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寿湯「今の時代に合わせて柔軟に新しいことに挑戦をし、銭湯業界を盛り上げたい」

湯どんぶり栄湯のコミュニティマネージャーをしているふがしです。
”銭湯と人”はお風呂やサウナの設備(機能)的な価値ではなく、温浴施設で働く「人」の想いを世の中に発信するために始めました。そして「想い」を受け取った方が「応援したい」と思って記事にした銭湯・サウナ施設に足を運んでくれたら嬉しいです。

今回は湯どんぶりの待合室(コミュニティ)のメンバーと一緒に上野で営業をしている寿湯にお伺いして店長の長沼さん・杉原さんにお話を伺いました。

このnoteのまとめ
・寿湯の紹介
・スタッフの杉原さんの銭湯に働くまでのストーリー
・店長(長沼さん)の銭湯への想い


寿湯の紹介

寿湯は上野駅より徒歩10分・稲荷町駅より徒歩2分の場所にある銭湯です。1日の来店者数は600名~800名と多く非常に人気な施設です。内湯だけではなく、露天風呂・サウナもあり深夜までお客様が訪れています。

ブラックな環境から銭湯業界へ転職

ー杉原さんのご出身はどちらなのでしょうか?

僕は新潟県新発田市が出身です。上京したのは結構遅くて30歳の頃に東京に来たんですよ。上京したての頃は違う業界で働いていたんですけど結構ブラックな環境の職場だったのでそれで転職をして今に至ります。

ー銭湯への転職はどのようにされたのでしょうか?

実は紹介で入ったんです。前職はブラックな職場でしたが有り難いことに人間関係には恵まれていました。そのお陰で同僚(現萩の湯の店長)から「俺の転職先の職場で募集しているから杉原さんも来て働きなよ」と声を掛けてもらいました。転職先を探していたので「是非!」と二つ返事で答えました。

休みの日も銭湯に行くので自宅のガス代がほとんどかかっていないという

常連さんとの関係値をまずは作った

ー杉原さんの1日のスケジュールを教えていただけないでしょうか?

萩の湯時代のスケジュールになりますが大体はこのような感じです。
わたしは7:30~17:00のシフトが多いですね。

・5:30:出勤、開店準備、清掃、売上精算
・6:00-9:00:朝の営業
・9:00-11:00:昼からの営業に向けて清掃
・11:00-25:00:営業
・25:00-25:30:閉店後に締め作業をして退勤

※シフト制で交代しています

ーわたしは以前介護の仕事をしていて早番専属だったのですが朝早いと生活リズムがおかしくなりますよね。

そうなんですよ。仕事後にそのまま銭湯に入ってから家に着いてから疲れて寝てしまうので夜眠れなくなることが多いです。

ー大変な仕事だと思いますがどのような時にやりがいを感じますか?

常連さんに声をかけてもらえると嬉しいですね。最初から常連さんに受け入れられてた訳じゃないので自分から元気よく挨拶したり、話しかけるようにしていたんです。するといつの間にか仲良くなって今では食事や野球のお誘いをいただけるようになりました。

「元気がある」「やる気がある」人は銭湯業界に向いているという

うちの店長の長沼さんが居るので呼んできますね。わたしだけではなく長沼さんの話も聞いてみてください!

ーありがとうございます!

杉原さんは湯どんぶりも好きでよく通っていただいています

寿湯は登竜門的な存在である

ー長沼さん、よろしくお願いします!まさか長沼さんからお話を聞けるとは思っていなかったので嬉しい反面びっくりです!お店にはよくいらっしゃるんでしょうか?

はい、お店に来るのは大切にしています。営業時間中にお風呂にも入ってお湯の温度を確かめたり、お客様と話すことは大事だと思っているからです。お客様と話すと気付かされることが多いので1日2回くらいは入っていますね。

ー寿湯の他に萩の湯、薬師湯などありますが寿湯の特徴を教えていただけないでしょうか?

うちは手動で地下水とお湯を調整しながら、40~41℃に調整していく温度設定を行っているのが特徴ですね。萩の湯は全自動なので萩の湯から異動で来た人はもう一度学び直す必要があります。

ー覚えるのにどれくらいかかるんでしょうか?

早い人で2週間かな。時間がかかる人だと1ヶ月位は覚えるのにかかります。
特に冬の季節は温度設定が難しいんです。時間をかけていいんなら苦労はしないんだけど営業時間前という限られた時間内に4-5箇所の調整をするには大変なんですよ。

設定は難しいがお湯の仕組みを理解できると語る長沼さん
マニュアルで人の目がある分、トラブルを未然に防げる。1時間おきに温度をメモすることでなにかトラブルがあれば原因の特定ができるように仕組み化されている

ー気持ちの良いお風呂の裏側では努力と管理が徹底されているんですね!

漢方が入っている「実宝湯」が温度が高くて人気のお湯なんですけど手動ということもあり、常連さんに「ぬるいよ〜」と言われてしまうこともあるので今以上のスタッフ教育と管理システムをよくしていきたいと思っています。

銭湯への想いを沸騰させる長沼さん

学生時代に同級生からは銭湯への理解が得られなかった

ー銭湯を経営する前に不安などはありましたか?

不安は一切なかったです。でもわたしが学生時代に同級生とかから銭湯のこと古臭いイメージでもたれて揶揄されたのはすごく辛かったですね。「番台!」と呼ばれたことがあって銭湯を古臭いもの扱いされました。その他にも「銭湯ってやっていけるの?」「お風呂屋って大丈夫なの?」と学生時代に言われました。その時の経験があったからわたしは時代に合わせて新しいことを柔軟に取り組もうと思いました。

長沼さんは過去の体験から銭湯文化を若い人に伝えていきたいと思った

ーだから寿湯さんは企業ともコラボされているんですね!

そうなんですよ。新しいことに挑戦していかないといけないと思って企業からご連絡をいただいた時は迷うこと無く「やろう!」と思いました。今では若い人も多く来ていただいているので学生時代の自分に「大丈夫、信じた道を一生懸命やっていけばいいよ。」と言ってあげたいですね。これからも新しいことをやっていく銭湯で若い人に銭湯文化を伝えていきたいです。

新しいことをすると嫌がる常連さんもいるから、常連さんが減らない程度に新しいことをしていきたいとも語る

最後に集合写真を撮りました

ー今日は本当にありがとうございました!おふたりの人柄に触れて寿湯さんのことがますます好きになりました!

そう言っていただいて嬉しいです。この後ゆっくりお風呂に入っていってくださいね。ありがとうございました!

長沼さん・杉原さんと湯どんぶりの待合室(コミュニティ)メンバーで写真を撮りました

銭湯好きが集まるオンラインコミュニティ

投稿・コメントなどをするとポイントが貯まって限定イベントなどに参加可能になります!

「銭湯への想いをカタチにするコミュニティ」
湯どんぶりの待合室には銭湯好きが集まり、時間や場所に縛られずに思いのままに銭湯について語り合えます。 そして色々な銭湯の魅力を知ることで今以上に銭湯ライフをもっと楽しむことができます。
湯どんぶりの待合室での新しいつながりを通じて、ひとりひとりの銭湯に対する想いを具体的なカタチにしていき、 銭湯をもりあげていきます!

インタビュアー:ふがし。湯どんぶりのXとオンラインコミュニティ(湯どんぶりの待合室)の担当をしている。尚、この日はコミュニティメンバーのさくらいさんかほさん・ayakaさんも同席してインタビューに協力してもらいました。

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