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個人勢Vtuberのオリジナル曲制作クラウドファンディングが1カ月で529%達成した話

サラーム!みなさんこんばんは。初めましての方は初めまして。
YouTubeで活動しているバーチャル語り手、千夜イチヤです。

夜明けが似合うアラビアンでミステリアスクールビューティな語り手です

私は2020年4月にデビューした、主に配信で現代社会の疲れた夜を笑いと癒しで包み込む「雑談」「ゲーム実況」「バラエティ企画・番組」「ASMR」をお届けしているVtuberです。

2分で大体「こんなヤツか~」とわかる動画リストです。ご笑納ください。



実はそんな私が7月中にとある挑戦をしていました。

それは何かと言いますと「1stオリジナル曲制作クラウドファンディング」です。

初めてのクラウドファンディングがここまで成功できました!

追記:2022年10月18日に完成した楽曲が公開されました!

実はVtuber活動を2年も続けている中で、企業案件も複数受けたり雑誌にも掲載されたり地上波にも登場したり、某企業V様の企画に参加したりコラボさせていただいたりなど様々な経験をしておきながら…。
オリジナル楽曲というものを作ったことがございませんでした。

「折角作るなら何か面白いことがしたい」という気持ちから、このCFではただのオリジナル楽曲の制作費を募るだけのものではないように工夫いたしました。

一番の特色は「支援をすると私のオリジナル楽曲に自分の"合いの手"を入れることができる」というものです。
制作楽曲が「音頭」のため、その音頭の中の「合いの手」を視聴者のみなさんに収録していただき、それらを楽曲に含めるという「リターン」を用意いたしました。

「応援しているVtuberのオリジナル楽曲に自分の声が入るの!?」とびっくりされた方や、「こんなCFは初めてだ!」と楽しんで参加してくださる方も多かったように思います。
結果として合いの手に参加してくださる支援者さんは「91名」にもなり、一介のオリジナル楽曲制作というCFが529%まで達成できたというのは、ここの要因が大きいのではと考えています。


この記事ではタイトルの通り、そのCFで529%達成した流れについて記録を残したいと思います。Vtuberの方や今後CFをしようとしている方の参考になりましたら幸いです。



CFの結果・分析

まずは、本プロジェクトの結果について記載していきます。

目標額:300,000円
支援総額:1,588,818円(529%達成)
支援者数:229名(重複を除くと170名)


CF開始・終了時点の千夜イチヤの状況

土台となるファンの方々がいてのこの達成率だと思っているため、プロジェクト開始・終了時点での千夜イチヤのYouTubeの登録者やTwitterのフォロワー数について記載します。

【プロジェクト開始時点】
 YouTube…9,543人
 Twitter…12,803人

【プロジェクト終了時点】
 YouTube…10,265人(722人↑)
 Twitter…13,188人(385人↑)

配信時の平均同接は40~60人あたり。(配信内容にもよります)
1配信の平均再生数も300~500と、数字だけで見るとかなり少なめです。

とはいえ、どういった配信ジャンルでも平均して上記の通りなので、固定ファンと言われる視聴者がかなりついている状態でした。
また、この視聴者の多くが「祭りごとが大好き」なので、私がやる企画や参加した企業案件でもかなり盛り上げてくれます。
遠目に見てると「何だあれ」とちょっと気になるレベルで行儀よく騒いでくれるのです。

今回もCFが始まった途端「待ってました!」とばかりに財布のヒモを緩めて賑やかし、拡散してくれたこともCF成功の大きな一因だと思っています。
こういった視聴者のみなさんに囲まれて活動が出来る環境にあること、本当にありがたく思っています。


支援額の推移

各種支払いごとの総支援額

こちらが1カ月間の支援額の推移です。達成率ごとに並べると、

  • 100%…開始30分に達成

  • 200%…開始22時間に達成

  • 300%…10日目に達成

  • 400%…28日目に達成

  • 500%…最終日(31日目)に達成

といった時系列になっています。

支援の波が大きかったのは「開始日付近」「最初の土日祝日」「最終日付近」のように感じています。
平日の間や中間地点付近はほとんど支援がなく、配信などで多く人が来てくれるタイミングで宣伝することが一番の効果があったかと思います。


日別のPV推移

本プロジェクトのページのアクセス数
どのサイトからやってきたか?

