マフィン屋さんをすることができたのです。皆さん、ありがとうございました。

今回は家庭とのバランスがやや崩れてしまった感があるので、そのへんもなんとか調整しつつ、これから楽しくやっていけたらなと思います(`・ω・´)おしまい

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