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フードバンクって何?

● フードバンクって何?

 フードバンクとは直訳すると「食料銀行」を意味します。その名前の通り、本来安全に食べられるのに包装の破損、過剰在庫そして印字ミス等の理由で流通することが出来ない食品(食品ロス)を企業や個人より寄贈頂き、それを銀行のように一時保管した上で、それらを必要としている施設、団体、困窮世帯に無償で提供(再分配)する活動です。
 日本でも2000年以降、「食品ロス」「貧困世帯」「シェア経済」等の単語が世間で注目されるのをきっかけにフードバンク活動を行う団体が徐々に全国へ広がっています。先ずはセカンドハーベストジャパンが東京で初めてのフードバンクとして活動を2000年より始め、その後に北は北海道から南は沖縄まで105の団体が現在では活動を行っています。

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消費者庁消費者教育推進課 「食品ロス削減関係参考資料(令和元年11月29日版)」

● フードバンクで扱う食料品はどんなもの?

 フードバンクでは通称「食品ロス」と呼ばれる食料品を取り扱っており、これは本来食べることが出来るのに廃棄されてしまっている食品のことを指します。
 日本はOECD加盟国の中でも最低レベルの食料自給率(37%)にもかかわらず、年間2,759万トンの食品廃棄物が出されており、その内食べられるのに廃棄される食品は643万トンに及びます。これは世界の食料援助量(2019年時点で年間約420万トン)の1.5倍に相当します。また、国民一人あたりに換算すると「お茶碗一杯分(約132g)の食べ物」が毎日捨てられていることになります。
 フードバンクでは少しでも「食品ロス」を減らすために廃棄前の食料品を集めて再分配しています。

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消費者庁消費者教育推進課 「食品ロス削減関係参考資料(令和元年11月29日版)」

● フードバンクへ寄贈するメリットはあるの?

 フードバンクへの寄贈には、
1.廃棄コストの削減
2.従業員の士気高揚
3.社会貢献活動の実施
4.フリーマーケティング
 の合計4つのメリットがあります。

1.廃棄コストの削減
 
企業では製品や食品を生産する時と同様に廃棄するために費用が発生します。製品や食品にもよりますが、廃棄コストはキロ単位で100円以上かかる上、分別の手間や輸送費などの諸経費もかかり、非常に無駄な経費を生む原因となっています。そのため、廃棄予定の製品や食品をフードバンクに寄贈することで廃棄コストの発生を未然に抑えることが可能です。

2.従業員の士気高揚
 
本来、消費者へ喜んでもらうために生産した製品や食品が日の光を浴びることなく廃棄されることは生産者にとって非常に心苦しいものです。これを無駄に廃棄する訳ではなく、社会に役立たせるために寄付することは会社に対する誇りを持つことに繋がります。

3.社会貢献活動の実施
 
企業は社会的責任(CSR)を果たす社会貢献活動の一環と見なすことができます。SDGsの考え方を理解して、きちんと社会的責任(CSR)を全うしている企業としてアピールすることが可能となります。

4.フリーマーケティング
 
フードバンクを通じて自社製品が配られることで、潜在的な顧客の掘り起こしが可能となります。

● フードバンクへはどのような食料品を寄贈すれば良い?

 各フードバンクで冷凍庫の有り無し、保管場所の大きさ等の理由により取り扱っている食料品は異なります。しかし、一般的に以下の食料品を必要とされているケースが多いです。

■寄贈希望食品一覧

  • 缶詰

  • フリーズドライ食品

  • インスタント、レトルト食品

  • ギフトパック(お歳暮、お中元、株主優待品等の贈答品)

  • 飲料(ジュース、コーヒー、紅茶等)

  • お米、パン、パスタ

 詳細は各フードバンクのHPやSNSを参照ください。

● フードバンクへはどうやって寄贈するの?

 日本各地にフードバンクがあり、その各フードバンクで寄贈品の受取方法が異なります。農林水産省が全国のフードバンク一覧を公表していますので、お近くのフードバンクへご連絡頂き、寄贈方法を直接ご確認下さい。フードバンク一覧は以下を参照ください。
フードバンクの紹介 / 農林水産省

● 最後に

 誰も明日何が起きるかなんて想像することはできないです。預金ゼロ円なのに何かの拍子で会社が潰れて明日からの生活に困るということもあり得ると思います。中には突然病気になって働くこともできず、生活保護の申請が下りるまで食料品さえ買うお金がない状態に陥ることも想像できます。そのようなときのセーフティーネットとしてフードバンクはなくてはならない存在です。私はデパートやスーパーと同じ感覚でみんながフードバンクのことを知って、何か困ったことがあったときに利用する場所としてなくてはならない存在に今後5,10年でなってほしいと願っています。誰もが有限な資源である食料を無駄に廃棄するようなことなく、同時にこの世に生を受けた誰もが食にありつけないという事態にならないで欲しいと願い、フードバンクが世界中に広まって欲しいと心から思っています。



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