アクセス数と支援額の波の大きさはほぼ連動しているように見えます。
また、直接アクセスが多いのは配信から来ている人が多いということかと思います。

サイト内訪問がそこそこ多いのが面白いですね。
支援が短時間で増えたタイミングではCAMPFIREさんのページの中で「人気上昇中のプロジェクト」の上位に掲載されておりましたので、そこから見てくださった方や、これからCFを始めようとした方が参考にしてくださったのかなと思っています。


支援者の割合

男女別支援者の割合
年代別支援者数

支援者の割合については、YouTubeのアナリティクスで見ている視聴者層とほぼ同じだったのでそこまで大きな驚きはありませんでした。
逆にほぼ一緒過ぎてびっくりしたかも…。

YouTubeの視聴者層

自分のお金が使える世代からの支援が一番多かったのも想定通りでした。
プランも500円から用意していたからか、10代からの支援も僅かながらに受けられたのかなと思います。ただ未成年の方はよりお金をマジで大事に使ってほしいので、支援者が控えめだったことについてホッとしたことも事実です。


各種プランごとの支援者数

各種プランごとのプラン額と支援数

かなりプランを細かく刻みましたが、その理由については後述します。

基本的に「全部盛り」以外は個数限定なしでどなたも支援ができる状態でしたが、一番多かったのは最安プランである「お手軽応援プラン」でした。
実はこの結果に一番安堵しています。

その理由は、CF初日に「限定20人まで」の「全部盛り」が15人に支援されての100%到達だったからです。

個人的には「高額支援者がたくさん増える」ことは勿論飛び上がるほど嬉しかったのですが、「『500円ぐらいだったらちょっと応援してやるか』という人にたくさん来てほしい」「合いの手の人数がたくさん増えて楽しい曲にしたい」という思惑の方が強かったので、安めのプランからの支援者が増えたらいいなと思っておりました。

とはいえ、CF初日というのは以前よりCFの開催を今か今かと待ちわびて財布を持っていた視聴者の皆さんだったので、こうなるのは必然だったのですね。
本当の勝負はここからだ…!というのが2日目以降の心境でしたが、実際に最安プランの支援者が急激に増えたのはラスト1週間でした。

「支援しようかどうしようかな」という迷いがある人は後半やラストスパートにえいや!と支援をしてくださる印象です。焦らず待ちつつ「もうすぐ終わるよ!!」と粘り強く宣伝していくことが大事かなと思いました。

また、ラスト3日間で急遽追加した「おかわりリターン」もだいぶ支援者が増えた要因でした。
既存プランを高額で複数買うよりもお求めやすい金額にしたというのもありますが、「このリターンだけがピンポイントで欲しかったんだ」という方が結構多かったようで、本来他プランとの併用を想定していたおかわりプランを単独で支援する方も多かったです。


支援額の平均値・中央値、そして…

左が平均値、右が中央値

支援額の平均は1人あたり「12,269円」でした。
また、中央値は「2,000円」でした。

1人あたりの支援額の平均はCAMPFIREさんが公開してくれているデータである「10,000円」という額から大きく外れてはいないので、大体ここぐらいの値になるのはどのプロジェクトも共通のようです。
一方で中央値が多種多様なプランがある中で「2,000円」となっていることは、幅広い人たちが支援してくれた結果だなぁととても嬉しくなりました。

ちなみに7/19に行った中間報告配信ではこのような結果になっておりました。

7/19時点の平均値と中央値
7/19時点の支援最高額…

そして、気になる最終的な支援最高額ですが…

🥇100,500円
🥈54,000円
🥉50,000円

でございました。
よもや1位更新してくる人がいると思わず、ひぇっとなりました…。本当に本当にありがとうございます…!


支援者のメンバーシップ加入割合

個人的に気になっていたのはこの割合です。
「日頃から千夜イチヤに課金してくれている人が各プランの中でどれだけいるのか?」を計測しました。

各支援プランごとのメンバー数の割合
50%以上を緑色、80%以上を赤色で表示

現在私のメンバーシップ加入者は300名程度です。(なんと190円から入れます!
そしてこの表はID、名前から推察できるものについてのみで計測していますので、実際の数とは多少ズレがあるとは思います。

高額プランはやはりメンバーの割合が多いですね。日頃から応援してくださっている視聴者のみなさんが財布の紐をゆるめていることがよくわかります。

面白かったのは「こっそり」プラン系のほとんどは、メンバーシップ未加入の多くの方が支援してくださっているということです。
「こっそり」とついているプランは表に自分の名前が出るのが恥ずかしい方向けに「MVに名前を掲載しない」「合いの手に参加しない」などの条件で他のリターンが安めに手に入るプランです。
ですので、所謂「推しに認知されると死んでしまうオタク」向けのプランだったのですが、普段ROM勢、アーカイブ勢なのか見た覚えのないお名前の方が大変多くて本当にびっくりいたしました。
この機会に少しでも支援しよう!と思ってくださった方が多かったということなのでしょうか。そういった方々からの支援を受けやすいプランとして設定できた結果がこうして見えて良かったなと思います。

