向かいの家


友達の家の玄関の前でおしゃべりしてた。

そしたら向かいのお家がさ、なんかドアが少しだけ開いてて。
玄関とかにも服がかかってて、物溢れすぎやろ!と思った。
けど、玄関に服かけるのまじ明暗だから見習いたい。

管理人さんが
こんにちは〜ってやってきた。

友達と管理人さんはすごい仲がいいみたいで
「あ〜そこの向かいの家の人さ、勝手に入って掃除してって頼まれてんだよね。一緒にしない?」

って言われた。

友達はめんどくさがってたけど、私はなんか興味津々で、やりたい!って言って1番に入って行った。

お部屋はびっくりするくらい狭くて、
ベットが高いやつ、その下に机が置いてあった。

正直散らかってた。でも、散らかり方は知らない誰かの努力が見えて綺麗だった。
沢山の本、文字が書いてあってくしゃくしゃになってる紙、壁に貼ってある目標、とか。

おそらくそこの家主であろう人の名前が紙に書いてあった。

私の元彼の名前だった。

あんな別れ方をしたから
大人になるためにいっぱい努力したのかな。

戻れることなら戻りたい。
すきな気持ちだけで、心臓が溶けるほどドキドキしてたあの頃に。


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