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2023年富士ヒル初参加 ボロボロ雑記(32)

◆あっちもこっちも攣(つ)りまくり

(1)二度あることは三度ある

三合目を過ぎたところで、
2度目の小休止をし、
コムレケアゼリーも口にして、
予防的休憩を終えた。

前回にも増して、
後方に注意して、再再スタートする。

ここまでくると、
目標は完全に下がり、
「なんとか完走して、無事下山してくる」
と明確になった。
なんとか完走はしたい!

2023年 富士ヒルクライムコース
全体図より引用(7)

先ほど、予防的休息をとってから、
わずか約2.0~2.5kmほど進んだところだろうか、
トータル16~17km地点あたりで、またきた

あれから、あまり無理はしていないはず。
なのに、なんでやねん。

もーいや!
かんべんして~!
今度は太ももの上側と内側がヤバイ。


標高が上がってきて、気温が下がってきたからだろうか。
下半身に冷えの影響が特に出たのか、
疲労の蓄積が原因か、
とにかく、踏むに踏めないような状況になってきた。

足元も寒い。
自転車用のシューズは通気性が良いからなー。

ん?

・・・。

んーーー!

ここへきて、そういえば、
シューズカバーをつけていないことに気付いた。

富士急ハイランドバス停前の、コインロッカーへ
計測チップ(タグ)を取りに戻った時に、
「忘れ物はもうないよな!?」
と確認した気がしたが、
モロクソありましたー!(涙)
足先が寒いよ~!

もうダメザンス

「もうアカン!
 限界だ。
 また一旦止まろう。。。」

いままで自分も走行してきて、
途中の道端で止まっている人を、
あまり見かけてこなかった気がする。

そんな余裕が無くて、覚えていないだけだろうか。
うーむ。
流石、完走率98%だか、99%だかと言われるだけはある。
もしや、パンクメカトラブルを除いたら、
私みたいに足を何度も止めて、
小休止している人も、実は一握りだったりするのかも知れない。

富士ヒルの申し込み規約にも

心疾患・疾病等なく、健康に留意し、十分なトレーニングをして大会に臨むこと。
傷病、事故、紛失等に対し、自己の責任において大会に参加してください。

第19回 Mt.富士ヒルクライム 開催要項より 一部抜粋

とある。
みんながみんな、とまでは言わないまでも、
皆さんそれなりにトレーニングして、
富士ヒルに挑んでいるのだ。

実に面目ない。
とにかく、走行中に身体が動かなくなるのだけはダメだ。
それだけは、絶対に避けなければならない。
他の参加者さんを巻きこむようなことだけは。


(2)またもや止まれそうな場所がない

両太ももが明らかにおかしい。
ピキンピキンなっている気がする。

勇気をもってまた、足をついて休もうと考えだしたが、
そういう時に限って、左側は石垣だったりする。

トイレに行きたい時に限って、トイレが見つからなかったり、
個室が空いていなかったりする、アレと通ずるものがあるよね。

・・・。

あるか?(お前が言ったんだろ)

Google ストリートビューより。
左側は石垣クン

少し前から左側は石垣が続いていた。
最悪、止まれなくはないが、
後続の参加者さん達の、
やや邪魔になってしまいそうな気がしてここは避けたかった。

Google ストリートビューより。
石垣終わったら、お次はガードレール

石垣ゾーンが終わったと思ったら、
今度はガードレール。
ここもなんとなく路肩は狭い。
ダメそうだな、、、。

Google ストリートビューより。
ガードレールが途切れた

ガードレールが途切れた!
もう限界。
ここで一旦自転車を降りよう!