また、「お手軽合いの手プラン」は合いの手参加ができる最安プラン(1,000円)なのですが、こちらもメンバーの割合よりもメンバー未加入の方の割合が多いので、本当に幅広い方にご支援いただけたのだなと思います。



CF実施前にしたこと

以下の内容はCFを実施する前にやったことです。

  • クリエイターさまがたとのスケジュール調整

  • 各種説明用の画像・テキストの準備

上記に着手した中で大事なことを記載していきます。


リターンとプラン、価格の決定

先述した通り、プランについてはかなり多くのパターンを用意しておりました。大きく分けて以下の2種類です。

💜「推しと一緒に盛り上がりたい」
 …MVにお名前が掲載される、合いの手が入る、グッズ入手などのスタンダードプラン

💛「推しに認知されたくないけど応援はしたい」
 …MVにお名前掲載や合いの手を入れるプランがない代わりにグッズが安めに入手できるプラン

これらのパターンを用意したのには理由があります。

CFで目標金額を集めるには「支援してくれそうな人数」と「その方々がいくらまで払ってくれそうか」ということを考える必要がありました。

今回の場合、目標金額30万円を集めるには「1万円を支払ってくれる人なら30人」「1,000円を支払ってくれる人なら300人」「500円を支払ってくれる人なら600人」もの支援者が必要になるということです。
この人数を見て「チャンネル登録者が約1万人」「Twitterのフォロワーが1.3万人」と比較して見ると、一見はそこまで難しくなさそうに見えるかもしれません。

しかしここで大事なのは「千夜イチヤに普段課金をしている人がどれくらいいるのか」です。
私はその指標に「メンバーシップ数」や「スパチャなど投げ銭機能を使用している人や金額」を用いました。

チャンネル全体の登録者から見て、メンバーシップの加入者は3%。
そして、私のメンバーシップは190円から加入ができますが、基本的にリターンは一緒の上位プランもございます。
最安プランの500円以上の値段である上位プラン加入者の割合は約3割で、その3割の数字ですら100人に到達しないのです。


「今の千夜イチヤに1か月で500円以上課金をしてくれている人は約100人」


これがプランを組み立てるベースの考えとなり、そこから目安として以下のように設定しました。

  • 3,000円以上のプランを用意
    →普段千夜イチヤを応援してくれている人が喜びそうなリターンを設定
     ※1か月で500円以上課金してくれる人からの目安

  • 最上位プランは数量を限定する
    →メンバーシップ加入者の中でも熱心なファンを対象に設定
     普段メンバー限定配信をリアルタイムで見てくれる人数の平均から算出

そして、この数字はあくまで「普段目に見えやすい数字」からの算出です。所謂千夜イチヤの視聴者のヘビー層から考慮したものです。
「毎回配信に来て熱心に応援しているわけじゃないけど記念やイベントごとは応援したい」というライト層が入りやすい入り口を用意する必要がありますので、以下を設定しました。

  • 最安500円のプランを用意
    →千夜イチヤを応援したての人が支援しやすいようにする設定

  • 合いの手最安プランを1,000円で用意
    →同様に千夜イチヤを応援したての人でも参加しやすい価格で設定

そして更に、普段の私の活動は「リアルタイムで見れなくても楽しめる配信づくり」を意識しております。
そのため、先述したようなROM勢やアーカイブ勢も多くいることをYouTubeアナリティクスからも認知しておりました。
そこから、そういった方々が支援しやすいプランを作ることは応援していただける入口を広げるためにも必須だと考えましたので、加えて以下を設定をしました。

  • MVなど表に名前を出さない代わりに他プランより安めにリターンが手に入る特別プランを用意
    →名前が掲載されたくない、こっそり応援したい視聴者向けに設定

これらの考えを穴埋めして原価割れが置きすぎないように各プラン、リターンを設定していきました。

ただ、今回のCFの最終的な目標は、プロジェクトの達成することは勿論でしたが、「たくさんの合いの手を集めたい」「より多くの人が参加しやすいイベントにする」ということが主目的でしたので、より多くの人が参加しやすい上記のような対応をいたしました。

