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2023春アニメスタートで思ったこと

4月に入り春クールの新作TVアニメの放送が始まりました。
アニメイトタイムズによると再放送や配信を含めて73本の作品がリストアップされています。

今季は再放送もやや多く、また1月クール放送での放送中断の影響で1話からリスタートする番組もあり、未だ年末年始の混乱が影響しているようにも見えます。再放送に関しては続編の放送や劇場版が制作される場合のプロモーションの場合もあるのですが、それでもいつもより多い感じがします。またリスタートする作品も夏期からの放送になったものもあります。
とはいえ新作として放送される番組は相変わらずの多さです。自分自身、1月期は50本ほど視聴していましたが、これは今の自分の可処分時間でどれだけ見られるかという実験も兼ねていましたので仕事でなければこのあたりが限界。今季は少し減らすことにしようと思いますが、とりあえず1話は全部見ようと思います。

相変わらず表面的には活況に見えるアニメ業界ですが最近気になったニュースとしてはDMMがアニメ制作に乗り出すという報道がありました。

DMMは最近ではDMM picturesの設立などアニメの配信で存在感を増してきたところですが「製作」だけではなく直接の「制作」に参入して来たのは驚きです。代表取締役社長CEOはプロダクションI.G出身の黒木氏が就任ということですが、設立に関してはI.Gからもコメントが寄せられています。他にも昨年になりますが、東宝によるTOHO animation STUDIOの子会社化やANIPLEX、CloverWorks、WITスタジオ、集英社が共同でJOENを新設したりといった大きな資本の新規スタジオ設立が続いています。

他にも資本提携や共同で新スタジオ設立の話もあり、供給過多に拍車がかかりそうな話ばかりですが、ここのところ上り調子のアニメ産業の売上上昇トレンドや昨今のアニメ映画の活況からすればビジネス的にはこういう動きになるのでしょう。しらんけど。
スタジオが増えても実際に現場を動かす人材が増えたわけではないので、1作品に数百人単位の人員が必要な労働集約的業界で一体どうやって人を集めるつもりなのか、私、気になります。
フリーランスがほとんどの業界ではありますが人材確保のために最近は社員化を進めたり作業単価の上昇といった状況の変化は出てきているようです。資本の論理ではありますが、このままだと資本力の差が人材が足りない業界の状況に拍車をかけそうにも思えます。足りない分は当然海外への依存度の上昇に繋がり、今回のような制作スケジュールの遅延リスクは増大しそうですし、事はそう簡単な話ではないでしょう。
また一般に資金があるとそれだけリスク回避の傾向が強まって尖った作品が減りそうな気もしますね。これは偏見ですが。

3年ぶりに開催された見本市AnimeJapanも活況のようでしたが、イベント然とした華やかな催しに対して、もっと現場のスタッフにもスポットを当てた運営や業界のイベントはできないのかという論議がツイッター上で行われるということもありました。

AnimeJapanのような見本市では売る事が至上命題ではありますが、産業としての持続性を考えれば今後を担う人材の獲得や育成は重要なはずで、単なる見本市とは違ったアニメーション制作の魅力も伝わる新しい催しはあってしかるべきでしょう。もっとファンダムとビジネスがうまく噛み合った形のイベントができることが理想なのですが果たして。

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