ゲームシナリオとライトノベルの文章の違いについて
僕はいわゆる美少女ゲーム、ソーシャルゲームとライトノベルを書いている職業作家だ。
ゲームとラノベは割とお客さん的にも被っていて、業界的にも近い。
僕もそうだが、ゲームとラノベ両方やってますという作家さんは全然めずらしくない。どっちを先に初めたくらいの差だ。
だが、ゲームシナリオとラノベの文章は僕の中では全然別ものだ。
両方やっている人が多いせいで、似たようなものと考えている方もたまにいるが、僕の中では「まるで」違う。
そもそも小説は見開き、縦書きで、表紙と挿絵以外はすべて文章で情報を提示する。一方、ゲームは(ノベルゲーをのぞいて)テキストウインドウの枠内に収められた文章をイラスト、効果音、曲(台詞なら音声付きだ)と同時に提示する。
その提示の仕方の違いを考慮した文章が必要となる。プロなら当然そのことを意識して「小説文体」と「ゲーム文体」を切り替えて執筆しているのだ。
この二つの文体の違いについてはここでは多くは語らない。その違いをどう捉えるかも著者の大切な個性だと僕は考えているからだ。あえてひとつだけ言うなら、「リズムコントロール」だと僕は思っている。
たまにテンポがいい文章ということを言われる方もいるが、テンポは「速い」か「遅い」かで「いい」「悪い」はない。「いい」「悪い」があるのは「リズム」の方だ。
あんまりこういう事は僕はリアルでは言わない。言うと「文章オタ」みたいに思われるだけなので、こういう話題になっても、(ごく親しい知人、友人をのぞいて)ただ微笑してるだけだ。
もし将来、ゲームや小説を書いてみたいと思ってる方がいたら、こんなことを言っているヤツもいたなくらいに頭の隅にとどめてもらえれば嬉しいと思う。
あと、「リズム」以外に「キレの良し悪し」とかもあるが、それはまた機会があったらお話しする。
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