上記の目的から「薄利多売」の形式にしたかったので、原価が低いリターンを金額の低いプランに集めております。
そのため、原価が高いリターンのプランが多く支援されると原価割れを引き起こす可能性も多かったのですが、皆様の支援のおかげで無事に原価割れは起こさずに済みました!本当にありがとうございました。


メンバーシップ加入者への課金タイミング周知

次に行ったのはメンバーシップ加入者へのCF実施予定についての事前告知でした。
先述した通り、本プロジェクトに支援してくれそうな目安のメンバーシップ加入者にはあらかじめプロジェクトについて説明しておくことが成功のカギだと考えたからです。

6月中頃には上記で設定したリターンや開催時期についての告知なども行っておりましたが、実はそれ以前にも本プロジェクトについての情報は逐次共有しており、2021年の末頃には既にどういった内容のCFをやっていくかについては共有をしておりました。

開催時期や金額について早めに共有をしておくことは大事だと考えております。その理由は以前もnoteの別記事にも記載しております。

ただ、このスパチャで思うことは「払ってもらう時期をある程度予測する必要がある」と思っています。
理由は簡単で、個人のお財布には限度があるからです。
個人勢だけを推しているというリスナーさんもいないわけではないんでしょうが、恐らく少ないと思っていて。 仮にそうだとしても他の個人勢Vtuberさんを推していることもあり得ます。

Vtuber活動の収支報告をしたら思いのほか反響があった話。

視聴者が月ごとに使用できる金額を考慮し毎月その金額以上の課金イベントは用意しないことでストレスを減らすということは、活動の中で念頭に置いている考えです。
時には配信でスーパーチャットを投げられすぎていると思ったら配信中でも受け取り機能を無効にすることもあります。(視聴者には「お金を投げさせろ!」と文句を言われますが)
そのため、CF以外にも企業案件や期間限定のグッズ販売などは月ごとの総額を見て行い、なるべく2~3ヶ月前には告知を行うようにしております。

また、以前Twitterでも聞いてみたアンケートからも、1か月に使用できる金額がどれくらいかを推測することができました。

プランの最上位額は視聴者層に合わせて設定する上で、上記は参考にさせていただきました。



やって効果があったと実感したこと


ゴールを少し高めの目標にすること

CFの実施前にストレッチゴールを入れるかどうかについては非常に迷っておりました。
詳細は後述しますが、正直達成するかどうかというところは私にとっても未知数だったのです。

とはいえ、達成後は早めにストレッチゴールを設定しなくてはと思いました。多くの方に支援していただくにあたって、より上を求めるゴールがなければ「もう達成してるし別にいいか」となる場合が多くなって、より人を集めることは難しいと思っていたからです。

先述の通り、みなさんのおかげで300%の達成は1/3の日数で達成することができました。
順当に設定するのであれば次は「400%」であったストレッチゴールを敢えて500%に設定したのは、少し踏み出した冒険をしようと考えたからでした。

もちろん理由があります。これはメンバーシップ限定配信でCFについての説明をしていたときの出来事です。

私は先述の通り、より多くの人が参加しやすいようにひとつひとつのプランの金額を高く設定しすぎないようにしようと考えていました。
なので、恐らく他のCFに比べるとプランの金額とリターンの割合で考えると割安な部類かと思いますが、それでも良いと考えておりました。
何故なら、それで安すぎると感じた人はプランの金額に上乗せして支援してくれるだろうと考えていたのです。

案の定、メンバーのみなさんにリターンやプランの説明をした際に、「このリターンに対してプランの金額が安すぎる」というコメントが多くありました。
そこで、相場の感覚を知りたかった私は「金額を変えずにリターンの量を減らしてみたら妥当だろうか?」と問いかけました。

すると、勿論「それぐらいが普通」「そうした方がいい」という声もありましたが、「一回値段とリターンを聞いた後にこうやって減るとちょっと流石に…」という声も確かにあったのです。

これは当然の心理です。決して悪い事ではありません。

提示したラインが基本のゴールになり、それ以上のラインを踏み越えてきていただけることというのはほぼ稀なのです。私の考えはみなさんの性善説のような気質に甘えていた愚かなものだと改めて気づかされましたのでした。
熱心に応援してくれるファンですらこのように感じるのです。価格設定で市場を崩しかねない安値を設定していけない理由はここにもあると思います。