今こうして、画像で確認すると、
単にガードレールが途切れたというだけで、
左側は岩だか、石垣だか、だし、
路肩の幅もたいして変わらないし、
追い詰められた人間の心理・錯覚とは、恐ろしいものである。

本当これ、前にも言ったけど

野○ソする場所を探しているのと変わらないよね。

・・・。

そうか?(お前が言ったんだろ)


そんなこんなで、
自分が撮影した写真が残っていないので、
記憶に頼っているところがあるが、
私が3度目の休憩をしたのは、たしかこの地点だったように思う。

ガードレールが途切れてから、
後方確認しつつハンドサインを出し
数メートルだけ進んだところで、左に寄って止まった。


(3)ハンドサイン

こんな自分が言うのもなんだが、

誰しもが簡単には予想し得ない行動をとる

こういう時のハンドサインというのは、
ひときわ重要だと思う。
馬鹿らしいと思うかも知れないが、

「すんません、あり得ないプレイですが、
 ワタクシ、ここで止まります。。。」

の意思表示は、やった方が良いと思う。
何もしないと、周りの人は、

「え!?ウソ!
 ここで止まるの!?」

と驚くと共に、

「おいおい、兄ちゃん!
 いきなりはヤメテヨ!」

って思うことがあるハズ。

同じように、
ヒルクライム中のダンシング前には、
両肘を前後にパタパタするアクションをして、

「これからダンシングするので、よろしく哀愁」

と、
意志を伝えるのがマナーだと、
富士ヒルの前に話題になってたのを、
リアルタイム検索かなんかで見た気がする。


(4)暖かい声援に感無量

自転車を降りて、ひとまず両太ももをさすってみる。
触ってみるとメチャ冷たい
冷えによる影響もありそうだ。

とにかく、筋肉のこわばりを一時的にでも解消せねば。
マッサージしたりさすったり、を繰り返す。
そうこうしていると、
今度はふくらはぎが攣(つ)り出した。

皆さんも心当たりがないだろうか?
運動中はなんともなかったのに、
運動をストップした途端に、あっちもこっちも攣(つ)りだしたり。
攣っているところを伸ばしていたら、
今度は逆側が攣り出して、エンドレスモードになったり。

ふくらはぎを伸ばしたり、マッサージしたり
トントンしたり、とにかく
なんとかしようとしていたら、
今度は逆側の太ももが攣(つ)り出したり。

仕方なく、痛みの中、
2つ目までは飲むことはないと思っていた
「コムレケアゼリー」
を、藁にもすがる思いでまた口にした。

悶絶。
なかなか回復しない。
しんどい。

傍から見ても、
明らかに足がつって、しんどい最中なんだな
ということがアリアリとわかったと思う。

うわーん!
なかなかな長丁場になってきた。
伸ばしたりさすったりしまくっていると、

「がんばれ~!」

後続から登ってこられた
他の参加者さんが、
こんなところで足をついている私に声援をくれたのだ。


声援をくれたのは、お一人だけではなかった。

「ファイトー!!」

ありがたい。
通りすがりのたった一言
たった一言なんだ。

でも、とってもとってもありがたかった。
嬉しかった。
感謝しかなかった。


距離にして約16~17km地点
もう終盤戦に入っている。
他の参加者さんも、それなりにしんどくなってきているところだろう。

自分だってさほど余裕はないかも知れない。
そんな中、しんどそうに見える私に声掛けしてくれる。

この時、

「ああ、富士ヒルに参加しているみんなは、
 同じ方向を向いて進む、同志なんだ。
 同じ五合目を目指して登る、仲間なんだな。」

と、強く実感した。

その場で知らない参加者同士、
即席のトレインを組んで協力しながら進むことで、
それを実感することもあるだろう。

残念ながら、私はそちらの方では体験できなかったが、
失意の中で、また別の有難い体験を得ることが出来た。

このことは
特に、初参加だった私の心に深く刻まれた出来事であった。

「ありがとうございます!」

そう応えることが、
その時の私に出来る精一杯だったが、
あたたかい声援に、確実に力をもらい、

絶対に完走しよう!

と、気持ちをあらたにしつつ、
なおも身体をマッサージし続けるのだった。

ーーー続くーーー


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