この経緯を経て、私は300%以降のストレッチゴールの設定をするか否かという判断に迫られたとき、少し挑戦的な500%を設定しました。
ここまで来たならいけるところまで挑戦してみたい、という気持ちと、みなさんの支援に必ずお応えする姿勢を私から見せなければ安心して支援していただくことすらできない、と身が引き締まる思いの表れでもあったと思います。

勿論、べらぼうに高いだけの設定であれば上手くいかなかったことでしょう。次のゴールがお祭り好きな視聴者が喜びそうな「千夜イチヤサンバ制作」でなければここまでいけなかったかもしれません。多分。
今回は本当に奇跡的に、私の考えとみなさんの支援したいという気持ちのバランスがうまく取れた結果なのだと思っております。
折角日頃から応援してくださるファンがいるのですから、その感覚のすり合わせができたことが一番大きかったと思います。


なお参考までに、いただいたブースト金額は「204,318円」でした。全体からすると割合は1割ほどです。
そのうち8割以上はメンバーシップに加入してくださっているみなさんです。


配信でこまめな宣伝・拡散を協力してもらうこと

ストレッチゴール500%までの達成には、宣伝が欠かせませんでした。
まずTwitterでの宣伝や拡散については以下のパターンで行うようにしておりました。

  • 開始前~開始直後
    →期待感を持たせるよう告知

  • 中間時期
    →ストレッチゴール達成時

  • ラスト1週間
    →カウントダウンで毎日告知

勿論こちらでも効果はあったのですが、個人的に如実に効果があったと思ったのは「配信」と「CAMPFIREのメッセージ」でした。

相当有名なVtuberとしてのクラウドファンディングでない限り、サイトからの流入で支援してくださることはほぼ稀だと思います。
特に今回のように「オリジナルソング制作」となるとVtuber自身への魅力を感じない限りは支援してもらえないものです。
そこで、Twitter以上に「配信」での宣伝というのは大きな意味がありました。

配信は主に「朝活(朝8~9時頃の配信)」で視聴者のみなさんと交流しながら宣伝させていただきました。
特に7月後半に実施した朝活からはYouTubeのオススメに表示されるようになったからか、特に土日の朝活ではより多くの視聴者にお越しいただけることになり、チャンネル登録者も1日で200人以上増えるといった状況にもなっておりました。

私の場合「金額を多く集めること」ではなく「少額でも多くの方に支援いただけること」が主目的であったため、この朝活のおかげで初見の方も含め本当に多くの方にご支援いただくことができたのは本当にありがたいことでした。

また、1週間に1回程度ですがCAMPFIREのメッセージで支援者のみなさまに御礼と拡散のお願いのメッセージを送るようにお願いしておりました。
そのおかげか、ラスト1週間はかなり多くの支援者のみなさんにTwitterなどで拡散していただくことができました。

最終日はカウントダウン配信も実施したおかげで、滑り込みで支援してくださる方を多く呼び寄せることが出来たかと思います。


おかわりリターン追加

最終日3日前に滑り込みでおかわりリターンを追加しました。
先述した以下の通りの効果が見込めたことも大きかったと思います。

既存プランを高額で複数買うよりもお求めやすい金額にしたというのもありますが、「このリターンだけがピンポイントで欲しかったんだ」という方が結構多かったようで、本来他プランとの併用を想定していたおかわりプランを単独で支援する方も多かったです。

ただ上記の通り、本来の想定とは違った支援者の方もいらしていたので、どういう方が支援してくださるのかを想定してプランを考える大事さを改めて感じました。



CFを実施した感想


この話をすると大変驚かれるのですが、これだけ色々考えていても成功するビジョンは全く見えておりませんでした。いくら数値でシミュレーションしてみても不安は拭えなかったのです。

元来私はお金をもらうということに対して少し怯えているきらいがあるかもしれません。
お金を稼ぐことが悪いこととは思っておりません。むしろ必要なことです。
私自身が語り手としてのお仕事の際にもきっちり対価をいただいておりますし、経済を循環させることの大事さは理解しているつもりです。

しかし、どうしても私自身に値段をつけることがうまくできないままでおります。これは恐らく今もまだ根強く残っている感覚です。

年に1回、Vtuber活動の中で得た収益と支出について年度ごとにまとめた「決算報告」配信を行っております。
ここでもお話している通り、私のこの活動での主な収入は「スーパーチャット」に依存しているところがあります。

一方で、この活動で生活をしている方々は収入の元はスーパーチャットに依存していないケースが多いように思います。(勿論企業か個人かにもよりますが)

本当にこの活動でもっと収益を得て安定するためには、私はもう少し貪欲になるべきですし、スーパーチャット以外の収益も増やしていかなくてはなりません。
しかし、どうしてもそこに踏み込む気力や勇気というものがないのが現状でした。

投げ銭をいただくときの私の気持ちは「大道芸人」のようなものでいると常日頃から視聴者の皆さんには伝えております。
私はみなさんを常に楽しませるための何かを見せている。そして帽子を置いている。そこにみなさんが、私のコンテンツに値段をつけてお金を投げ入れていく。そういうやり方の方が性に合っていると感じていて、それが崩れると私が活動に対してのモチベーションが下がってしまうのではと危惧しているのです。

お金がない人でもただ通りすがった人でも楽しんでもらえたらいい。
そんな気持ちで活動している一方で、私はどこか「私にお金を投げてくれる奇特な人なんてそんな多くはいないんだろう」と諦観にも似た気持ちを持っていたと思います。今でも全くないわけではありません。
それは自分のVtuberとしての活動コンセプトが、お金を投げようとするオタク層の求めるモノと乖離があると自覚していたからです。だからこそクラウドファンディングが正解するというビジョンを見出せずにおりました。

そんな諸々の気持ちが渦巻いていたので正直に言うと、クラウドファンディングというやり方をやるか否かは本当に最後の最後まで迷っておりました。
成功するかもわからない上に、成果物を先に出すのではなく先にみなさんから資金を調達するやり方はまさに私のやり方と正反対だったからです。
私なりに「みなさんが楽曲に参加できる工夫」「金額を安めに設定する」という私自身が実施するのに納得できる理由や工夫をちりばめました。しかし、それでも本当に直前まで逡巡していたのです。

その話を私は率直に視聴者のみなさんにお話ししました。すると、こんな発言が出てきました。

「イチヤさんの今までの活動を見てきたから支援するんだよ、お金を払う理由はそれでいいんじゃない?」

あぁ、確かにそうだなぁ。私の中にストンとこの言葉が落ちてきて驚くほどすんなりと納得できました。恐らく自分の中にもちゃんとその考えはあって、それを後押ししてもらえたからかもしれません。

なので、開始30分で100%達成したときはとても嬉しかったのです。
ただ、嬉しかったと同時にとても申し訳なく思ってしまったことも正直に告白します。

達成率200%まではほぼ最上位プラン(25,000円)の支援者による支援の割合がとても大きかったのです。一部のファンに負担を強いてしまった。そんな気持ちが私の中で再びぐるぐるしていきました。

でも考えてみれば、メンバーシップ加入者に事前説明もして準備をしてもらっていれば、高額支援者が集まってこの結果になるのも至極当然なんですよね。

もっと気軽に参加してくれる人が増えて欲しい。多くの人が少しずつ支援してくれるようなそんなプロジェクトにしたい。
そのための私の頑張りはここからが本番なんだと踏ん張るようにいたしました。


その結果、最終日にたどり着いた529%です。
私にとってはこの数字は実績としての数値以上に、本当に大きな意味を持っているのです。
このCFで通じて学んだこと、私が変えていかなくてはいけなくちゃいけない意識、逆にこのまま貫いていきたい私の考え、それらのバランスが再形成された貴重な経験でした。


この活動をしていると、「多くの人に見つけてもらうため」に、「人に見られやすい数字を見せるため」に、自分の心とは裏腹なことをやらねばならないことが多くあります。
特に私は「決算報告」で赤字を報告していることから、「とてもお金を欲しがっている人」というイメージを持たれていることも多くあるのかと思っています。
ですから、今回の記事でも達成率529%という数字だけを見てどのようにみなさんが感じられるかはわかりません。

その数字を見せていく度に、誇らしげな気持ちと、少し心が軋むような感覚があります。このバランスはとても難しいです。
ですから、その自身の未熟な気持ちや経験も含めて赤裸々に記録にしようと思いました。

「数値を売りにしていくパフォーマンスを見せなくてはいけない一面を作るために様々な葛藤や考えがあった」ということすらも、何かに挑戦しようとしている方々にとっての参考や励まし、あるいは反面教師にしていただければという一心です。

長い文章を読んでいただき、ありがとうございました。


そして最後に。
このCFを支援してくださったみなさま。拡散してくださったみなさま。
遠くから応援してくださったみなさま。このCFで私を知ってくださったみなさま。

たくさんの応援を、本当にありがとうございました。
言葉で言い尽くせぬ感謝を今後の活動に込めていければと思っておりますので、これからもたくさん一緒に楽しい夜を過ごしてまいりましょうね。


2022.8.7






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